2009豊田国際女子2日目レポート

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女子平均台
 二人目の演技者であった新竹優子選手が唯一の14点台を出して優勝。「羊跳びのところで難度を取ってもらえなかった」と自身が述べているように、完璧な演技とはいかなかったが、「ロンダード~後方伸身開脚宙返り上がり」や「前方開脚伸身宙返り~後転とび~後方伸身開脚宙返り」といったアクロバット系は決めた。若干のふらつきは見せたものの、全体的に安定感のある演技だった。
 世界選手権優勝者の中国のDENG選手は、「後転とび~両足着台の後転とび~後方伸身宙返り」で雄大な捌きを見せて場内を沸かせ、その後も高難度技を成功させる演技だったが、終末技がA難度の後方伸身宙返り下りとなり2位に留まった。
 続く3位には鶴見虹子選手とロシアのKURBATOVA選手が同点で並んだ。鶴見選手はオノディで落下し、その後の浮き足を水平に上げたターンでバランスを崩すなど不本意な演技であったが、終末技の後方伸身宙返り2回半ひねりの着地をピタリと止めてメダルを死守した。
 KURBATOVA選手は後転とび1回ひねり(コチェトコワ)や交差ジャンプ~コルブト1回ひねりといった今大会では他に見られなかった技を実施。着地などやや不安定箇所を見せてEスコアを伸ばせずに3位に留まった。
 また、体操では珍しいインドネシアから出場したNURBAETI選手は、イリュージョンターンや浮き足を頭上で保持したターンを見せるなど、独特の演技を見せたが終末技の着地で足を負傷した。しかしながら、今大会の国際色の豊かさに花を添えていた選手であり、場内から温かい拍手によりその健闘が称えられた。
女子ゆか
 1本目の後方伸身宙返り2回半ひねり~前方伸身宙返りの着地で安定した着地を見せ、その後は2回ターンや交差からの輪とびといった体操系でも非常に丁寧な捌きで観衆を魅了した大島杏子選手が優勝した。Eスコアは他を寄せ付けない高得点を獲得。難度、実施だけでなく、演技で表現される芸術性も高く評価される演技だった。
 2位には1本目のかかえ込み月面宙返りの着地を見事に決め、2本目の「後方伸身宙返り2回半ひねり~前方伸身宙返り1回ひねり」を決めた鶴見虹子選手が入り、日本選手のワンツーフィニッシュとなった。
 アメリカのHUNTER選手は、脚力の強さを見せ、1本目に後方伸身2回宙返り、2本目に後ろとびひねり前方屈身2回宙返り、そして、終末技に後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りを決めた。それぞれが今大会では異次元の高さと感じるほど雄大な実施であったが、Eスコアを思うように伸ばせず、僅差で3位に留まった。
 この結果、女子種目は跳馬以外の3種目を日本が制した。北京五輪団体5位の勢いを維持し、世界選手権メダリストの鶴見選手以外に、新竹、大島の二選手も見事に金メダルを獲得。日本女子の勢いをそのまま反映した結果となった。各自が課題と掲げるDスコア向上がこのオフで達成できれば、来年のロッテルダム世界選手権でも更なる活躍が期待できる。