W杯コトブス大会現地レポート(決勝後半)

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 後半種目の決勝競技は、3月22日(日)に行われた。日本からは平行棒に田中選手、鉄棒に水鳥選手、田中選手が出場した。後半種目の決勝競技の状況は以下の通り。 
<跳馬>
Wammes JEFFREY(NED):優勝 16.100
シューヘルト 15.975 D=6.6 E=9.375
○全体的な出来は良かったが、着地で横に1歩動きラインオーバー。
前転とび前方伸身宙返り2回ひねり 16.225 D=6.6 E=9.625
○跳躍に高さがあり、演技全体をまとめ着地も決まった。
<平行棒>
田中和仁選手:3位 15.275 D=6.0 E=9.275
 前振り上がり開脚抜き倒立~棒下宙返りひねり~棒下宙返り~屈身ベーレ、かかえ込みモリスエ、前振りひねり倒立、前振り1/4ひねり単棒横向き倒立~横向き上がり閉脚倒立、後方屈身2回宙返り下り
○棒下ひねりとツイストでやや倒立から外れたが、全体的に安定した実施と正確な実施で高いEスコア。着地も決まった。
Petkovsek MITJA (SLO):優勝 15.775 D=6.7 E=9.575
 前振り上がり開脚抜き倒立、棒下宙返り、棒下宙返りひねり、Dツイスト、横上がり閉脚、ヒーリー、前方5/4宙返り開脚抜き支持、支持前振り開脚抜き倒立、チッペルト、後方屈身2回宙返り下り
○ほぼ完璧な演技で全体をまとめ着地1歩動く。
<鉄棒>
水鳥寿思選手:6位 14.375 D=6.7 E=7.675
 アドラー1回ひねり~ヤマワキ、ピネダ、コールマン、コバチ、リバルコ片逆手、エンドー1回ひねり片逆手、ツォリミン(落下)、後方とび車輪1回ひねり、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り
○新しい構成に挑み順調に演技を進めていたが、ツォリミンですべり落下するアクシデント。
田中和仁選手:7位 13.55 D=6.1 E=7.450
 コールマン(落下)、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、エンドー、アドラーひねり、シュタルダー逆ひねり大逆手、エンドー1回ひねり大逆手、前方車輪1回ひねり大逆手、アドラー倒立、大逆手車輪、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り
○コールマンで懸垂直後に落下した。その後の演技はいつも通りの実施、着地で大きく1歩動いた。
Cucherat YANN(FRA):優勝 15.775 D=6.8 E=8.975
 コールマン、シュタルダーとび11/2ひねり大逆手、アドラーひねり、コバチ~リバルコ、アドラー1回ひねり片逆手、エンドー1回ひねり片逆手、前方車輪1回ひねり大逆手、アドラー倒立、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り
○ひねり技での握りが早く、内容をまとめた。
<選手のコメント>
水鳥寿思選手
 決勝の鉄棒で、新たに取り組んだピネダには成功したが、結果として成績が残せなかったのが悔しい。今回の競技会での内容を教訓として、今後の競技会につなげていきたい。
田中和仁選手
 平行棒で結果が残せた事は良かったが、鉄棒では新たな技(コールマン)に挑戦し失敗をしてしまった。この失敗は次へつながる課題になったと思う。この経験を生かして新たなシーズンを迎えたい。
西村 隼選手
 初めての海外競技会となり、国内の競技会とは異なる緊張感を感じた。結果的にはゆか4位、あん馬5位でメダルに届かなかったのが悔しい。しかし、普段とはまったく違う環境の中で、2種目での決勝進出が出来た事は自信になった。今回の経験をこれからの国内競技会につなげていきたい。
内村航平選手
 今回はルールが変わり初めての試合となった。他国の選手達の演技構成(Dスコア)を見てもあまり変化が見られなかったように感じる。しかし、上位の選手達は実施を意識した演技をしていたという印象がある。ルールが変わっても演技実施の評価は変わらないと思う。これからも、これまで通り日本の美しい体操を意識していきたい。ゆかで優勝できたが、自分で納得の出来る演技内容ではなかった。帰国後、納得出来る演技が出来るように練習を積み4月の全日本に備えたい。