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2014ワールドカップ・アメリカ大会報告

Category : レポート  |  Date : 2014/03/06 14:51

2014ワールドカップ・アメリカ大会(アメリカンカップ)報告

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1.期日:2014年2月26日(水)~3月3日(月)
2.場所:アメリカ合衆国ノースカロライナ州グリーンズボロ
3.参加者:コーチ:原田睦巳(リオ・オリンピック強化本部員・順天堂大学)、中島啓(アンチドーピング医科学委員会委員)
選手:野々村笙吾(順天堂大学)
審判:倉島貴司(審判委員会男子体操競技部員)
技術スタッフ:村上拓(JISSマルチサポートスタッフ)
4.競技会場:Greensboro Coliseum Complex
5.練習会場:同上
6.宿 泊 先:Doubletree Hotel
7.競技日程
2月27日10:30~監督会議/13:30~15:30本会場練習
2月28日10:00~12:00本会場練習
3月1日11:30~15:30 競技
8.現地での調整
今回は、アメリカ体操協会の手違いにより、コーチ・選手のグループとサポートスタッフ・審判のグループが別々のフライトとなった。コーチ選手のグループに関しては、アトランタ空港への到着が若干遅れた影響により、予定していた乗り継ぎの便に搭乗することが出来ない事態となったが、1時間30分後の別便に搭乗することが出来、無事現地入りすることが出来た。サポートスタッフ・審判の方も同じような状況となり、人間は搭乗出来たものの、荷物が届かず結局深夜1時を過ぎたころに荷物が到着した。フライトスケジュールを再度検討する必要性を感じる移動であった。
翌27日は、時差ボケ等の影響を考慮して午後の割り当て練習時間の約2時間前となる11:50頃から練習を開始した。長旅の疲れと時差の影響により、思うような練習ができないと考えていたが、野々村は入念なストレッチとトレーニングを行い、1つ1つ丁寧に確認しながら積極的に練習に励んでいた。若干、ゆかフロアの跳ね具合、あん馬の動きに違和感を感じており、動きも良くはなかったが、明日で修正が可能な範囲であるように思える。
翌28日は、午前中の本会場練習を行った。試合開始時間が11時30分からということもあり、積極的に練習を行った。昨日に比べ動きは良くなって来ており、最終確認を行った。

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9.競技 結果
<ゆか>
腰の状態が思わしくなく、不安の残る種目であったが、最初の種目ということもあり、非常に丁寧な演技で無難にスタート種目を乗り切った。D得点6.1E得点8.800決定点14.900
<あん馬>
最初の交差系の技は無難にこなしていたが、その後の演技は硬さが見られたが、何とか乗り切ることができた。姿勢欠点が見られたが、周りの演技との比較から高評価を得ていた。D得点6.0E得点8.800決定点14.800
<つり輪>
実施自体は非常に良い実施であった。力技で若干の揺れがみられたが、着地を決め、選手トップの高得点を獲得した。D得点6.4E得点8.733決定点15.133
<跳馬>
現地入りして以来、助走路の感触に苦労していたが、当日の練習で何とか合わせることが出来た。試合では着地も小さく1歩にまとめた非常良い実施であった。D得点5.6E得点9.433決定点15.033
<平行棒>
演技前半のシャルロで若干詰まった動きであったが、その他は素晴らしい実施で、着地も決めて選手トップの演技であった。この時点でミクラック選手を抜いてトップに浮上する。D得点6.6E得点8.966決定点15.566
<鉄棒>
いよいよ優勝のかかった最終種目。2位のミクラック選手が先に演技を行い、内容は良くなかったがそつなく演技をこなし、野々村の出来次第という状況であった。しかし、冒頭の伸身トカチェフで落下。優勝が野々村の手中から抜けていった瞬間であった。その後もいつも通りの演技を行う予定であったが、鉄棒へ移動する前に、右手指が攣った状態であったことが影響し、予定の演技構成から勝ち点を減らした内容で行い何とか傷口を広げずに行った実施であった。結果、僅差で2位という結果であった。D得点5.7E得点7.833決定点13.533
10.総評
5月の開催される全日本選手権を控え、仕上がりが不十分な部分もあったが、次年度を見据えたうえでの有意義な競技会を行うことができた。
今大会ではロンドンオリンピックのメダリストや昨年の世界選手権の入賞者が犇めく、非常にハイレベルな競技会であった。特に地元のミクラック選手やファビアン・ハンビュッヘン選手らの絶大な人気と、アメリカの競技会特有の興奮状態の会場内の雰囲気の中で、自分の持てる力を発揮し、周りの環境に左右されることなく冷静沈着に演技を行うことの重要性を学んだことは今後に大きな好影響を与えたと考えられる。
いよいよリオ・オリンピックまで2年となり、諸外国がリオ・オリンピックに向けた強化策の中期に差し掛かって来ており、今大会も各国の主軸となる選手が存在し、順調に強化が進んでいる印象を受けた。高いDスコアを有した選手が多く、日本選手に関しても積極的なDスコア向上が今後の大きな課題の一つであるが、体操競技の本質である「美しさ」においては秀でていることを改めて実感し、またその評価も高いことから、両立を積極的に求めていくことを止むことのない努力で解決していく必要があるだろう。
以上
※この事業は、(独)日本スポーツ振興センター・競技強化支援事業としての助成金交付に基づき活動を行っている。
報告者:原田睦巳