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2013リューキン国際招待報告

Category : レポート  |  Date : 2013/12/24 12:51

1 期間 平成25年12月11日(水)~12月17日(火)
2 場所 アメリカテキサス州・ダラスWOGAジムナスティックアカデミー
3 競技会場 WOGA‐Frisco GYM
4 宿泊 Embassy SuitesHotel
5 選手団
監督 梅本英貴(清風高校強化部員)
コーチ 石田隆二(太成学院大学高校)、室井聖史(船橋整形外科西船クリニック)
選手 奥野岳史(清風高校)田浦誠也(太成学院大学高校)倉島大地(市立船橋高校)谷川航(市立船橋高校)

6 スケジュール
12月11日(水)伊丹空港・成田空港発ダラス到着本会場練習
12月12日(木)本会場練習
12月13日(金)練習会場練習
12月14日(土)競技
12月15日(日)文化交流活動
12月16日(月)ダラス空港発
12月17日(火)成田空港、伊丹空港着

7 大会概要
ジュニアナショナル強化選手より8年連続派遣となった今大会は、格レベル・年代別で競技クラスが分けられ、3日間の競技日程で開催された。今年のエリートクラス(シニアの部)には開催国となるアメリカに加え、日本、ウクライナ、ロシア、プエルトリコ、メキシコからの6カ国38名が出場した。エリートクラスには、各国のナショナル選手やジュニアナショナル選手が参加しているため、毎年レベルの高い大会となっている。今年は、ウクライナのOleg Verniaiev(2013ワールドカップ東京大会・イギリス大会・ドイツ大会の3大会チャンピオン)、アメリカのDanell Leyva(アメリカナショナルチーム)らも出場した。日本チームは、2013国際ジュニア大会に出場した倉島、谷川に加え、国際大会初出場の奥野、田浦の高校上位選手でチームを構成し、4年連続団体総合優勝を目標とした。競技は、団体総合(4-4-2制)、個人総合、種目別を1日で競う大会である。

8 大会レポート
□12月11日(水)【1日目本会場練習】
大阪在住の選手団と千葉在住の選手団は10:00に成田空港に合流し、12時間以上の移動を経て予定通り8:30(現地時刻)にダラス空港へ到着。空港にはリューキンカップ関係者が出迎えてくださり、試合会場となる“WOGA-Frisco”まで車で送迎していただいた。途中にレストランに寄り朝食を済ませた。その後、本会場となる体育館に10:00頃到着し練習を行った。この日の練習内容は、長時間の移動や時差による疲労、競技器具(AAI)・環境を考慮し、3時間程度のフリー練習を行った。会場練習は日本選手のみであり、比較的ゆとりをもった練習を行うことができた。しかし監督・コーチ陣からすれば必ずしも良い動き・練習とは言えず、これはやはり移動や時差が影響してのものと考えられる。今大会の日本選手は全員が初めての海外での試合経験となったが、普段通りの練習をこころがけ不慣れな環境にも適応しようとする姿勢がみられた。

□12月12日(木) 【2日目本会場練習】
この日は、練習を午前と午後に分けた2部練習を行った。午前練習は前日の不安箇所の修正や調子を上げていくための短時間の練習であった。会場は日本選手と開催国のアメリカ選手団のみであった。そのため比較的自由な時間配分で練習を行うことができたため、全種目1・2回で自分のポイントを確認する選手、不安種目・技に重きを置き取り組む選手、コンディショニングに時間を費やす選手と各自多様の練習内容であった。午後は、右肩と右膝に痛みを抱える倉島を除き試合形式の練習を行った。試合形式の練習を行った3選手に関しては、調子も良く、演技の内容的にも過失の少ないまずまずの仕上がりをみせた。また、使用器具の中でも今回一番異なる印象をもった床では、連続技での失敗も見られ、これにより床運動での意識確認(蹴りの合わせ方など)を再確認することができた。チーム練習を外れた倉島は肩と膝に不安を抱えての出場であったため、自身での調整を中心に行ったが、吊り輪と跳馬以外は全習練習に近い内容を行い、身体的・精神的にも試合に向けてのコンディショニング向上を図ることができた。

□12月13日(金) 【3日目練習会場練習】
滞在3日目となるこの日は、翌日に試合を控え、練習会場WOGA‐Planoにて3時間程度のフリー練習を行った。試合に向けて、各自不安箇所の最終確認の練習を中心に行った。女性選手が多く所属するWOGA‐Planoでは、男子の競技用器具が使用しにくい面もあり、苦渋する面も見受けられた。しかし、その中でも海外選手はそのような影響をものともせずに各種目1・2本の実施でほぼ全習演技に近い内容を要領よく行い短時間で前日練習を終了していた。このような点は今回の日本選手も学ぶべき所であると感じた。どんな環境にも左右されることなく自身の演技ができ、競技力を求められる海外試合特有の経験は、日本選手の貴重な経験になったことであろう。

