ホーム > 新体操 > レポート > 新体操W杯ロシア大会レポート3

新体操W杯ロシア大会レポート3

Category : レポート  |  Date : 2014/09/09 17:08

現地9月7日、新体操W杯ロシア・カザン大会最終日は団体種目別決勝と個人種目別決勝が行われた。

<団体種目別決勝・クラブ>
試技順1番はスペイン。連係でのキャッチの移動が見られ、また交換で2本のクラブが落下。そのうち1本は場外に出てしまう大きなミスがあり、15.450。

試技順2番は日本(フェアリージャパンPOLA)。いくつか、キャッチからのクラブの動きが悪い箇所があったことと、ステップなどの移動距離が小さくなってしまったが、落下ミスはなく、17.050。

試技順3番はイスラエル。中盤までスピード感、安定感のある演技をしていたが、後半の連係で落下し、16.400。

試技順4番はベラルーシ。連係での移動キャッチはあったが、全体的には非常にまとまりを見せてきた。17.650。

試技順5番はギリシャ。交換での移動キャッチや、ラストのDERで乱れがあり、16.450。構成的はきちんとしたテーマがあるが、動きが堅い印象がある。

試技順6番はブルガリア。イタリアンスキーで大きな跳ねがあったことと、全体に重い感じがしたが、落下ミスはなく17.550。

試技順7番はイタリア。一人の選手が4本のクラブを持ち、ジャンプしながら投げる連係で、落下。その場での落下だったが、直後の連係でももたつきが見られ、17.000。

試技順8番はロシア。ジャグリングをふんだんに取り入れ、少しでも集中力を切らせば、ガタガタと崩れそうになる構成であるが、総合に続いて落下ミスなしでやりきった。少し余裕が出てきたようにも見え、18.600。他国を大きく引き離した。

結果
1位ロシア
2位ベラルーシ
3位ブルガリア
4位日本
5位イタリア
6位ギリシャ
7位イスラエル
8位スペイン

<団体種目別決勝・ボール&リボン>
試技順1番ベラルーシ。連係に乱れがあったが、うまく対処した。またフェッテのローテーションもバラツキがあったが、落下なしでまとめ、17.650。

試技順2番日本。総合の時に比べ、ボールの片手キャッチを意識していた。リボンの後ろ投げが短くなったが、乱れを最小限に抑えたキャッチで、全体的には美しさをアピールできた演技であった。17.150

試技順3番イスラエル。キャッチの移動もほとんどなく安定感のある演技であった。17.200

試技順4番イタリア。連係で、その場でのリボンの落下が一カ所。ボールの両手キャッチも非常に多く、17.150。

試技順5番ロシア。中盤にさしかかるところでリボンに結び目ができてしまい、ほどこうとしたが、ほどけずにそのまま演技を続行。結び目ができたまま演技をいくつかこなして、ダンスステップコンビネーションの前にほどき、後半はリズムを取り戻したが、17.600。

試技順6番ブルガリア。ほぼミスのない迫力のある演技で、17.650。

試技順7番はドイツ。連係での不正確なリボンキャッチがいくつかあり、16.350。

試技順8番はスペイン。連係での移動キャッチはあったが、全体的には落ち着いており、17.500。

結果
1位ベラルーシ
1位ブルガリア
3位ロシア
4位スペイン
5位イスラエル
6位イタリア
6位日本
8位ドイツ

日本はコンスタントに17点台前半を出せるようになってきたが、中盤まではまだ行っていない。審判員が認めない難度は変更し、落下ミスがないだけではなく、移動キャッチなどのミスもなくしていくこと。そしてエネルギーのある演技をすることが必要になってくる。しかしながら、総合、種目別を通じて4回の試技を、高いレベルで終えられたことは、世界選手権に向けて自信を持って良いだろう。

クラブ出場者
畠山愛理
杉本早裕吏
国井麻緒
熨斗谷さくら
横田葵子

ボール&リボン出場者
畠山愛理
松原梨恵
杉本早裕吏
国井麻緒
熨斗谷さくら

<個人種目別決勝>
フープの試技順7番に登場した早川さくら。足持ちのローテーションの軸が大きく崩れ、ラストのDERのキャッチが、その場ではあったが落下となり、16.300。しかし、美しい動きは、他の選手が持っていないものであり、8選手が登場した中でも、まったく見劣りがしなかった。
ボールでも、出だしのMを決めると、落ち着いてひとつひとつていねいにこなし、難度も最後までやりきろうとする姿勢が見られた。17.350を出し、自己ベストを更新した。他の選手に比べるとエネルギーという点では弱いが、こうしてていねいな演技を続けていくことで、トップ選手の仲間入りができていくことであろう。

フープの金メダル獲得者はロシアのMamun。出だしのアチチュードローテーションで崩れ、全体的には重たい印象であったが、同じくロシアのKudryavtsevaが小さな落下ミスを犯してしまったために、0.05差でMamunの優勝となった。

ボールはKudryavtseva、Mamunともに上出来であったが、Kudryavtsevaが19.000という高得点を出し、0.05差で今度はMamunが敗れた。

クラブもKudryavtsevaがミスのない演技で優勝。18.950。2位にはベラルーシのStanioutaが入った。

リボンはKudryavtsevaが流れのある演技を見せて、優勝。投げの乱れから、DERの最後の回転をとりやめる箇所があったために、18.450であったが、Stanioutaがはりのある演技を見せても、追いつくことはできなかった。

Kudryavtsevaは難度、手具操作ともに安定感がある。考えられないほど難しい技をやっているのに、あまりにも安定感がありすぎて、少しも難しい技をやっていないように見えるほど。安定感が、かえってマイナスと思えるほどである。

対してMamunは、良い出来と悪い出来の差が大きい。総合のフープやボールのときのように、迫力ある演技を見せたかと思えば、翌日には身体がゆるく、重そうに見えたりもする。世界選手権ではどのようなMamunが出てくるのか、金メダル争いはMamunの出来にかかっているのかもしれない。

ベラルーシ勢は団体、個人ともに、世界選手権に向けてしっかりと照準を合わせてきた感がある。StanioutaだけではなくHalkinaも身体を絞り、ほぼミスのないエネルギッシュな演技で、クラブ、リボンで銅メダルを獲得した。

韓国のSonはフープではプログラム通りの堅実な演技をして18.000。銅メダルを獲得したが、残りの種目は少しミスが出てしまった。ベラルーシ勢の勢いが増してきただけに、メダル争いも面白くなってきた。

世界選手権の前哨戦が終わり、個人の皆川、早川はモスクワで、団体はサンクトペテルブルグで調整に入る。ここに個人の三上が加わり、いよいよ世界選手権がトルコ・イズミールで22日より始まる。

レポート 山﨑浩子