オーストラリアン・ユース・オリンピック報告

報告者:

2009オーストラリアン・ユース・オリンピック・フェスティバル報告
■派遣先 オーストラリア、シドニー
■派遣期間 2009年1月12~19日
<競技>
1月15日(木)13:30~女子団体競技
1月16日(金)19:00~女子個人総合
1月17日(土)18:00~種目別跳馬、平行棒
1月18日(日)13:00~種目別平均台、ゆか
■派遣者
<監督・コーチ等>
 菅原寛、ビクトル・ラズモフスキー、北村彩子
<選手>
 谷口佳乃、笹田夏実、野田咲くら、上田幸美
■参加国数、6カ国 (AUS,CHN,GBR,MAS,NZL,JPN)
■参加人員、28名
■事業の総評
<現地の状況>
 この大会は2年に一度行われるオーストラリアンユースオリンピックフェスティバル(各種競技があり体操もその中の一つの競技)でミニオリンピックのような大会である。
 すべての選手、役員の宿泊は、大学の寮となっていてあまり快適とはいえない状況であった。トイレ、シャワーは別室で共同である。食事はビレッジ内の食堂でバイキング形式。練習、試合で宿舎にいないときにはランチボックスが用意されていた。昼食、夕食はほとんどこれで食事面では不便を感じた。
 移動はすべてバス輸送。器具はアクロマット。ポディウムは組んでいない。気候は夏でさほど暑くもなく快適であった。
<練習状況>
 13日朝到着し、女子は夕方から3時間の練習が組まれていた。試合までの日数が短いので、あらかじめ選手には初日といえども器具慣れだけでなく、ある程度の通しの練習もする事を伝えてあった。前日機内での睡眠、時差2時間という条件の中で選手は積極的に練習し、全員が通しを入れた練習をした。到着初日の練習としてはよいスタートが切れた。
 心配していたゆかフロアの弾みの調整もさほど違和感なく練習ができた。
 14日は午前中に練習が組まれており、試合前日なのでオーダーを組んで試技形式で練習を行った。多少の失敗は出たもののよい練習ができた。午後は全体の開会式の為、バスで会場へ移動した。待ち時間が長く選手には負担がかかった。
 15日から試合が始まったが、試合前のウォーミングアップ、各種目のローテー練習もきちんと組まれており時間どおりに進み不便は感じなかった。
<試合の状況>
(1)団体総合
 日本、中国、イギリス、マレーシア、ニュージーランド、地元オーストラリアがA、B2チームの7チームが参加した。日本は段違い平行棒からのスタート。日本はイギリスと同じ組で回り、1班ワンローテーの試合であった。
 団体戦の試合内容は全体的に非常に良い出来であったといえる。平均台の終末技で上田が後ろに転がってしまうミスが一つだけで、あとは大きなミスもなく団体戦としてはほぼ完璧だったといえる。
 中国は段違い平行棒、平均台がやはりAスコアも高く質の高い演技であった。しかし段違い平行棒でミスが出たことと、跳馬であまり点数が伸びなかった。結果的には約2点差で中国が優勝、日本は2位だった。
(2)個人総合
 28名の選手全員が参加し、前日の団体の個人得点で班分けされた。1班に笹田、谷口2班に野田、上田が同じ班で試合が行われた。団体戦が終わりほっとして、疲れが出たのか各選手にミスが出た。笹田が平均台の上がり技のロンダード1回ひねりあがりを成功させたものの、そのあとの抱え込み前宙で落下。谷口も平均台の上がり技で落下、野田は平行棒のイエーガーで落下、上田は平均台で上がり、伸身前宙で落下してしまう。
 結果的には中国選手が優勝、2位笹田、3位谷口であった。体力的な問題はなかったと思うが最後まで集中力を途切れさせない練習が今後の課題となるであろう。     
(3)種目別(各国2名まで)
●跳馬:笹田、谷口が出場。笹田はユールチェンコ2回ひねりで失敗し、谷口は1回ひねりでまとめ3位に入賞した。
 *跳馬はジュニアルールということで1跳躍のみ。
●段違い平行棒:笹田、谷口が出場。笹田が中国選手を抑えて優勝する。
●平均台:笹田、谷口が出場。谷口は後転とびからのスワンで落下し5位。笹田は少しぐらつき4位となる。やはり中国選手の平均台は素晴らしいものがあった。
●ゆか:笹田、野田が出場。笹田5位、野田8位。
<反省と今後の課題>
 中学生である選手たちは練習、試合に積極的に取り組み全体によくやっていた。
 段違い平行棒でプロテクターの選手が2名、素手の選手が2名いたが、前日の練習で試合を想定して時間を計ったので問題はなかった。しかし個人総合の試合では、イギリス、オーストラリア選手はすべてプロテ使用なので、プロテと素手の選手を分けて練習するように要望があった。素手でもバーの調整を早くできるようにしておく必要がある。特に日本の選手は時間がかかりすぎる傾向がある。
 今後も機会があれば若い選手をどんどん海外試合に出し、経験を積ませることが必要であると思う。