ロッテルダム世界選手権・男子ポディウム練習1日目レポート&フォト

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 ポディウム練習3日目。いよいよ男子の登場。会場の内装も一気に進み、また、今日も一般客が少し入り、場内のオーロラビジョンなども得点掲示テストが開始され、本番の雰囲気になってきた。
 第2班あん馬からのスタートであった日本。通しではトップバッターの植松選手が好調な演技を見せたが、内村選手をはじめ後続の選手に落下がみられた。
 つり輪では、内村選手はこの種目が一番痛みが出るとのことで、結果的に「やりたくても力が抜けてしまう痛み」とのことで、演技を続けることを回避。しかし、山室、小林の二選手はこの種目における日本のポイントゲッターとなる動きを見せていた。
 跳馬では山室選手がロペスを非常にきれいにまとめて、好感触をつかんでいる様子。また、内村選手はシューフェルトの着地を止め、ようやくその存在感をアピールした。
 平行棒では前回大会銅メダリストの田中選手を始め、しっかりとした練習となった。内村選手はこの種目も簡単な調整にとどめた。
 
 鉄棒では世界トップレベルの演技を次々と見せた。内村選手も「後半になって体が温まり、肩の痛みも半減した」というように、着地まで止める通しの演技を見せた。これには場内も大いに盛り上がった。内村選手はその後に伸身コールマンも見せて、鉄棒に関しては不安を感じさせなかった。植松選手はアドラーからのコバチで苦しんでいた様子であったが、最後にはしっかりとまとめた。
 最後のゆかでは宙返り連続の部分を入念に確認。最後の最後まで各自の中で納得のいくまで練習を消化した。
 内村選手は練習後「アップ会場に比べて本会場は寒く、それで肩の痛みが思ったより出てしまった」とコメント。実際に会場にいると、時折外気が流れてきて、演技待ちの選手には本番に向けて寒さ対策も必要のようだ。いずれにしても、日本に対する優勝候補としての注目度の大きさを感じるポディウム練習であった。
 その他の国では、韓国、フランス、アメリカといった国が日本を追うと思われるが、韓国、アメリカがジャパンカップ以上の状態を印象づけた。韓国に関しては平行棒のユー・ウォンチュル選手はもちろん、実力がありながら予選で落下することが多かった鉄棒のキム・ジフン、アジアジュニアでも優勝した跳馬のヤン・ハクソン選手といったところが種目別で活躍することが予想される。アメリカはジャパンカップでその実力を見せていたが、今日の演技を見る限りは調子は決して悪くないといえる。特に鉄棒、ゆかと得意にしている選手が多く、メダル争いに絡んで来ると思われた。
 男子にはスペシャリストが多いのだが、その中でも注目は地元オランダのゾンダーランド選手。得意の鉄棒、そして平行棒では観客をうならせる演技を見せた。特に鉄棒のコバチ~コールマンは落下する不安をみせない自信のある実施で、アップでも最初からいきなり見せていた。
 そのオランダで残念なニュースとなったのが、つり輪のスペシャリストで優勝候補の筆頭だったユリ・ファンゲルダー選手。昨年コカインの使用で一年間の競技禁止となっていたが、大会直前に再度の利用が発覚。チームから離れることになり今大会は不参加となった。こちらのプレスルームでもいきなりオランダ国内向けの記者会見が行われ(本人不在)、ニュースでも取り上げられるなど大きな話題となっている。その分、ゾンダーランド選手の他にゆか、跳馬が得意なワムス選手に期待がかかる状態となった。