2006インターハイ(体操競技)レポート
レポート 総務委員会広報部
(web掲載 06.08.05)
期日
:平成18年8月2日〜4日
場所
:大阪市中央体育館
レポート
男女とも素晴らしい演技が数多く見られたが、その中でも競技として会場を大い に沸かせた男子団体の争いを中心に現地レポートする。
【男子】
規定を終えた段階で、団体の争いは1位の埼玉栄から3位の清風まで僅か0.225。 2位の洛南と清風の間は更に僅差の0.05。男子において規定の得点は持ち越されないが、 熾烈な優勝争いの迫力は、ウォーミングアップが開始された段階から伝わってきた。
第1種目。洛南は、あん馬一人目が落下し、苦しいスタートとなったが、ゆかからの埼玉栄、 つり輪からの清風は、着実に点を重ねていく。特に清風のつり輪は圧巻で、出口選手が 伸身月面宙返りの下り技を決めて9.700。そして、最後の稲寺選手はけ上がり中 水平〜バブザー(伸腕伸身正面水平懸垂経過中水平支持)〜ピネダという素晴ら しい力技のシリーズを決めて9.800をマーク。埼玉栄も宗像選選手が1本目に伸 身月面宙返りを決めて脚力の強いところを見せた。清風は、埼玉栄を引き離して トップに立つ。
第2種目。埼玉栄はあん馬で一人が馬に乗ってしまうミスを出したものの、エー スの山室選手がEフロップ、マジャール移動〜シバド移動といった高難度技を スピードのある捌きで決め、9.800をマークしてミスをカバー。清風は全員 がカサマツ1回ひねりでまとめてトップをキープ。洛南もつり輪で清風と の差を縮めてきた。
第3種目。洛南は跳馬で二人が大過失。もう一人も中過失のミスを犯し、確実に まとめておきたいこの種目で大きく後退。対する埼玉栄、清風はここで高得点を 連発。清風の出口選手は、棒下宙返りひねり〜棒下宙返り〜屈身ベーレ、さらに かかえ込みのベーレを見せ、大会最高の9.900をマークした。こうして、埼玉栄 は山室、宗像、清風は稲寺、出口という、それぞれ3年、2年の選手たちが 素晴らしい演技を連発し、場内の注目を集めた。
第4種目。鉄棒でも清風は素晴らしく、稲寺選手はコバチ、エンドー、車輪系の ひねりで高難度の技を見せ、出口選手はコールマン、アドラー1回ひねり、伸身 トカチェフ、そして伸身新月面宙返り下りを決めた。出口選手はこの種目でも最 高の9.825をマークした。そして清風のこの種目の合計点29.250も、今日の最高 点であった。一方の埼玉栄は価値点の関係上得点の伸びにくい跳馬で素晴らしい 演技を見せた。宗像選手はドリッグスの着地を完璧に止めて9.775、山室選手は 更に高さのあるドリッグスを見せたが着地が止まらず9.650。しかし、この種目 で他のチームよりも1点近く高い合計点を出し、清風をピタリとマークする。
第5種目。清風がこのローテーションで休憩となり、埼玉栄は平行棒。ここでも 山室、宗像の両選手が高得点をマークした。山室選手はベーレでもいい捌きを見 せたが、カットなどの難度の低い技でも雄大な捌きで余裕のあるところを見せ、 熟練性を十分に感じさせてくれた。
第6種目。埼玉栄はこの鉄棒が最終種目。山室選手がヤマワキにおいて 手を横に広げる余裕のある捌きを見せて観客を魅了する。しかし、三人目に演 技をした宗像選手がコールマンで落下。ミスの許されない優勝争いにおいて、最 後の亀山選手にプレッシャーがかかる。その重圧を押しのけ、落ち着いてコールマンを 決め、途中のひねり系でもミスを出さず、新伸身月面宙返り下りの着地も見事に 決めた。一方の清風はゆかでも全員がレベルの高いところを見せた。 出口選手はかかえ込み月面宙返り、稲寺選手は後方伸身宙返り3回ひねりの 大技を終末技に持ってきて脚力の強さをアピールした。特に 稲寺選手は3回ひねりをピタリと決め、優勝に向けてのムードが高まった。
