第16回日韓交流合宿(韓国・体操競技)報告

◎親善・友好第一の合同合宿終了
=日韓ジュニア交流=
 第16回日韓スポーツ交流事業の一環、体操競技と新体操のジュニア選手合同合宿がまず、10月末から東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で行ったのに続き、11月19日から6日間、韓国ソウル市の泰陵選手村で行いました。
 韓国合宿は役員7、体操男女各7、新体操8の総勢29名の日本選手団で構成。一行は19日、羽田発の大韓航空機でソウルの金浦空港に到着。連絡の行き違いのため空港で約3時間ほど待ちぼうけをするはめに陥りましたが、大韓体操協会の出迎えのバスで市内へ向かい、早速同協会主催の歓迎会に出席。いきなりの大歓迎ぶりに日本選手団も感激しました。
 翌20日から体操競技、新体操とも本格的な合同合宿練習に入り、たっぷり汗を流しました。日本での合宿ですっかり顔馴染みになった選手たちは、和気あいあいのうちに練習にも熱が入り、今回の目的である両国の親善、友好、そして競技力向上を十分果たせることができたと感じました。
 日中の最高気温が摂氏4度という寒いソウル市内でしたが、全員防寒は万全で、けがも病気もなく元気いっぱいに充実した合宿を送り、24日に無事帰国しました。すでに新体操のレポートはあがっていますので体操競技のコーチ報告を以下に示します。(常務理事・堀荘一)
【体操競技】
期日 2012年11月19日~24日
場所 大韓民国:ソウル泰陵選手村
スタッフ
 団長 堀荘一(日本体操協会常務理事)
 男子コーチ 松本忠親(中京ジムナスティッククラブ)、三宅裕二(おかやまジュニア体操クラブ)
 女子コーチ 伊藤安崇(山梨ジュニア体操クラブ)
 水鳥舞夏(水鳥体操館)
 男子選手 府殿大佑(徳島体操クラブ)谷川翔(健伸スポーツクラブ)天野敢太(大泉スワロー体育クラブ)迫龍登(東海テレビ東名体操クラブ)三輪哲平(清水ペガサス体操クラブ)石澤大翔(トミオカ体操クラブ)土井陵輔(おかやまジュニア体操クラブ)
 女子選手 梶田凪(山梨ジュニア体操クラブ)古山葵(レジックスポーツ)山家華音(中京ジムナスティッククラブ)三森梨央(アストリースポーツクラブ)田中萠(聖望学園体操クラブ)森蒼佳(池谷幸雄体操倶楽部)遠藤結菜(深川VIP体操クラブ)
報告
11月19日
 羽田空港から(役員7名+体操競技・新体操選手22名)合計29名の移動となり、選手によっては地方からの長旅となった者もいた。当日はホテルで軽いトレーニングと柔軟体操を行い、翌日からの合宿に備えた。
11月20日
 泰陵選手村の韓国ナショナルトレーニングセンターで午前、午後の2部練習を行った。韓国ナショナルセンター体育館はロンドンオリンピック、アジア選手権のため、ポジュウムが組まれていた。日韓の選手同士は、前回の日本合宿で顔を合わせているため、スムーズに練習に入ることができた。午前練習は基本トレーニングを中心に器具慣れも含め、午後は韓国と日本選手を数名ずつ入れて合同で種目練習を行った。
11月21日
 午前練習は主に、足のトレーニングを中心にタンブリングトラックで前方系の連続やひねりなどの感覚練習も行った。
 午後練習は間近にフューチャーカップ出場する日本選手3名が通し練習を行った。
11月22日
 晴天に恵まれ、午前トレーニングは韓国ナショナルセンター内にある陸上グランドでランニングを行い、体育館で体幹トレーニング、タンブリングトラックで前方2回宙返り、後方でのテンポ連続など頭を返さない、胸を開かない体幹トレーニングを生かした感覚練習を行った。
 午後練習で、フューチャー出場選手は通し練習、反省練習、着地練習をみっちり実施。韓国・日本選手ミックスで2班に分かれ、あん馬での旋回技、鉄棒での下り技、つり輪での振動系の技などを重点的に行った。
11月23日
 午前練習はストレッチを行うなど軽い練習で終えた。午後からはロッテワールドで、親睦を兼ねた観光を楽しんだ。
11月24日
 最終日、帰国時間の関係もありストレッチなどをして身体をほぐし、帰国の途についた。
総括
 この日韓交流合宿は、日本選手団として初めての海外派遣として参加する選手が多く、ほとんどの選手がすべての事が初体験であったと思われる。
 当初、器具の特性が日本の器具と異なり、異国に来た緊張感で選手たちの表情も硬く、身体の動きも悪い様に感じた。しかし韓国の選手たちと交流が深くなり、打ち解けて表情、動きとも良くなってきた。また、異国の選手と体操競技を通し異文化と接し、様々な事を感じることができ、勉強になったと思う。
 まだまだ日本選手のレベルの方が上だと感じたが、韓国選手の繰り返し練習を行う姿勢には決して侮れない存在だと、再確認させられた。
 中でも印象に残っているのが、韓国ナショナル選手である。監督、コーチ人が一人一人に声をかける姿や、選手をしっかりと補助をしていた。まだまだ、これからの選手ではあるが、2、3年後に戦える選手を、総力を挙げて指導に当たっているように見えた。
 今回も韓国体操協会には温かく迎えられ、連日スタッフ陣は、情報交換をした。
 アジアの体操は、日本、韓国、中国の3国が3強であり、アジアを牽引している。ヨーロッパは、各国の連帯が非常に強いこともあり、このヨーロッパに勝つためにも日本と韓国がお互いにジュニアの時期から連帯し、切磋琢磨することが重要であると感じた。コーチにおいてもこのような機会があることはとても有意義なことであると実感した。
 最後に、このような合宿の機会を作っていただいた日本オリンピック委員会、日本体操協会の関係者の皆様に感謝し、今後もこのような機会が続くことを期待して報告とさせてもらう。