全日本ジュニア体操競技選手権1部レポート

報告者:

 8月12日から17日までの6日間にわたり、全日本ジュニア体操競技選手権大会が横浜文化体育館にて開催された。そのうち、15日から始まった1部競技は、オリンピックや世界選手権に使われている一般のルールを適用し、全日本選手権出場の予選を兼ねている。
 男子優勝を果たした野々村笙吾(市立船橋高校2年生)は、国際大会デビュー戦となる2010年3月に幕張メッセで開催されたアジアジュニア選手権で個人総合優勝した新星。その後、高校選抜(3月30日)個人総合4位、ユース五輪1次予選(5月9日)個人総合4位、ユース五輪代表決定(6月12日)個人総合2位、インターハイ(8月4日)個人総合6位とタイトルをとれずにいたが、一般ルールで88.850をマークし、世界チャンピオンの内村らと同じ土俵で戦える実力をつけ、今後楽しみな存在となった。
■野々村笙吾(ののむらしょうご)プロフィール
1993年8月16日生まれ
(平成21年度男子体操競技ジュニア強化指定選手) 
<競技成績>
・国際大会
10アジアジュニア団体1位・個人1位・ゆか2位・平行棒3位・鉄棒4位
・国内大会
10インターハイ6位/10ユース五輪代表決定2位/10ユース五輪1次予選4位/10高校選抜4位/09全日本ジュニア16位/09インターハイ9位/08全国中学3位/08全日本ジュニア2部6位/07全国中学8位/07全日本ジュニアAクラス7位/06全日本ジュニアAクラス19位/05全日本ジュニアBクラス3位
 女子は、世界選手権代表の鶴見虹子(朝日生命体操クラブ)がゆか(後方宙2回半ひねりからの前宙で尻もち)と跳馬(2本目に挑戦したユルチェンコとび2回ひねりで両手を前につく)で大きなミスを出したが、段違い平行棒と平均台で他を圧倒して4度目の個人優勝を果たした。
■鶴見虹子プロフィール
 また今回は、同点で古西里咲(大泉スワロー体育クラブ)が初優勝。ユース五輪に出場している笹田夏実と同クラブで、ロシア人のラズモフスキーコーチの指導により力をつけている注目株。今年3月の幕張メッセでのアジアジュニア選手権では団体優勝に貢献し、種目別ゆかでも優勝。5月に開催された全日本選手権には直前の手首の負傷により欠場したが、順調に回復し、沖縄インターハイ個人総合7位という成績を経て今回の優勝へと結びつけた。これまで跳馬における伸身ツカハラとび2回ひねりの高難度技で高得点を得ているが、スラっとした容姿を生かした他種目の演技の成長が期待される。
■古西里咲(こにしりさ)プロフィール
1995年1月30日生まれ
(平成21年度女子体操競技ジュニア強化指定選手) 
<競技成績>
・国際大会
10イタリア国際ジュニア団体3位・個人11位/10アジアジュニア団体1位・ゆか1位/09香港国際・跳馬2位・ゆか1位
・国内大会
09全日本種目別跳馬2位/09全日本ジュニア10位/09全国中学3位/09NHK杯17位/09全日本個人21位/08全国中学14位/08全日本ジュニア23位/07全国中学23位/07全日本ジュニアAクラス6位/06全日本ジュニアBクラス7位