ロッテルダム世界選手権現地レポート(男子予選3班)

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 現地10月18日男子予選3班。注目は跳馬スタートのイギリス。
■イギリス
<跳馬>
THOMAS(09ロンドン世界選手権個人6位)アカピアンの着地をまとめる。
HUNTER、ユルチェンコ2回ひねり着地を決める。
PURVIS、シューフェルトわずかにとぶ。
PANTELEYMONOV、ローチェ前にとぶ、2本目ドリッグス着地とぶ、ライン減点あり。
SEAGER、ドリッグス大きく前にとぶ、2本目ローチェ前にとぶ。
 スタート種目をミスなくクリア。
<平行棒>
SMITH、棒下、ツイストなどで乱れるところもあったが着地を止める。
THOMAS、ヒーリー、後方屈身2回宙、着地動く。
HUNTER、逆上がり、開脚前宙、ヒーリー、ディアミドフ、後方屈身2回宙の着地1歩。
PANTELEYMONOV、逆上がり、開脚前宙支持、ヒーリー、棒上、ほん転倒立、後方屈身2回宙の着地で数歩動く。
PURVIS、逆上がり、車輪ディアミドフ、開脚前宙、ヒーリー、ディアミドフ、ツイスト、後方屈身2回宙着地決める。
 とにかく大技を入れず、C難度技も丁寧に減点の内容にさばくイギリスの方向性。演技の習熟度が表現できて好印象。
<鉄棒>
SEAGER、アドラーひねり、伸身トカチェフ、トカチェフ、アドラー1回ひねり、伸身月面着地1歩。
THOMAS、ヤマワキ、伸身トカチェフ、トカチェフ、トカチェフひねり(雄大な手放し技)、アドラーひねり、伸身月面着地を決める。
PURVIS、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、シュタルダー1回ひねり、リバルコ、伸身月面。細かなミスあるもまとめる。
HUNTER、ヤマワキ、エンドー1回ひねり大逆手、アドラーひねり、伸身新月面着地1歩。
PANTELEYMONOV、ヤマワキ、エンドー、リバルコ片大逆手、伸身新月面着地1歩。
 平行棒同様、大技はないが堅実な演技で全員ほぼ着地をまとめる。
<ゆか>
PANTELEYMONOV、後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙~伸身前宙(素晴らしい)、後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙ひねり、後方宙2回ひねり~前宙伏せ、最後後方宙2回半ひねり着地動く。
SEAGER、後ろとびひねり前方屈身2回宙、前宙2回ひねり~伸身前宙、後方宙2回半ひねり~前宙ひねり、月面着地動く。
THOMAS、前宙2回ひねり~前宙ひねり、後ろとびひねり前方屈身2回宙、後方宙2回半ひねり~前宙1回ひねり(大きく横に1歩)、後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙1歩動く。
HUNTER、後方宙3回ひねり、伸身トーマス転、後方宙2回半ひねり~前宙ひねり、テンポ~トーマス転、前宙2回ひねり可~前宙1回ひねり、前宙2回半ひねり(右大きく1歩動きライン減点)
PURVIS、後ろとびひねり前方屈身2回宙~鹿とび、後方宙1回半ひねり~前宙2回ひねり、後方宙2回半ひねり~前宙1回ひねり、テンポ~トーマス転、伸身トーマス転、後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙着地止める。
 方向性が明確で丁寧。大過失なし。
 
<あん馬>
THOMAS、転向技、移動技など大きな身体で余裕のさばき。
PURVIS、フロップ、コンバイン、ウゴニアン、マジャール、シバド、転向倒立移動下り、スピードにのった演技。
HUNTER、フロップ、コンバイン、ウゴニアンで足割れ、マジャール、シバド、転向倒立移動下り止まりそうになるが持ちこたえる。
SMITH、逆交差倒立、交差倒立、Eフロップ、Eコンバイン(足割れ)、シュピンデル(足割れ)、ウゴニアン(足割れ)、下向き1080度転向、マジャール移動、シバド移動、転向倒立3部分移動1回ひねり下り
PANTELEYMONOV、マジャール、シバド、ウゴニアン、セアひねり移動、転向倒立移動1回ひねり下り(ポメル旋回一切行わず)。
 バランスを崩す面も見られたが大過失なし。
<つり輪>
HUNTER、ヤマワキ連続、月面ひねり着地まとめる。
PURVIS、け上がり十字、ピネダ十字、ヤマワキ連続少しゆがむ、新月面着地1歩。
THOMAS、アザリアン十字、振動から十字倒立、ヤマワキ連続、振動倒立それぞれ決める、伸身月面わずかに弾む。
PANTELEYMONOV、け上がり中水平、ナカヤマ十字(深い握りなしのさばき)、アザリアン十字、ヤマワキ連続、伸身月面着地を止める。
SEAGER、振り上がり中水平静止短い、アザリアン十字、け上がり中水平、十字、ヤマワキ連続~振り上がり倒立肘ゆるみ、新月面着地まとめる。
 ひとつひとつ丁寧な演技。
Eスコアのチーム得点ではイギリスがトップではないか。ロンドンオリンピックに向けて素晴らしいチームへと成長している。チームにエレガンス賞を贈るとすれば、イギリスをその候補に挙げたい。
■その他注目演技
KOSMIDIS(GRE・08W杯決勝ゆか4位)ゆか:前方宙返り2回ひねり~前方宙返り1回半ひねり、後方かかえ込み2回宙返り1回ひねり
MARAS(GRE・02デブレチェン世界選手権鉄棒1位)ペガンで落下。その後やり直し、演技を完結。失敗が惜しまれる。なお、同国のTSOLAKIDISは練習で負傷し、ギリシャチームにとって厳しい状況。
GAFUIK(CAN・08北京オリンピック個人17位)ゆか、後ろとびひねり前方屈身2回宙ライン減点、前宙2回ひねり~前宙1回ひねり、前宙2回半ひねり、トーマス転、後方宙1回半ひねり~前宙1回ひねり、後方宙2回半ひねり着地動く。跳馬シューフェルトの着地をまとめる。
団体暫定順位、1位日本、2位イギリス、3位韓国、4位フランス、5位ルーマニア、6位スペイン、7位カナダ、8位コロンビア、9位ギリシャ、10位ニュージーランド、11位エジプト、12位フィンランド、13位デンマーク