女子体操競技22カ月合宿レポート

報告者:

 2月5日、ロンドンオリンピック強化委員会女子体操競技本部が立ち上げた22カ月合宿の模様がメディア公開された。初めての試みとして当然、いろいろな問題も発生しているようだが、コーチ、選手の情熱ある取り組みが着実に進歩へつながっているように見える。今後の選手の成長を期待したい。
■塚原千恵子本部長インタビュー
 北京オリンピックで団体5位、ロンドン世界選手権で複数メダル獲得と、結果が目立っていますが、世界を見たときに、とても今までの取り組みではその競技力を維持できるとは思えないと感じ、多くの方々のご理解ご協力により新しい強化への取り組みが実現しました。もちろん様々な問題にも直面するが、一つ一つ解決しており、とにかく周囲のサポートに感謝したいと思います。
 コレオグラフに代表される芸術性の向上、栄養面での強化、厳しい練習に対するコンディショニングサポートの点でまだ始まったばかりですが合宿の成果を感じます。
 アリーナ・コジチコーチ(2004年ヨーロッパチャンピオン)のコレオグラフの指導については、特に平均台とゆかの基礎トレーニングに素晴らしいものがあり、選手によって飛躍的な向上を見せています。
 栄養面ではNTCの協力により、成果を上げつつあります。練習、栄養、休養はどれも大切な要素。とにかく栄養面でのサポートにより、厳しい練習にも耐えていけるような体力がついてきたように感じます。昨日は、鶴見選手と鈴木選手の3食の内容分析を行い、脂肪が多く、鉄分とカルシウム摂取不足を指摘されました。今日、食事については両選手に指導したので、それが今後の体力向上につながれば申し分ありません。
■大島選手インタビュー
 最初の1週間はみんな口数も少なく、少し重たい雰囲気がありましたが、今では選手同士打ち解けて笑顔も多くなりました。この合宿での最年長ですが、練習への取り組む姿勢などで若い選手の見本になれればいいと思ってがんばっています。ジュニアの選手は元気いいなあと感じますが、自分自身、この合宿を通じて身体の「締まり」がよくなり、世界に通用する選手も見えてきたように思います。また、自立できていなかった自分に気付いたことや栄養の知識が増えたことは大きな収穫だと思います。ゆかは雰囲気の違う曲を使って、これまでの曲とあわせて2曲準備してみたいと思っています。
■鶴見虹子選手インタビュー
 充実感のある合宿になっています。食生活が改善されて、ここのところ体力がつき、練習もとてもやりやすくなってきています。体育館内の室温や部屋の室温が自宅よりもいい環境なのも成果の上がっている
理由の一つです。コジチコーチとはロシア語と若干の日本語で会話しています。ただ、動きについては万国共通なので十分理解できます。
会見を受ける大島選手
この日は男子ジュニア強化合宿も始まる