2011ボローニンカップ報告

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■期間:平成23年12月13~19日(競技12月16~17日)
16日 団体決勝(各国2名エントリーし、その合計)・個人総合決勝及び種目別予選
17日 種目別決勝
■場所:ロシア・モスクワ(ディナモ・モスクワ体操クラブ)
■監督:水口晴雄(ジュニア強化部員・鶴見ジュニア体操クラブ)
■コーチ:三宅裕二(ジュニア強化部員・おかやまジュニア体操クラブ)、小倉雅昭(ジュニア強化部員・四天王寺スポーツクラブ)、梅本英貴(ジュニア強化部員・清風高校)、石田隆二(太成高校)
西岡康正(関西高校)、齋藤雅史(鯖江体操スクール)
■選手:市瀬達貴(清風高校)、長谷川智将(関西高校)、佐藤匠(太成高校)、千葉健太(四天王寺スポーツクラブ)、白井健三(鶴見ジュニア体操クラブ)、岩佐亮(鯖江体操スクール)、堀内柊澄(おかやまジュニア体操クラブ)、湯浅賢哉(鶴見ジュニア体操クラブ)
■競技会場:ディナモ・モスクワ体操クラブ
■参加国数:21カ国
■参加人数:男子シニア52名ジュニア39名/女子シニア31名ジュニア38名
■大会概要
 今年は例年以上に大規模な大会となり、男子、女子とも世界選手権大会の出場者も多数参加しており、非常にレベルが高い大会となった。女子においては、2010年世界選手権個人総合チャンピオンのムスタフィナ選手が復帰、2011年世界選手権個人総合2位のコモワ選手が出場した。
 日本選手は、ドイツのインターナショナル・ジュニア・チーム・カップに出場予定であった4選手も出場したため、ジュニアの部に6名(佐藤、千葉、白井、岩佐、堀内、湯浅)、シニアの部には例年どおり2名(市瀬、長谷川)が出場した。
■大会レポート
16日(金)団体・個人総合決勝、種目別予選
①ジュニア 競技9:00-11:30
【第1ローテーション】平行棒
(千葉)ホンマ、棒下宙返り倒立、後方車輪倒立、ティッペルト、モイ、前振りひねり倒立、ディアミドフ、後方屈身2回宙返り下り。若干倒立で手をずらしたり、腕をまげる動作が見られたが、無難なスタートとなった。[D:5.3得点13.80]
(白井)棒下振り出し腕支持、後ろ振り上がり倒立、後方車輪倒立、モイ、ティッペルト、ディアミドフ、前振りひねり倒立、後方屈身2回宙返り下り。大過失はなかったが、倒立姿勢が不安定で高得点を得られなかった。[D:4.8得点13.20]
(佐藤)前振り上がり開脚抜き倒立、棒下宙返り倒立、後方車輪倒立、ティッペルト、前振りひねり倒立、ディアミドフ、ピータース、後方屈身2回宙返り下り。終末技に行く前に倒立でかつぐ動作が見られたが、他は非常に良い出来であった。[D:5.2得点13.90]
(岩佐)前振り上がり開脚抜き倒立、棒下宙返り倒立、後方車輪倒立、モイ、ティッペルト、前振りひねり倒立、後ろ振り上がり開脚入れ伸腕支持、後方屈身2回宙返り下り。倒立姿勢が不安定な演技であったが、大過失なく乗り切った。[D:5.0得点13.40]
(堀内)棒下宙返り倒立、後方車輪倒立、モイ、ティッペルト、ヒーリー支持、ディアミドフ、前振り上がり、後方屈身2回宙返り下り。終末技で尻もちを付いてしまう大過失をしてしまったが、その他はまずまず良い演技であった。[D:5.1得点12.60]
(湯浅)棒下振り出し腕支持、後ろ振り上がり倒立、棒下宙返り倒立(持ち損ねて認定されず)、
後方車輪倒立、モイ、ティッペルト、ディアミドフ、前振りひねり倒立、後方かかえ込み2回宙返り下り。棒下宙返り以外は良い実施であった。[D:4.7得点13.40]
【第2ローテーション】鉄棒
(白井)トカチェフ、シュタルダー、アドラー、大逆手車輪、前方車輪1回ひねり片大逆手、エンドー、エンドーひねり倒立、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。アドラーが前にはずれたが、着地も決め、良い実施であった。[D:4.4得点13.20]
(佐藤)アドラー1回ひねり片逆手倒立~ヤマワキ、エンドー、アドラー倒立、アドラーひねり倒立、シュタルダー、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。着地で小さく1歩動いたが、非常に良い演技であった。[D:5.2得点14.30]
