NHK杯競技2日目

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 5月6日、2次予選から数えて4回目の北京オリンピックへのトライアルが終わった。白熱した代表争い、そして自分の集大成をぶつけた演技には心打たれるものがあった。また、怪我により志半ばにして演技ができなくなってしまった選手の目からこぼれた涙にも熱いものを感じた。
 NHK杯のタイトルは、冨田洋之選手(セントラルスポーツ)と大島杏子選手(朝日生命体操クラブ)の手に渡った。特に大島選手は終始安定した演技をみせ、本人の言葉通り、感謝の思いのあふれる素晴らしい雰囲気だった。
 男子2次予選トップ通過の内村航平選手(日本体育大学)は、昨日に引き続き2種目めのあん馬(下り技)で大過失を出してしまったが2位。そして3位には2004年の全日本ジュニアチャンピオンである坂本功貴選手(順天堂大学)が滑り込んだ。昨日の段階で3位だった鹿島丈博選手(セントラルスポーツ)は鉄棒での2度の落下により順位を9位まで落としたがあん馬と平行棒の種目別ポイントで代表入り。2次予選で不本意な演技だった中瀬卓也選手(徳洲会体操クラブ)と沖口誠選手(KONAMI)はそれぞれこの最終選考会で力を発揮し、代表入りを果たした。
 一方、女子については、2次予選トップ通過の上村美揮選手(朝日生命体操クラブ)がノーミスの演技で2位。3位には、平均台の「後ろとび1/2ひねり前方倒立回転」で落下してしまったが、その他では勢いのある演技をした美濃部ゆう選手(同)が入った。4位には、段違い平行棒の着地で尻もちをつき、平均台の宙返りで落下するなど精彩を欠いた全日本チャンピオンの鶴見虹子選手(同)が、そして5位には新竹優子選手(羽衣学園高校)が入った。また、種目別ポイントでは段違い平行棒と平均台で種目別ポイントを獲得した黒田真由選手(中京大学)が代表入りを果たした。なお、屈身トカチェフなど精力的に技を高めてきた昨年の世界選手権女子チーム主将だった椋本啓子選手(大阪体育大学大学院)は、2次予選で痛めた右足首を悪化させ、2種目めである平均台から棄権。昨日の山岸舞選手に引き続き、北京五輪団体出場権獲得の立役者の戦線離脱となった。