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2017ヒューストン国際ジュニア大会(リッキーカップ)報告

Category : レポート  |  Date : 2017/01/22 20:46

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■派遣者
<監督>大竹秀一
<コーチ>行本浩人、梅本英貴、稲川峰士
<選 手>村山覚人、若狭康佑、橘汐芽、三輪哲平、

■派遣国
アメリカ ヒューストン
■成果
<参加選手>日本4名 イギリス5名 ドイツ4名 カナダ5名 アメリカ 5名 オーストラリア 5名
14歳~17歳までのジュニア選手が対象で、28名の参加。団体総合、個人総合、種目別で競技が行われた。

<大会の概要、現地での生活について>
昨年に引き続き、アメリカ体操協会およびFIGの公認大会である国際ジュニアチームカップ(リッキーカップ)に参加した。第2回目の開催となる今大会は、日本,アメリカ,イギリス,ドイツ,オーストラリア,カナダの6か国の参加となった。
大会会場のMerrell Center Areanaは、ホテルのから車で20分程度の場所で、アメリカのスポーツアリーナらしい雰囲気の良い会場であった。器具はAAI製の新品が使用された。練習会場は大会主催者である溝口氏が所有するFun Fitness Clubで行われた。2年半前に新設された体操専用体育館であり、ピット設備、タントラ、各種目2セット以上の器具など設備が充実していて十分な練習が可能であった。
ホテルはHilton Garden Inn Houstonという比較的新しい中規模ビジネスホテルを配宿された。近隣にはレストランやショッピングモールがあり過ごしやすい立地であったが、ホテル内には食事施設がなかったため(朝食はあり)、外で昼食と夕食をとることとなった。
また、期間中は曇りまたは小雨の日が多く朝晩は冷え込むものの、日中には18度以上の日もあり過ごしやすい気候であった。
尚、大会ルールは2017年からの新ルール(FIGユースルール 8技)が適用された。

1/20 団体決勝 4-4-3制(各国の5番手の選手はオープン参加という形で演技可能。)
※日本は1名の選手が出発前の怪我により今大会をキャンセルのため4名を派遣。
兼 個人総合  各国上位2 名が表彰対象
兼 種目別予選 各国上位2名までが決勝進出
1/21 種目別決勝 各種目8名、各国上位2名

<事前練習、コンディションについて>
*1/17 16:30-18:30練習会場/調整練習
ヒューストン国際空港より主催者の送迎で50分程度で練習会場に到着した。選手は長時間の移動や時差の影響で疲れた様子であったが、大会に向けてストレッチ、トレーニング、器具合わせを中心に2時間程度の練習を実施した。

*1/18 10:00-14:00 練習会場/続行練習
平行棒から練習に入り、15分フリーUP→50秒UP→試合の試技順で1本通しを実施した。幅合わせ、タンマのセットなどを含めて試合を想定した練習を行った。他の種目も各自のペースで1本通しを行った。全体的にミスが多く1本通しの後、各自反省練習で課題を修正していた。
13時よりコーチミーティングが行われ、スタート種目の抽選、試合におけるルール等各種確認が行われた。

*1/19 14:00-17:00 本会場練習
13:00分に体育館に到着したが、会場内の気温が低く肌寒い状態での練習となった。
内容はフリー練習であった。すべて新しい器具でタンマが付かない状態であり苦戦する面も見られたが、じっくりと練習をしながら対応させていた。
イギリスの選手はブスナリなどを実施する高難度の構成のあん馬で、会場の注目を浴びていた。アメリカの選手も跳馬で力強い実施をしていた。全体的に海外選手は筋力や瞬発力など潜在能力が高く伸びしろのある選手が多かった。カナダの選手は質の高い演技を実施していた。

*1/20 10:30-11:30 練習会場 16:45-18:45 練習 19:00-21:00競技
午前中に練習会場でストレッチ、トレーニング、基本練習を行い夕方の試合の準備を行った。競技前の練習は16:45~18:45までの2時間フリー練習で、平行棒のみネクスト種目からの15分ローテーションであった。18時45分よりオープニングセレモニー、19:00より競技が行われた。

*1/21 10:30-11:30(調整練習) 19:00- 23:00競技(種目別決勝)
昨日は2審制であったが、種目別は4審制で行われた。前半3種目→後半3種目で行われたが、終了時間は23時を超える厳しいスケジュールとなった。
尚、アメリカのカテゴリー9.10が国際試合と同時に試合を行う珍しい試合形式であった。