(岩佐)伸身トカチェフ(落下)、トカチェフ、シュタルダー、後方車輪ひねり片大逆手(片手が離れて停止)、エンドー、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。失敗が多い演技となってしまった。[D:3.6得点10.60]
(堀内)エンドーひねり倒立、トカチェフ、シュタルダー、シュタルダーひねり片大逆手、エンドー、アドラー、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。何カ所か腕や膝がまがる実施であったが、大過失なく演技出来た。[D:4.4得点12.75]
(湯浅)トカチェフ、シュタルダー、シュタルダーひねり片大逆手、アドラー倒立、エンドー、エンドーひねり倒立、後方とび車輪、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。トカチェフで落下。着地1歩。それ以外は良い出来であった。[D:3.9得点11.90]
(千葉)ギンガー、エンドー、シュタルダー、シュタルダーひねり大逆手、アドラー倒立、大逆手車輪、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。着地で大きく1歩前に跳んだが、それ以外は非常に良い演技であった。[D:4.6得点13.65]
【第3ローテーション】ゆか
(佐藤)前方宙返り2回ひねり~前方宙返りひねり、後方宙返り5/2ひねり~前方かかえ込み宙返り、十字倒立、前方宙返り1回ひねり、後ろとびひねり前方かかえ込み宙返り、後方宙返り2回ひねり。何カ所か着地で跳ねたが、まずまずの出来であった。[D:4.9得点14.05]
(岩佐)後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返り、後方宙返り5/2ひねり~前方宙返りひねり、後方宙返り2回ひねり、後方宙返り3/2ひねり~前方宙返り1回ひねり、十字倒立、後方宙返り3回ひねり。宙返りも高く実施も良い演技であった。[D:5.2得点14.40]
(堀内)後方宙返り5/2ひねり~前方宙返りひねり、後方宙返り3/2ひねり、前方伸身宙返り、側方宙返り1回ひねり、伸腕屈身開脚力倒立、前方宙返り2回ひねり、後方宙返り2回ひねり。着地減点を最小限に抑え良い出来であった。[D:4.9得点13.95]
(湯浅)後方かかえ込み2回宙返り、後方宙返り3/2ひねり~前方宙返り1/2ひねり(前方宙返り1回ひねりにいけず)、前方宙返り3/2ひねり、側方宙返り1回ひねり、十字倒立、脚上挙支持(マンナ静止できず)、後方宙返り2回ひねり。着地の乱れもありあまり良い出来ではなかった。[D:4.7得点13.40]
(千葉)後方宙返り5/2ひねり~前方宙返りひねり、前方宙返り2回ひねり~前方伸身宙返り、側方伸身宙返り、後方宙返り2回ひねり、伸腕屈身開脚力倒立、後方宙返り3回ひねり。着地を全部止め、パーフェクトな演技であった。[D:5.0得点14.50]
(白井)後方宙返り4回ひねり、後方宙返り3/2ひねり~前方宙返り5/2ひねり、側方宙返り1回ひねり、十字倒立、後方宙返り5/2ひねり~前方宙返り3/2ひねり(前方宙返り2回ひねりにいけず)、テンポ宙返り~後方宙返り3回ひねり。全体に着地が良くなかった。[D:5.9得点14.90]
【第4ローテーション】あん馬
(岩佐)開始技のコンバインで落下、Dフロップも落下、マジャール移動、シバド移動、DSBのあと停止、正交差とび横移動ひねり正交差入れ、下向き逆移動倒立下り。失敗の連続で良い所を出せずに終わった。[D:4.4得点9.10]
(堀内)逆交差倒立、後ろ移動(2/3)、前移動(3/3)、シバド移動で落下、DSB、下向き転向、下向き逆移動倒立下り。旋回が小さくなってしまい大過失が出てしまった。[D:4.3得点12.00]
(湯浅)逆交差倒立、Eフロップ、Dコンバイン、マジャール移動、シバド移動、一把手旋回、下向き転向、下向き逆移動倒立下り(40度しか上がらず、技不認定)。[D:4.5得点13.00]