そして最終種目。埼玉栄の選手が休憩エリアで見つめ、地元大阪での 熱い応援の後押しの中、清風のあん馬が始まった。しかし、ここで優勝という 難しさを感じさせる展開があった。一人目の小泉選手がシバド移動とポメルへの 移動のところで二度の落下。そして二人目の青山選手も入りのフロップのところ で落下。大過失を出しながら8.900で何とか優勝への望みを繋いだ。 そしてエースの稲寺選手。更にプレッシャーが高まる中、入り技である高難度の ウゴーニャンで落下してしまう。後半のマジャール移動〜シバド移動〜Eフロップの 連続を決め、9.150とした。3者連続で大過失を出した清風は、優勝のために、 最後の出口選手に完璧な演技を要求した。会場全体も、チームとして集中する姿を、 固唾を飲んで見守っていた。そして、出口選手はマジャール移動〜ウゴーニャン〜 シバド移動〜Eフロップと決め、下り技まできれいにまとめた瞬間、会場全体からは 大きな歓声が渦巻いた。得点は9.725。結果的に0.100埼玉栄に届かず、清風は 最終種目のミスに泣かされた。ただし、決して諦めずに演技を続ける姿勢は 見ているものを非常に感動させる。
埼玉栄は、地元での盛り上がりで清風の勢いの影に隠れてしまったようではあった が、エースの山室選手を中心に、ミスがあっても他の三人が十分にカバー し、団体戦としての勝負どころを心得た試合運びを見せた。中盤に危ない局面も あったが4連覇達成。来年の団体優勝の行方も見逃せない。
なお、個人総合争いは、埼玉栄の山室選手が優勝し、団体と合わせて2冠を達成。規定 でトップに立っていた内村選手(東洋)は最終班の前の第2班での演技で、最終 班の選手を脅かす演技を見せていたが及ばずに2位に終わった。内村選手はゆか で伸身月面宙返り、跳馬でユルチェンコとび2回半ひねりといった脚力の強いと ころを見せ、また、各種目高難度の技の実施も美しく、将来性を十分に感じさせ た。3位には地元清風の活躍に貢献した出口選手が入った。
【女子】
女子は規定こそ接戦であったが、団体、個人共に実力校、実力選手が着実に点を 重ね、順当な結果となった。
団体はNHK杯に出場した選手を3人擁する藤村女が規定での僅差を大差に変える 圧倒的な強さを見せ、見事に6連覇を達成。2位には規定4位から追い上げた、 世界選手権代表の黒田選手を擁する名古屋経大市邨が入った。
藤村女は、ナショナルチームメンバーでもあるエースの岡部選手がNHK杯時 よりも難度を落とし、確実性を狙った演技に徹してほぼノーミスの演技。 国際ジュニアへの出場経験もある美濃部選手や、成田選手に元気がなかったが、 NHK杯でいい演技をした中川選手がそれをカバーし、優勝に大きく貢献した。 高難度技でも姿勢欠点の少ないところが、他のチームとの圧倒的な差につながった。
個人総合は、黒田選手が貫禄を見せ、0.300差まで岡部選手に追い上げられたも のの見事に2連覇を果たした。段違い平行棒では世界レベルの演技を見せ、前方 かかえ込み2回宙返り下りの着地(前一歩)以外は完璧な演技であった。しかし 平均台でかかえ込み側方宙返りで大きくバランスを崩し、ゆかでも3回ターンで 飛んでしまうミスを犯すなど、全体的には反省点の残る内容だった。
また、規定を終えてトップであった飯田選手(須磨)は、自由では黒田、 岡部両選手には及ばなかったものの、随所に美しい動きを見せ、藤村女の中川選手を 0.05抑えて見事3位に入った。最終種目における平均台で、両足を揃えた 後方宙返りの部分で落下したことが悔やまれるが、地元開催の国体での活躍が期待される。
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結果
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