W杯モントリオール大会現地レポート(決勝)

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 決勝へは、ゆかに山室選手、あん馬に馬場選手、つり輪に小林・山室選手、跳馬に山室選手、平行棒に小林・星選手、鉄棒に馬場・星選手が、出場致しました。
 ホテルから会場へのバスの出発が遅れたり、ウォーミングアップでスロベニアのペガン選手が腰を痛め欠場する等、多少のアクシデントはありましたが、無事決勝競技が終了致しました。以下に決勝の様子を報告致します。
<決勝>
ゆか(山室)
 最初のシリーズの後方宙返り1/2ひねり~前方宙返り2回ひねり~前方宙返り1回ひねりを決め、続く後ろとびひねり前方屈身2回宙返りも着地までピタリと決めた。その後のタンブリングも軽快に次々と決めていった。しかし、最終技の後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りで尻もちをつく大過失を出してしまった。Dスコアで6.5と最も高い演技内容であっただけに残念な結果となった。オープニングセレモニーで長い時間待たされた後の1番手という不利な演技順であったことと、タイムオーバーを気にして最終タンブリングの前に余裕がなかったことが失敗の原因ではないかと感じた。
D得点6.5 E得点7.975 決定点14.475 5位
あん馬(馬場)
 入りの逆交差1/4ひねり一把手上倒立経過振りおろして開脚支持で倒立に上げる際、足が多少戻り難度がAに格下げとなった。その後、立て直そうとしたがウゴニアンの途中で落下し8位に終わった。
D得点5.1 E得点7.350 決定点12.450 8位
つり輪(小林)
 予選同様、順調に力技を決めていき前日失敗を出した十字倒立も多少倒立から外れたものの大きな過失とはならず、前日の反省を活かす事ができた。更に、終末技を予選の後方伸身2回宙返りからかかえ込みルドルフと2ランク難度を上げ着地も上手くまとめ銅メダルを獲得した。
D得点6.7 E得点8.425 決定点15.125 銅メダル
つり輪(山室)
 前半の力技は非常によく決めていた。しかし、ジョナサンで回転しきれず停滞してしまい演技が途切れてしまった。その後何とか続けたが、ほん転倒立で前に倒れてしまい2ヶ所で大過失を出してしまった。今後の予選会を考え新しく演技構成に加えたジョナサンでの失敗だったが、これからの大会に活かしてほしい。
D得点6.1 E得点6.475 決定点12.575 8位
跳馬(山室)
 1本目ドリッグスの着地を予選同様、見事に決めた。2本目は予選から技を上げ前転とび前方伸身宙2回ひねりを行った。着地でラインオーバーとなったが、勝利への執念が感じられる跳躍で見事に銀メダルを獲得した。
1本目D得点6.6 E得点9.400
2本目D得点6.6 E得点9.100 ライン-0.3 決定点15.850 銀メダル
平行棒(小林)
 予選でのモリスエを屈身モリスエに変更しDスコアを上げて決勝に臨んだ。全体的に技の決めが甘くなり、Eスコアを伸ばすことが出来ず、惜しくも2位に終わった。
D得点6.5 E得点8.700 決定点15.200 銀メダル
平行棒(星)
 入り技でバーに足をぶつけ躓いたが、その後は落ち着いて素晴らしい演技内容であった。しかし、入りのバータッチでEスコアを伸ばせず3位に止まった。予選において1位通過しているだけに悔やまれる過失であった。
D得点6.3 E得点8.800 決定点15.100 銅メダル
鉄棒(馬場)
 アドラーひねりからコールマンの連続で場内を沸かせたが、後半の伸身マルケロフで腰が曲がり難度をDからBに下げてしまった。放れ技の難度が下がったことにより、Dスコアが当初の予定より0.4下がり、上位に食い込むことが出来なかった。
D得点6.3 E得点8.250 決定点14.550 5位
鉄棒(星)
 アドラーひねり・シートリバルコ・コールマンと、ひねり技、手放し技ともに完ぺきにこなしていく。リズムも良く終末技をD難度にまとめ素晴らしい実施であった。しかし、金メダルに一歩届かず。種目別において勝利するためには、Dスコアの向上は勿論であるが終末技で1ランク上の技、そして着地への執念が不足していた。
D得点6.3 E得点9.100 決定点15.400 銀メダル
 決勝では各選手が、2009年度版採点規則に対応した新しい演技構成で果敢に挑み、練習の成果を確認することが出来ました。シーズン初めということもあり、まだまだ演技全体に余裕が無く、優勝こそ逃しましたが、実りのある大会となりました。