(千葉)逆交差倒立、Dフロップ、シバド移動で落下、シバド移動、前移動(3/3)、DSB、下向き逆移動倒立下り。演技全体が良かっただけに落下はもったいなかった。[D:4.8得点12.20]
(白井)正交差、Eフロップ、マジャール移動、シバド移動、一把手旋回、下向き転向、DSB、DSA倒立3/3移動下り。何度かバランスをくずしながらも立て直し、大過失なく演技した。[D:4.8得点13.20]
(佐藤)逆交差倒立、後ろ移動(2/3)、トンフェイ、マジャール移動、シバド移動、DSB、下向き逆移動倒立下り。終始落ち着いて演技が出来た。[D:4.9得点13.80]
【第5ローテーション】つり輪
(堀内)前振り上がり脚上挙支持で脚上挙にならず、ジョナサン、ヤマワキ、ホンマ、伸腕屈身力倒立、後方車輪倒立、後方車輪、後方かかえ込み2回宙返り3/2ひねり下り。[D:4.2得点12.70]
(湯浅)後ろ振り上がり開脚水平支持、ほん転逆上がり倒立、前方車輪倒立、ヤマワキ、ホンマ、伸腕屈身力倒立、後方車輪、後方かかえ込み2回宙返り1回ひねり下り。力技が少し不十分であったが、無難に演技した。[D:4.6得点13.10]
(千葉)後ろ振り上がり開脚水平支持、ほん転逆上がり倒立、前方車輪倒立、ジョナサン、ヤマワキ、後ろ振り上がり開脚前挙支持、伸腕屈身力倒立、前方屈身2回宙返り下り[D:4.9得点14.30]
(白井)後ろ振り上がり開脚水平支持、ほん転逆上がり倒立、前方車輪倒立、ジョナサン、ヤマワキ、ホンマ、伸腕屈身力倒立、後方かかえ込み2回宙返り3/2ひねり下り。ホンマのあと開脚水平支持でバランスをくずした。[D:4.9得点12.75]
(佐藤)ホンマ十字懸垂、後ろ振り上がり開脚水平支持、ほん転逆上がり倒立、前方車輪倒立、ジョナサン、ヤマワキ、後ろ振り上がり開脚前挙支持、伸腕屈身力倒立、後方かかえ込み2回宙返り1回ひねり下り。着地の1歩以外はすごく良い出来であった。[D:5.0得点14.05]
(岩佐)後ろ振り上がり開脚水平支持、ほん転逆上がり倒立、ジョナサン、ヤマワキ、ホンマ十字懸垂、伸腕屈身力倒立、後方車輪、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。中学生とは思えないくらい力強い演技であった。[D:5.1得点13.95]
【第6ローテーション】跳馬
(湯浅)伸身カサマツとび。着地1歩。[D:5.4得点14.10]
(千葉)アカピアン。着地姿勢は低かったが、着地を止めた。[D:6.2得点15.05]
(白井)1本目はシューフェルト。着地が乱れ、減点ラインからはみ出る。[D:6.6得点15.15]
2本目は伸身カサマツとび。着地1歩。[D:5.4得点14.65]
(佐藤)1本目はアカピアン。回転力がなく、前のめりの着地姿勢になってしまった。[D:6.2得点14.90]
2本目は前転とび前方かかえ込み宙返り。高さのある良い実施で着地は小さく1歩。
(岩佐)1本目はアカピアン。着地1歩。良い出来であった。[D:6.2得点15.30]
2本目は前転とび前方屈身宙返り。高さのある良い実施であったが、着地が大きく2歩前に。
(堀内)伸身ユールチェンコ。着地は大きく跳ねる。[D:5.8得点14.85]
②シニア 競技12:00-14:30
【第1ローテーション】跳馬
(市瀬)1本目はアカピアン。良い超越であった。着地小さく1歩。[D:6.2得点15.50]
2本目はローチェ。着地のタイミングが合わずに回りすぎて前転してしまう。
(長谷川)1本目は伸身ユールチェンコ2回ひねり。着地もピタリ、完璧な超越。[D:6.2得点15.45]
【第2ローテーション】平行棒
(市瀬)ホンマ、棒下宙返り倒立、後方車輪ディアミドフ、後方車輪倒立、懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり、ディアミドフ、前振りひねり倒立、ピータース、単棒横向き前方浮腰上がり開脚浮腰支持経過横向き倒立、後方屈身2回宙返り下り。棒下宙返り、後方車輪ディアミドフが流れてしまったが、その他は良い実施であった。[D:6.0得点14.70]
(長谷川)前振り上がり開脚抜き倒立、棒下宙返り倒立、ピータース、単棒横向き前方浮腰上がり開脚浮腰支持経過横向き倒立、ディアミドフ、モイ、ティッペルト、ヒーリー支持、前振りひねり倒立、後方屈身2回宙返り下り。棒下宙返りで屈腕した他は良い実施であった。[D:5.8得点14.40]