□12月14日(土) 【4日目競技】
午後17:30からの競技に備え、朝食を遅めに取り、午前中は比較的時間にゆとりをもってホテル内で時間を過ごした。予定より15分遅れで開始したウォーミングアップは、1時間のフリー練習であったが、平行棒のみ各班10分づつの割り当て練習で行われた。

【第1ローテーション 平行棒】
1.倉島;単棒閉脚中抜き倒立、ホンマ、棒下倒立、車輪、ツイスト、ディアミドフ、開脚前宙腕支持、屈身ダブル(Dスコア5.6) 得点14.35.まとまりのある演技で着地も決める
2.奥野;棒下倒立、車輪、ベーレ、チッペルト、ツイスト、ライヘルト、Dツイスト、屈身ダブル(Dスコア5.8)得点14.75 着地で小さく動いた以外は良くまとまっていた。
3.田浦;ホンマ、棒下ハーフ、棒下、車輪、モイ、チッペルト、Dツイスト、ツイスト、ディアミドフ、屈身ダブル(Dスコア6.2)得点14.20 棒下倒立技でやや手が動く。着地で後方に尻もち。
4.谷川;ホンマ、ヒーリー、ディアミドフ、車輪、棒下、モイ、チッペルト、ツイスト、開脚前宙腕支持、屈身ダブル(Dスコア6.1)得点15.10 ヒーリーでやや重心が後方にかかったが立て直し、その後は良くまとめた演技内容
●チーム得点 ;奥野+谷川;29.85

【第2ローテーション 鉄棒】
1.谷川;ヤマワキ、伸トカチェフ、トカチェフ、アドラー、大逆手エ、ホップ、伸身ルドルフ(Dスコア5.5)得点15.00 着地も決まり実施もほぼ完ぺきな演技
2.奥野;ヤマワキ、コールマン(持った直後の車輪で肘が少し曲がる)、ホップ、ホップ1/2(ひねり不足と鉄棒の持ち損ねで何とか落下は防いだが大過失)、アドラー、伸身ルドルフ(Dスコア5.7)得点13.75
3.倉島;アドラー1/2、伸トカチェフ(直後の車輪でやや肘が曲がる)、ホップ1/2、アドラー1/1(鉄棒を通過できず、ヤマワキへの連続を行えず)‐ヤマワキ、エンドー、ホップターン、伸身ルドルフ(着地は後ろに1歩)(スコア5.7):得点14.85;
4.田浦;アドラー1/1(両逆)、アドラー1/2、伸トカチェフ1/2(やや鉄棒に近づき坂手車輪で肘が曲がる)、伸トカチェフ(やや鉄棒に近づき坂手車輪で肘が曲がる)、エンドー→エンドー移行、シュタルダー、ホップターン、伸身サルト(着地決める)(Dスコア6.0)得点14.50
チーム得点・・・倉島+谷川;29.85

【第3ローテーション ゆか】
1.倉島;前方伸身宙返り2/1ひねり(着地決める)、前方宙返り1/1ひねり~前方伸身宙返り2/1ひねり(後ろにわずかに動く)、後方伸身宙返り2回半~前方宙返り1/1ひねり、後方2/1ひねり宙返り、十字倒立、脚上挙(やや腰が低い)、ダイビング宙返り、後3/1(細かく着地動く)(Dスコア5.7)得点14.70
2.奥野;前2/1-前1/1(わずかに着地動く程度)、後5/2-前1/2(着地決める)、側1/1、後2/1(横に小さく動く)、脚上挙(やや腰が低い)、後3/1(着地で小さく動く程度)(Dスコア5.8)得点14.85
3.田浦;屈身ダイブダブル(両脚わずかに前に1歩)、前2/1-前(着地決める)、後5/2-前1/1(前1/1がやや低くなった)、ダイブダブル(前に1歩)、後方1回半~前方1回半(ラインオーバー)、十字倒立、後3/1(着地両脚わずかに前に動く)(Dスコア6.2)得点14.65
4.谷川;前5/2(着地大きく片脚前に動く)、屈身ダイブダブル(両脚小さく前に動く)、マンナ(静止時間短い)、十字倒立、前2/1-前1/2(前1/2が少し低くなり着地も前に1歩)、後2/1、後5/2-前1/1、後3/1(着地決める)(Dスコア6.3)得点15.00
チーム得点・・・奥野+谷川29.85

