男子体操競技ジュニア指導者講習会報告

報告者:

<西日本>
日時:平成20年10月12日(日)~13日(月)
場所:中京ジムナスティッククラブ牧の里第2体育館
<東日本>
日時:平成20年10月18日(土)~19日(日)
場所:NTC体操場
<参加者>
①カテゴリーⅠ
 基礎能力を高める講習(ジュニア規定Bクラスレベル)
②カテゴリーⅡ
 自由演技となる基本技の講習(ジュニア規定Aクラスレベル)
③カテゴリーⅢ
 FIG採点規則に則った演技実施
※①、②の講習内容は男子ジュニアトレーニングマニュアルを中心に実施。③については、同マニュアル及び採点規則を用いての講習。
○カテゴリーⅠ『講師:日高』
■体幹の使い方及び力の出し方(基本的姿勢保持)
 所属選手がどこに、どのように力を入れて姿勢が出来ているかの確認をして頂いた。
 これは、指導者が意図していることが選手に明確に伝わっているかどうかの、確認でありより選手が指導者の指導を理解するうえでとても大切であると指導した。
■ゆか・跳馬
 ジャンプをするということ、器具(スプリング)を使いこなす為の身体コントロール法
■あん馬・つり輪・平行棒・鉄棒
 あん馬=セアーとサークルの姿勢
 つり輪=倒立練習法とスイング
 平行棒=スイング導入と補助法
 鉄棒=パイプ車輪での注意点
 全体的に基本姿勢の重要性、体幹及び基本姿勢の保持がいかに大切であるかを認識してもらうために、説明を多くし、それを所属選手で体感してもらい基本姿勢・力の伝達がうまく行っている選手、行っていない選手を確認することができたのではないかと思う。
 この講習会では、基本姿勢を保持する最低の筋力・柔軟性がなによりも不可欠であると伝え理解していただき講習を無事終えることができた。
 最後に、使用させていただいた体育館(中京ジムナスティククラブ第2体育館)は、とても整理・整頓・清掃が行き届いておりすばらしい環境で指導者講習会を行うことができた。また、この指導者講習会のため準備・協力して頂いた中京ジムナスティククラブと関係者すべてに心から感謝し報告とします。
                                   
○カテゴリーⅡⅢ『山﨑』
 今年で4年目となる東西ブロック指導者講習会だが今回は、西ブロックを愛知県中京ジムナスティックス、東ブロックを東京都のナショナルトレーニングセンターで行った。
 トレーニングマニュアルの伝達を目的に講習を進めているが、平成13年にマニュアルを作成した頃から技術も進歩し、様々な変更点が生まれてきているのでそれらを2日間の中で各所属の先生方にご理解いただきたいと講習を進めた。
【講習の内容】
■ゆか
 ビッグタンブリングやシリーズに発展するためのロンダート~バク転と転回。
■あん馬
 フロップ・コンバインの基礎となる転向技の仕組み。
■跳馬
 雄大な跳躍をするためのロイター板の踏み方と馬体への進入方法。
■平行棒
 ツイスト・ディアミドフの仕組みと、後方車輪と後方宙返りの練習方法。
■鉄棒
 基本の車輪と逆車輪の運動理論とホップターンなどバー上の技へ発展するための基礎運動。
 また各所属によって練習環境が異なっている中どのように時間を利用するのが好ましいのか、ジュニアに必要なトレーニングの中に単純に負荷をかけるだけでなく、いかに決められた時間の中で姿勢づくりや動きのプログラムを組み込んでいくのかを講習した。
 今回集まった指導者の方々に、テストパイロットの選手たちが行っている基本運動の能力の高さや正確性を感じ、基本運動の大切さを実感し、マニュアルの文章だけでは汲み取ることのできない部分を受講して頂いたと思う。
 すべての選手たちに可能性があり、多様な観点を持ってその可能性を広げてあげることが大切である。
【審判部】
 今回で3回目となるジュニア指導者講習会に審判部として初めて参加した。今回の参加目的は、審判員からの視点による技の評価、目指してほしい方向性などを伝えることであった。
 参加者は全国から集まり、小学生、中学生の約30人であった。
 講習会はカテゴリー別に、ベーシックトレーニングの仕方、基本技から発展技への段階的導入の方法などを中心にすすめられた。
 その中で、審判の視点からどのような技捌きが求められるのか、ジュニア期で身につけておいてもらいたい基本部分、安易に発展技に手を出すのではなく、美しい体操、基本技の構築の重要性、将来の演技を想定した、現時点で取り組むべき基本的な技術や基本姿勢について、また、演技以外にも挨拶時での立ち姿勢、30秒アップの仕方なども含め、講義した。
 参加している指導者からは、技の習得段階で審判員からの視点やジャッジの度合い、アドバイスをもらえることは大変有効であり、こういう機会が今までなかったので、今後もアドバイスを欲しいとの感想をいただいた。
 講師と審判員のふたつの観点から講習をできることは、参加者として現時点での取り組む課題、その先の目指すべき方向を確認できる指針となったのではないだろうか。
 初めての参加で、模索部分が多くあったが、様々な角度からのアドバイス、情報交換ができることは有意義なものと感じた。
 今後も継続していく場合、何を必要としているのか打ち合わせ段階から明確にし、すすめていければより内容の充実が図られると思う。
 まずは、参加第1回目ということで、何かしら1歩動きを出せたのは良かったのではないかと思う。