【第3ローテーション】鉄棒
(市瀬)カッシーナ、コールマン、クースト、後方とび車輪3/2ひねり片大逆手、アドラーひねり倒立、シュタルダー、シュタルダーひねり片大逆手、エンドー、エンドー1回ひねり片大逆手、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。カッシーナとコールマンが鉄棒に近くなってしまったが、スピード感のある良い演技であった。[D:6.1得点14.35]
(長谷川)エンドー1回ひねり~伸身イエーガー、コールマン、アドラー1回ひねり片逆手倒立~ヤマワキ、クースト、後方とび車輪3/2ひねり片大逆手、アドラー倒立、アドラーひねり倒立、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。アドラー1回ひねりで動きが止まりかけたが何とか立て直し、最後まで乗り切った。[D:6.8得点15.45]
【第4ローテーション】ゆか
(長谷川)後方宙返りひねり~前方宙返り2回ひねり、ゴゴラーゼ、十字倒立、後方宙返り3/2ひねり~前方宙返り1回ひねり、後方宙返り5/2ひねり~前方宙返りひねり、側方宙返り1回ひねり、後方宙返り2回ひねり。着地をまとめ、非常に良い実施であった。[D:5.5得点14.55]
(市瀬)前方宙返り2回ひねり~前方宙返り1回ひねり、後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返り、後方宙返り3/2ひねり~前方宙返り3/2ひねり、後方宙返り5/2ひねり~前方宙返りひねり、側方宙返り1回ひねり、十字倒立、後方かかえ込み2回宙返り1回ひねり。着地で動く場面がみられたが、全体的には良い動きであった。[D:6.0得点14.60]
【第5ローテーション】あん馬
(市瀬)ウ・グォニアン、フェドルチェンコ、前移動(3/3、D)、シバド移動(落下)、ロス、トン・フェイ、正交差とび横移動ひねり逆交差入れ、逆交差とび横移動、DSA倒立3/3移動下り(倒立に上げる時止まり、不認定)。これまでノーミスで演技してきたが、二度の大過失をしてしまった。[D:5.0得点11.90]
(長谷川)開脚旋回1回ひねり、逆交差とび横移動、ウ・グォニアン、ロス、マジャール移動、シバド移動、一把手旋回、後ろ移動(1/2)、DSB、下向き逆移動倒立下り。ミスなく安定した良い演技であった。[D:5.5得点14.20]
【第6ローテーション】つり輪
(市瀬)後ろ振り上がり中水平支持、中水平支持、ホンマ十字懸垂、後ろ振り上がり水平支持、ほん転逆上がり倒立、ジョナサン、ヤマワキ、後ろ振り上がり倒立、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。力技、振動技ともにキメもよくしっかりと着地もまとめ非常に良い出来であった。[D:6.1得点15.00]
(長谷川)後ろ振り上がり水平支持、ほん転逆上がり倒立、伸身ヤマワキ、後ろ振り上がり開脚水平支持、後ろ振り上がり開脚前挙支持、伸腕屈身力倒立、ジョナサン、ヤマワキ、後ろ振り上がり倒立、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。最終種目も良い出来で、ノーミスで演技し終えた。[D:5.8得点14.70]
ジュニアの部では、日本代表国際大会に初出場の2名は緊張で力を出し切れなかった面はあるものの、全員持ち味を出し、好成績を収めることが出来たと思う。特に佐藤選手は高校生の貫録を見せ、見事個人総合優勝を果たした。
シニアの部でも2名とも素晴らしい出来で団体2位を勝ち取り、個人総合でも、長谷川選手がパーフェクトに近い演技で世界選手権代表と互角に渡り合い、見事3位入賞を果たした。
17日(土)種目別決勝 競技10:00-13:00
ジュニア・シニア同時進行で行われた。(シニアはゆかスタート、ジュニアはあん馬スタート)
①ジュニア
【あん馬】
(佐藤)逆交差倒立、後ろ移動(2/3)、トンフェイ、マジャール移動、シバド移動、DSB、下向き逆移動倒立下り。トンフェイの後、旋回が詰まり落下。[D:4.9得点12.40]