【第4ローテーション あん馬】
1.倉島;セアー倒立、Eフロップ、Dコンバイン、とび前移動、シバド、終末技D(Dスコア5.7)得点14.80 セアー倒立が少し低い位置での決めとなったが全体的には良くまとめた演技
2.奥野;とび前移動、シバド、とびセアーひねり、終末技なし(Dスコア4.8)11.35 とび前移動で落下しもう一度実施。終末技で馬端に完全な着脚で蹴り上げて倒立へ。
3.谷川;セアー倒立、Eフロップ、とび前移動、シバド、終末技D(Dスコア5.4)得点14.90 倉島選手同様、セアー倒立が少し低い位置での決めとなったが全体的には良くまとめた演技
4.田浦;セアー倒立、Eフロップ、Dコンバイン、マジャール、シバド、終末技D(Dスコア5.7)得点14.35;大きな過失なくまとまった演技。
チーム得点・・・倉島+谷川29.70

【第5ローテーション つり輪】
1.倉島;ホンマ十字、振開脚上水平、ジョナサン‐ヤマワキ、後車輪‐ルドルフ(Dスコア5.5)得点14.50 後車輪実施後の倒立でこらえる場面も見られ、着地も大きく前に一歩でとどまり、肩の痛みをよくこらえ良く耐えた演技内容。
2.谷川);十字、振開脚上水平、ジョナサン‐ヤマワキ‐振十字、後車輪‐サルトハーフ(Dスコア5.6)得点15.10 倒立の決めや力技の静止時間も十分に行い着地も決める。
3.奥野;ほん転十字倒立、ホンマ十字、ジョナサン‐ヤマワキ‐振十字、後車輪‐ルドルフ(Dスコア5.8)得点15.00 力強く着地までよくまとめた実施内容。
4.田浦;け上がり十字、ヤマワキ‐ジョナサン‐ホンマ十字、後車輪‐ルドルフ(Dスコア5.5)得点13.60 力技の静止時間がやや短いかという印象。倒立のふらつきが多少見られ、終末技の着地で前に手をつく。
チーム得点・・・谷川+奥野;30.10

【第6ローテーション跳馬】
1.倉島;アカピアン(Dスコア5.2)得点13.75;着地姿勢が低くなり、前に大きく1歩でこらえる。
2.谷川;ドリックス(Dスコア5.6)得点15.20;着地も決め会場を沸かせたすばらしい実施。
3.奥野;①ドリックス(Dスコア5.6)②クエルボ1回ひねり(Dスコア5.2);得点13.40 1本目のドリックスは着地で尻もちの大過失。2本目は後ろに細かく2・3歩動く。
4.田浦;①ドリックス(Dスコア5.6)②クエルボ1回ひねり(Dスコア5.2);得点14.85 1本目は跳躍がやや横にずれたが着地も小さく1歩で高さもあり良い跳躍。2本目も高さもあり着地も小さく後ろに踏み出す程度で良い跳躍であった。
チーム得点・・・谷川+田浦;30.05

9 日本の大会成績
団体総合 ) 2位
個人総合 ) 谷川2位、倉島6位、田浦7位、奥野12位
種目別 )谷川;あん馬2位/つり輪3位/平行棒3位、田浦;跳馬優勝

10 総評
4-4-2制で争われた団体戦としての日本チームは、非常に雰囲気もよく、ベスト2をしっかり揃え合計得点を重ねることができた。しかし、ウクライナとの差はわずか0.35差で目標であった団体優勝を逃してしまった。個人総合並びに4種目で優勝を果たしたOleg Verniaievと、個人総合5位のMaksym Semyankivでのチーム構成2名で参加したウクライナに対し、4人構成で臨んだ日本はまさに完敗で悔しい結果となった。その中で、練習から常に安定感を携えていた谷川選手の活躍や、上級生として国内合宿から大会まで常に選手団を牽引した奥野選手・田浦選手、コンディションが万全ではない中、自分の演技を実施しきった倉島選手、そして我々コーチ陣にもそれぞれ得るものと反省すべき点が存在する遠征となった。しかし、ウクライナに限らず各国ともシニアナショナル選手が多数参加する中、日本はジュニアナショナルで参加し、また今回は選手全員が海外での国際大会が初出場となる中、選手たちの今後に繋がる貴重な経験になった事は間違いない。また、我々日本選手団は、大会主催側であるWOGA Gymnasticsの関係者の多くの人々の協力によって、現地での移動の送迎や食事、パーティや文化交流活動などを含め、感謝の言葉では言い表せないほどの配慮と待遇を受けた。これに敬意を表するべく、今後も我々日本が参加し、本大会の格式・レベルの維持・向上に貢献することが求められるものと考える。
大会終了後、成田空港での選手団の到着式では、日本体操協会の強化事業の一環として本大会に参加させていただいた感謝と誇りを忘れず、指導者および今後の日本体操界を担う立場のジュニアナショナル選手全員が、この経験によって得たものを体操界に寄与していくことの意思統一を図った。
最後になりましたが、本大会への参加にあたり、日本体操協会並びにWOGA STAFFをはじめ、多くの関係各位に心より感謝申し上げ報告とさせていただきます

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