<競技会に関する報告>
【1日目:団体決勝・個人総合・種目別予選】
■ローテ1 つり輪
村山 ホンマ十字 後方倒立 前方倒立 ジョナサン ヤマワキ 力倒立 身伸サルト 4.5-8.15 12,65
橘 振上水平 ほん転倒立 ジョナサン ヤマワキ 力倒立 クーゲル倒立 ルドルフ 4.5-8.4 12,9
三輪 振上水平 ほん転倒立 ジョナサン ヤマワキ 開脚支持 シンピ ルドルフ 4.5−8.4 12,9
若狭 振り中水平 け上中水平 振上水平 ほん転倒立 ジョナサン ヤマワキ ほん転経過 身伸サルト  4,8-7.4 12,2
スタート種目としてまずまずの出来。Eスコアは国内より厳しく感じ、ジュニアの大会であっても静止や姿勢等しっかり減点している採点であった。

■ローテ2 跳馬
村山 アカピアン 後ろに小さく1歩    4.8-9.35-14.15
若狭 ドリックス 横に崩れるが堪える 5,2-8,95 ライン0.3 13.85
三輪 ドリックス 良い実施だがラインを出る 5.2-9.35 ライン0.3 14.45
橘 シューヘルト ほぼ着地を止める会心の出来 5.2-9.5-14.7
跳馬は全員が素晴らしい実施で高いEスコアをマークした。橘が全体のトップの高得点。
なお、村山(転回屈伸ハーフ)、橘(アカピアン)が種目別進出のため2本の跳躍を実施し、成功した。

■ローテ3 平行棒
若狭 ホンマ ヒーリー ツイスト ディアミ 車輪 モイ チッペ 屈ダブル 4,8-8.65 13.45
村山 ホンマ  ヒーリー 棒下倒立 車輪 チッペ ディアミ  屈ダブル 4.7-8.5-13.2
橘  ホンマ 棒下倒立 車輪 チッペ バブサー ツイスト ディアミ 屈ダブル 5.0-8.5 13.5
三輪 ホンマ ヒーリー 棒下ひねり 棒下倒立 モイ バブサー チッペ 屈ダブル 5.3-9.15 14.45
練習で苦戦していた日本チームの平行棒であったが、全員ミスなく乗り切る。
特に三輪が会心の出来で高得意をマークし、3種目終了で個人トップにおどり出る。

■ローテ4 鉄棒
若狭 コスミック エンド 伸トカ トカ ホップ シート大逆手 エンド1片大逆手 伸ルドルフ4.7-8.5 13.2
橘 アドh シート 伸トカ トカ アドラ 背面車輪  エンド 伸ルドルフ 4.5-8.75 13.25
三輪 コスミックコール 伸トカ トカ  アドラ 背面車輪 大逆手エンド 伸ルドルフ 4.9-8.25 13.15
村山 コスミック エンド アド1 アドh シート ホップ シートホップh 伸ルドルフ 4.8-8.8 13.6
全員が着地を決める素晴らしい実施。特に村山が全選手トップの高いスコアをマークした。
ここまで4種目を大過失なく終えた日本チームがトップ独走態勢に入る。

■ローテ5 ゆか
若狭 後3/2-前5/2 前2-前3/2 後ダブルh 後5/2 十字倒立 後3 5.2-8.4 ライン0.1 13.5
三輪 前ダブル 後3/2-前2 後5/2-前3/2(転倒で無し)十字倒立 後2 後3 4.7-7.2 11.9
橘 ルドルフ 前2-前3/2 前5/2 倒立抜きシンピ 後5/2-前1 後3 5.2-8.6 ライン0.1 13.7
村山 ルドルフ 後3/2-前2 後3.5 十字倒立 後5/2-前1 後3 5.2-8.75 13.95
ここまで個人トップを走ってきた三輪が転倒により得点を伸ばせず。代わりにノーミスで5種目を終えた橘と、得意の鉄棒、床で全体の最高点をマークした村山がトップにおどりでる。
5種目を終え大過失1の日本チームだが、ユースルール8技であるために審判の採点が早く種目移動が早いことと、スタミナを使う種目が後半にきたことが重なり、選手たちに疲労が出てきた。

■ローテ6 あん馬
若狭 セア倒立 Eフロ Dコンバ D前 D後 2/3前 Bシュテ D倒立下り 4.8-8.9 13.7
橘 セア倒立 セア倒立 Eフロ Bシュテ D前 D後 P D倒立下り. 4.8-8.75 13.55
村山 セア倒立 Dフロ Bシュテ C前 D後(落下不成立)2/3前 フクガ D倒立下り4.3-7.6 11.9
三輪  セア倒立 Dフロ Bシュテ D前 D後 P フクガ D倒立下り(不成立)D倒立下り 4.6-7.85 12.45
最終ローテで2選手が痛恨のミス。団体としても初めてベスト3を崩した種目となった。村山、三輪は個人優勝の可能性があったため、悔しいミスとなった。
優勝は大過失なく演技を終えた橘が、昨年の谷川に続き、日本選手個人総合2連覇を達成した。また、若狭がこちらもミスなく演技を終え、個人3位に浮上し銅メダル獲得。
大会規定により表彰対象は各国上位2名となったが、総合点では1位(橘),3位(若狭),4位(村山),5位(三輪)であり、日本選手が上位独占した。

