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2014カタール国際報告

Category : レポート  |  Date : 2014/04/08 20:33

Doha2014

大会情報・結果

期日 平成26年3月22日(土)~29日(土)
場所 カタール/ドーハ
派遣者
<役員>水口晴雄、中瀬卓也、新宅裕也、辻哲夫、荒木慎一、村上拓、小林直行
<選手>齊藤優佑、山本雅賢、瀬島龍三、神本雄也、白井健三
競技会場 Aspire Academy Dome – Aspire Zone
競技日程
3月26日 予選競技
3月27日 決勝競技(前半)
3月28日 決勝競技(後半)
参加国及び出場選手数
本大会の男子参加国は、ARM.AZE.BLR.BRA.CHN.CRO.FIN.GER.HKG.HUN.IRQ.JPN.JOR.KAZ.KOR.KUW.LAT.MGL.NED.POR.QAT.ROU.SIN.SLO.SUI.TPE.TUR.USA.UZB.VIE.の30カ国。出場選手は全96名。
競技方法
①競技は2013年度版FIG採点規則に従って行われた。
②競技初日に男子予選(6種目)、2日目に前半決勝(ゆか、あん馬、つり輪)、3日目に後半決勝(跳馬、平行棒、鉄棒)が行われた。
③使用器具はヤンセン社製の製品使用。
④予選は1タッチウォームアップ(30秒)があったが、決勝は30秒アップがなかった。
⑤サブ会場は隣接するホール(2か所)が使用された。
⑥各種目の審判配置は、D1,D2の2名とE1~E4の計6名であったが、決勝ではD1.D2の2名とE1~E6の計8名であった。
日本チーム各選手の演技構成並びに戦況
<予選:3月26日(水)>
■ゆか
白井健三15.850( D=7.4E=8.750ライン0.3 )
各コース小さくはねるような着地になり3コース目の3回ひねりで両足ラインオーバーをしてしまったが実施自体は良くEスコアも高めの評価であった。予選1位通過。
■ゆか
瀬島龍三15.150( D=6.4E=8.750 )
全コース着地まで意識が行き届いたすばらしい実施であった。予選2位通過。
■あん馬
齊藤優佑14.650(D=6.2 E=8.45)
本人が持っている力は出し切れた演技であったが、旋回の質や移動の向きで減点が多かったように感じる。予選敗退。
■あん馬
山本雅賢12.750( D=5.4E=7.350 )
入りのセア倒立はスムーズにこなしたが、Eフロップの途中でポメル間に手をつき不成立となり、流れが悪いままトンフェイを実施して落下した。予選敗退。
■つり輪
神本雄也14.700( D=6.2E=8.500 )
最初の後転中水平の停止が甘かったが、次の技からはまずまずの実施であった。バラバノフの着地も小さく一歩にまとめたが、予選通過ラインが15.20と高く、予選敗退となった。
■つり輪
瀬島龍三14.700( D=6.3E=8.400 )
前半の力技は姿勢や静止時間に問題もなく素晴らしい実施であった。倒立も力強く良かったが、後半の開脚上水平がやや低い位置でぐらつく実施になってしまい、終末技のルドルフが窮屈な着地となった。予選敗退。
■跳馬
齊藤優佑15.125
1本目15.250( D=6.0 E=9.250 ) ヨー2/2本目15.000( D=5.6 E=9.400 )ドゥリッグス
1本目、2本目ともに着地までまとめいい実施であった。予選3位通過。
■跳馬
白井健三15.125
1本目15.200( D=6.0 E=9.200 )シライ/2本目14.850 ( D=5.6 E=9.250 ) ドゥリッグス
自分の名前のついている技をしっかりきめ、2本目も着地を小さくまとめた。予選4位通過。
■平行棒
神本雄也14.400( D=6.7E=7.700 )
腕支持前方回転、棒下ひねりの実施は良かったがシャルロで外に出てしまう。落ち着いて横上がりをしてその後の技も丁寧にこなしたが、屈伸ベーレの後の前振り上がりでバーを掴み損ねてダブルスウィングをするミスが出る。その後のティッペルト、ヒーリーも乱れ、なんとか着地までいったが、点数が伸びずに予選敗退。
■平行棒
齊藤優佑15.000( D=6.4E=8.600 )
入りのシャルロから良い実施ですべての技が綺麗に倒立に収めていけた丁寧な演技であった。予選7位通過。
■鉄棒
齊藤優佑15.550( D=6.9E=8.650 )
入りのエンドー1回ひねりで体が捻じれるような捌きになってしまったが、その後の放れ技を雄大にきめて着地も1歩にまとめた。予選1位通過
■鉄棒
山本雅賢15.300( D=6.5E=8.800 )
初めのカッシーナをきめ、続くコバチでバーに近づきエンドー上がりになってしまった。コールマンを抜いての演技になったが、その後は素晴らしい実施で着地までまとめた。Dスコアを下げてしまったがEスコアでは高得点を獲得した。予選5位通過。