(湯浅)逆交差倒立、Eフロップ、Dコンバイン(途中で停止、技不成立)、DSB、マジャール移動、シバド移動、一把手旋回、下向き転向、下向き逆移動倒立下り。[D:5.1得点12.70]
2名とも落下がありメダル獲得はならなかった。
【つり輪】
(佐藤)ホンマ十字懸垂、後ろ振り上がり開脚水平支持、ほん転逆上がり倒立、前方車輪倒立、ジョナサン、ヤマワキ、後ろ振り上がり開脚前挙支持、伸腕屈身力倒立、後方かかえ込み2回宙返り1回ひねり下り。着地も決め良い出来であった。[D:5.0得点13.80]
(千葉)後ろ振り上がり開脚水平支持、ほん転逆上がり倒立、前方車輪倒立、ジョナサン、ヤマワキ、後ろ振り上がり開脚前挙支持、伸腕屈身力倒立、前方屈身2回宙返り下り。着地が大きく1歩動いたがそれ以外は素晴らしい演技であった。[D:4.9得点14.05]
日本選手が正確な実施を見せ、千葉が金、佐藤が銀メダルと1位2位を独占した。
【跳馬】
(白井)1本目はシューフェルト。着地横に1歩でライン減点0.1。[D:6.6得点15.50]
2本目はアカピアン。着地少し跳ねる。[D:6.2得点15.45]決定点15.475
(岩佐)1本目はアカピアン。着地少し跳ねる。高さもありとても良い出来であった。[D:6.2得点15.40]
2本目は前転とび前方屈身宙返り1/2ひねり。着地僅かに跳ねる。非常に良い超越であった。[D:4.6得点13.85]決定点14.625
Dスコア6.6、6.2の2本を成功させた白井が圧勝した。岩佐も高さのある超越で銅メダル獲得した。
【平行棒】
(佐藤)前振り上がり開脚抜き倒立、棒下宙返り倒立、後方車輪倒立、ティッペルト、前振りひねり倒立、ディアミドフ、ピータース、後方屈身2回宙返り下り。棒下宙返り・後方車輪が少し倒立からはずれ、終末技で回転しすぎ尻もちを着きそうになった。[D5.2:得点12.85]
(千葉)ホンマ、棒下宙返り倒立、後方車輪倒立、ティッペルト、モイ、前振りひねり倒立、ディアミドフ、後方屈身2回宙返り下り。倒立からはずれた、手をずらす動作が見られたが、まずまずの演技であった。[D:5.3得点13.80]
本来の出来ではなかったが、大過失なく演技した千葉が銅メダルを獲得した。
【鉄棒】
(佐藤)アドラー1回ひねり片逆手倒立~ヤマワキ、エンドー、アドラー倒立、アドラーひねり倒立、シュタルダー、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。アドラーひねりで少しぶれたが、着地を見事に決め、良い演技であった。[D:5.2得点14.25]
(千葉)ギンガー、エンドー、シュタルダー、シュタルダーひねり大逆手、アドラー倒立、大逆手車輪、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。着地は小さく前に跳んだが、素晴らしい演技であった。[D:4.6得点13.80]
2選手とも自分の演技が出来、佐藤が銀、千葉が銅メダルを獲得した。
【ゆか】
(白井)後方宙返り4回ひねり、後方宙返り3/2ひねり~前方宙返り5/2ひねり、側方宙返り1回ひねり、十字倒立、後方宙返り5/2ひねり~前方宙返り3/2ひねり、テンポ宙返り~後方宙返り3回ひねり。個人総合時の反省を生かし、着地をまとめ良い出来であった。[D:5.9得点15.10]
(千葉)後方宙返り5/2ひねり~前方宙返りひねり、前方宙返り2回ひねり~前方伸身宙返り(尻もち)、側方伸身宙返り、後方宙返り2回ひねり、伸腕屈身開脚力倒立、後方宙返り3回ひねり。予選同様、素晴らしい演技であっただけに前方伸身宙返りの尻もちが悔やまれる演技となった。[D:5.0得点13.40]
全日本種目別選手権2位の白井が圧倒的な強さを見せ、2位に1点以上の差をつけ優勝した。
①シニア
【ゆか】
(市瀬)前方宙返り2回ひねり~前方宙返り1回ひねり、後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返り、後方宙返り3/2ひねり、前方宙返り3/2ひねり、後方宙返り5/2ひねり~前方宙返りひねり、側方宙返り1回ひねり、十字倒立、後方かかえ込み2回宙返り1回ひねり。後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りで尻もち。他のコースでも手を着くなど大過失が目立った演技となった。[D:6.0得点12.30]