昨年イギリスに0.1差で敗れ、悔しさを味わった日本チームだが、今大会は2位のイギリスを7.65という大差で下し、団体初優勝を成し遂げた。今大会の1番の目標を、団体優勝と強く意識していた選手たちであったが、プレッシャーをはねのけ素晴らしいチーム戦を行ってくれた。
明日の種目別でも、多くのメダルを期待したい。

【2日目:種目別決勝】
●ゆか
3 村山 ルドルフ 後3/2-前2 後3.5(お手つき) 十字倒立 後5/2-前1(尻もち) 後3 5.0-6.7 11.7
5 橘 ルドルフ 前2-前3/2 前5/2 倒立抜きシンピ 後5/2-前1 後3 5.2-8.5 13.7
予選1位通過の村山がミス。オープニングセレモニーが長引き調整が難しかった。
橘は着地を昨日の団体戦より上手くまとめる非常に良い実施。銅メダル獲得。

●あん馬
5 若狭 セア倒立 Eフロ Dコンバ D前 D後(落下)2/3前 Bシュテ D倒立下り 5.0-6.7 11.7
6 橘 セア倒立 セア倒立 Eフロ Dコンバ D前 D後 P D倒立下り(落下)D倒立下り
5.1-7.35 12.45
若狭、橘ともにミス。橘は予選より難度を上げて挑んだ。あん馬は多くの選手に落下や大過失があり、落下のあった橘が3位に入る。また、予選1位のイギリスの選手はブスナリやウゴニャンを含む高難度の構成(D5.7)を実施したが、こちらも終末技が上りきれず。あん馬は全体的に荒れた試合となった。

●つり輪
6 橘 振上水平 ほん転倒立 ジョナサン ヤマワキ 力倒立 クーゲル倒立 ルドルフ 4.5-8.4 12,9
5 三輪 振上水平 ほん転倒立 ジョナサン ヤマワキ 開脚支持 シンピ ルドルフ 4.5−8.4 12,9
橘、三輪ともに丁寧な実施であった。同点3位で両選手ともに銅メダル獲得。優勝はDスコアは低いものの、倒立の姿勢やキメの正確さにおいて群を抜いていた(E 9.3)カナダの選手であった。

●跳馬
4 村山 ・アカピアン 後ろに小さく1歩 4.8-9.05-9.05
・転回屈伸ハーフ3.2-9.35 12.55

2 橘 ・シューヘルト ほぼ着地を止める会心の出来 5.2-9.5-14.7
・アカピアン 転倒、ラインオーバー 4.8-8.35 ライン0.3 12.85

予選1位の橘が2本目のアカピアンで惜しくも転倒。しかし2本を高難度で揃えた選手が少なく3位に入る。
また、ここまでの4種目は本命の予選1位通過や上位進出者がことごとくミスを犯す波乱の種目別決勝となる。

●平行棒
1 橘  ホンマ 棒下倒立 車輪 チッペ バブサー ツイスト ディアミ 屈ダブル 5.0-8.2 13.5
5 三輪 ホンマ ヒーリー 棒下ひねり 棒下倒立 モイ バブサー チッペ 屈ダブル 5.3-8.5 13.8

予選1位通過の三輪がバブサーで足をぶつけるものの、気迫の演技で今大会の種目別決勝で日本選手はじめての金メダル獲得。
橘が多少手ずらしやふらつきが見られたものの、そつなく演技をまとめ銀メダル獲得。

●鉄棒
4 橘 アドh シート 伸トカ トカ アドラ 背面車輪  エンド 伸ルドルフ 4.5-8.5 13.0
6 村山 コスミック エンド アド1 アドh シート ホップ シートホップh 伸ルドルフ 4.7-8.5 13.2

予選1位通過の村山が、多少硬さが見られた演技であったが着地までしっかりと決め、日本は種目別決勝2つ目の金メダル獲得。また橘も疲れが見える中、踏ん張った演技で銀メダルを獲得。

■その他、反省、要望
・第2回の今大会も、主催者の熱心な運営やおもてなしのお陰で素晴らしい大会となった。
・海外の参加者との交流や情報交換も積極的に行われたほか、アメリカの強化システムなど を視察することもできた。
・現地の日本人の方が昨年に続き応援に駆けつけてくださり、非常に心強かった。
・試合結果としては、目標としていた団体優勝は達成したが、種目別でのミスが目立った。
次年度も参加できれば更に金メダルが獲得できるよう精進していきたい。
2017リッキー①
2017ricky-2