<決勝(前半):3月27日(木)>
■ゆか
白井健三16.000( D=7.4E=8.600 )優勝
予選の反省を活かし、ラインオーバーはなく演技を終えたが、着地で小さくはねる実施が多く予選よりEスコアを落としたがDスコアの高い演技で他を寄せ付けることなく堂々の優勝であった。
■ゆか
瀬島龍三14.700( D=6.4E=8.700ライン0.4 )7位
1コース目の着地で乱れてラインオーバー、更に3コース目には直接ラインオーバーをしてしまう。他のコースは着地が決まる良い実施であったが、0.4のライン減点が響いて7位に終わった。Eスコアを考えればメダル争いに加われただけに悔いの残る実施になってしまった。種目別での0.1の大切さを思い知らされた結果となった。
<決勝(後半):3月29日(金)>
■跳馬
齊藤優佑15.2372位
1本目15.375( D=6.0 E=9.375 )ヨー2/2本目15.100( D=5.6 E=9.500 ) ドゥリッグス
予定していた通り1本目にヨー2、2本目はドゥリッグスを実施した。2本とも着地まで意識ができた素晴らしい実施であった。優勝した選手にはわずかに及ばなかったが評価に値する2位であった。
■跳馬
白井健三15.2003位
1本目15.350( D=6.0 E=9.350)シライ/2本目15.050( D=5.6 E=9.450)ドゥリッグス
予選同様自分の名前の付いた技をきめ、2本目のドゥリッグスも小さく前に1歩でおさえ高得点を獲得した。齋藤選手に次ぐ3位という結果で、日本選手2名が表彰台に上がることができた。
■平行棒
齊藤優佑14.175( D=6.4E=7.775)5位
アップなしの決勝でトップバッターの演技者であったため、平行棒を作る準備時間が短かったように感じた。なんとか準備を終わらせて演技に臨んだが、呼吸をうまく合わせることができず腕支持前方回転の後に中間振動が入ってしまった。演技後半は倒立にぐらつきが見えるようになったがなんとか演技を終了させた。減点個所の目立つ実施になってしまった。
■鉄棒
齊藤優佑15.025( D=6.9E=8.125)5位
予選を1位通過し、期待の高まる中演技開始。最初のエンドー1回ひねりで横にぶれたが力で戻した。その後も放れ技が近づくなど少し窮屈な演技実施となったが、伸身ルドルフの着地を見事に決めて大過失なく終えることができた。スペシャリストが多い中で上位を目指していくには、流れの良い演技をする必要があることを痛感させられた。
■鉄棒
山本雅賢13.975( D=6.4E=7.575)7位
入りのカッシーナで落下をしてしまう。その後の演技は素晴らしかったが落下の減点は大きく、残念ながら鉄棒において日本選手がメダルを獲得することはできなかった。
種目別決勝で、自分の予定している演技を普段通り演技する難しさを感じた。その中で白井選手の2種目でのメダル獲得は素晴らしく、世界チャンピオンの風格を感じさせられた。一緒に遠征行った選手にも良い刺激になったように思う。

まとめ
本大会には平成25年度ナショナル強化指定選手から白井選手、齊藤選手、神本選手、山本選手、瀬島選手の5名を派遣することになった。5名の選手にそれぞれ出場種目を2種目に絞ってエントリーを考えてもらい、出場枠が空いていたあん馬、平行棒に関しては、出場を希望した齋藤選手をエントリーさせて予選を行った。
昨年同様に各国若手選手の派遣を行っていた。その中で世界選手権やオリンピックで各種目のスペシャリストは、ハンガリーのベルキ選手、オランダのゾンダーランド選手、バンゲルダー選手そして日本の白井選手であった。全体的に各国2種目~3種目の出場が多くオールランダーのような選手は少なかったように感じた。
本大会では、予選の参加種目の人数が多く、競技時間が5時間半を予定していたが6時間以上かかってしまった。次の日の決勝に出場する選手にとっては負担の多い試合となったが、このような経験を自分の力にできるようにしてもらいたい。
採点の面では、きちんとした演技に高評価を与えているように思えDスコアが決定点に繋がっているようではないと感じた。これからはDスコアで勝負するには他を寄せ付けないぐらい高いものでないと、高得点に繋がっていかないように感じた。Dスコアの向上が必要であることはもちろんだが、日本の目指す美しく正確な体操が、世界に求められてきていることは確かであると考える。
今回派遣した5名の選手には、予選及び決勝において成果と課題を得る事が出来た。それぞれの課題を帰国後の練習において克服してもらい、来年度の競技力向上につなげて頂きたい。
最後に、大会期間中大変にお世話になったカタール体操協会の皆様方に感謝の意を表し報告とする。
※この事業は、(独)日本スポーツ振興センター・競技強化支援事業としての助成金交付に基づき活動を行っている。