(長谷川)後方宙返りひねり~前方宙返り2回ひねり、ゴゴラーゼ、十字倒立、後方宙返り3/2ひねり~前方宙返り1回ひねり、後方宙返り5/2ひねり~前方宙返りひねり、側方宙返り1回ひねり、後方宙返り2回ひねり。種目別のスタートとしては、緊張しすぎずに予選と同じ構成で着地までしっかりとまとめた。[D:5.5得点14.45]
【あん馬】
(長谷川)開脚旋回1回ひねり、逆交差とび横移動、Dフロップ、ウ・グォニアン、ロス、マジャール移動、シバド移動、一把手旋回、後ろ移動(1/2)、DSB、下向き逆移動倒立3/3移動下り。Dフロップを入れ6.0の構成で挑んだが、シバド移動で力尽き、あえなく落下。しかし、後半はD難度の下向き逆移動倒立3/3移動下りまでしっかり行った。[D:5.8得点13.05]
【つり輪】
(市瀬)後ろ振り上がり中水平支持、中水平支持、ホンマ十字懸垂、後ろ振り上がり水平支持、ほん転逆上がり倒立、ジョナサン、ヤマワキ、後ろ振り上がり倒立、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。力技、振動技ともにキメもよくしっかりと着地もまとめ非常に良い出来であった。[D:6.1得点14.30]
(長谷川)後ろ振り上がり水平支持、ほん転逆上がり倒立、伸身ヤマワキ、後ろ振り上がり開脚水平支持、後ろ振り上がり開脚前挙支持、伸腕屈身力倒立、ジョナサン、ヤマワキ、後ろ振り上がり倒立、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。伸身ヤマワキの腰の曲がりはやく、伸身ホンマにとられてDスコアが下がってしまった。[D:5.6得点14.35]
【跳馬】
(市瀬)1本目はアカピアン。着地の先取りが出来た余裕ある跳躍であった。[D:6.2得点15.50]。
2本目はローチェ。少し着地の姿勢は低くなったが、前に1歩でしっかりとまとめた。[D:6.6得点15.60]決定点15.55
【平行棒】
(市瀬)ホンマ、棒下宙返り倒立、後方車輪ディアミドフ、後方車輪倒立、懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり、ディアミドフ、前振りひねり倒立、ピータース、単棒横向き前方浮腰上がり開脚浮腰支持経過横向き倒立、後方屈身2回宙返り下り。全体的に倒立に収まらず、慌ただしい演技になってしまったが、着地はしっかり止めた。[D:6.0得点13.70]
【鉄棒】
(市瀬)カッシーナ(落下)、コールマン、クースト、後方とび車輪3/2ひねり片大逆手、アドラーひねり倒立、シュタルダー、シュタルダーひねり片大逆手、エンドー、エンドー1回ひねり片大逆手、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。国際ジュニアでも金メダルを取った自信ある種目だったが、カッシーナでまさかの落下。あとは最後まで完璧な演技で落下が悔やまれる結果となった。[D:5.5得点12.60]
(長谷川)エンドー1回ひねり~伸身イエーガー、コールマン、アドラー1回ひねり片逆手倒立~ヤマワキ、クースト、後方とび車輪3/2ひねり片大逆手、アドラー倒立、アドラーひねり倒立、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。予選トップ通過したのでメダルの期待がかかる種目だったが、コールマンで惜しくも落下。その後は落ち着いて演技を行い、着地までしっかりと行った。[D:6.4得点13.50]
[総評]
 今大会を通して、ジュニア個人総合では、1、3、4位と上位を占め、種目別でも金メダル3、銀メダル2、銅メダル3個を獲得し、日本ジュニアの強さを示すことが出来た。シニアにおいても各国の世界選手権大会代表選手と競い、個人総合で銅メダルを獲得したことは賞賛に値すると思う。彼らが将来、日本代表選手として金メダルを取ってくれることを楽しみにしたい。この試合で得たことを日本体操の更なる発展のために反映させていきたいと思う。