第12回アジアジュニア選手権男子報告

報告者:

■派遣期間 2012年3月8日(木)~15日(木)
■場所 タイ:スパンブリースポーツクラブ
■参加国 チーム12カ国(71名)
■器具  GYMNOVA
■選手団 【男子】
<コーチ>
藤原佳市(ジュニア強化部員・関西高校)/森川勝俊(ジュニア強化部員・埼玉栄高校)/小倉雅昭(ジュニア強化部員・四天王寺スポーツクラブ)/辻 朝次(太成学院大学高校)
<審判員>
高橋孝徳(審判委員会男子体操競技部部員)/大久保雄右(審判委員会男子体操競技部部員)
<トレーナー>
溝田一善(関西高校)
<選手>
佐藤匠(太成学院大学高校)/堀野真志(関西高校)/神本雄也(関西高校)/神津源一郎(埼玉栄高校)/千葉健太(四天王寺スポーツクラブ/大阪市立白鷲中学校)
■大会概要
・年齢カテゴリー:1994年~1998年生まれ2012年12月までに14~18歳になる選手
・種目別予選・団体(5-4-3)、個人総合及び種目別決勝とある。跳馬の決勝へ出場するためには、2本の跳躍を行わなければならない。
・ジュニア用FIG採点規則
■報告
 2012年3月8日10:50分、成田にて出発して6時間でバンコクの空港に到着した。気温は、30℃を越えていた。空港にて他国が来るのを4時間ほど待たされたのち、バスにて2時間かけてスパンブリのホテルに移動し、到着したのは、22:00になった。
【3月11日】:団体・個人総合決勝
10:30-11:30:サブ会場にてフリー練習で少し身体を動かした。
17:00-17:30:本会場にて2種目目からの5分ローテでまわり、30分休憩のあと、試合が開始された。
1種目目:ゆか
堀野選手が、後方1回半~前方1回ひねりでしりもちを着く大過失。次の神本選手は、着地までうまくまとめて、Eスコア9点台の実施であった。神津選手・千葉選手も大きなミスはなかったが、シリーズの2本目の宙返りの着地で両足がラインの外側に直接着地したために0.5の減点を受けた。
2種目目:あん馬
佐藤選手が、後半で少しつまり停止してしまった。神本選手は、落ち着いた演技でいつも通り行えた。千葉選手と堀野選手は、落下する大過失がでて、チーム得点を上げることができなかった。
3種目目:つり輪
千葉選手は、内容もよく前方屈身2回宙返り下りの着地も決めて、最高の演技ができた。佐藤選手もうまくまとめて、後方抱え込み2回宙返り2回ひねりの着地を決めて次へ続けられた。堀野選手もいつも通りの演技ができ、着地までとめることができた。神本選手も実施のよい演技が出来てようやくチーム的によくなってきた。
4種目目:跳馬
千葉選手は、アカピアンの着地で膝を着いて得点を伸ばせなかった。神津選手は、高さのあるアカピアンであったが、ラインオーバーをしてしまった。堀野選手は、アカピアンをうまくまとめてEスコア8.8の実施であった。神本選手は、ユルチェンコ2回ひねりで着地まで決める演技でEスコア9.1の実施であった。
5種目目:平行棒
佐藤選手が、途中でバランスを崩し、得点が伸びなかった。千葉選手は、練習通りの素晴らしい演技でEスコア8.9の実施であった。堀野選手は、Dツイストのあとに懸垂でゆかに足が触れるミスが出てしまった。神本選手は、落ち着いた演技で、全体のトップであった。
6種目目:鉄棒
千葉・佐藤・堀野選手の3人は、いつも通り落ち着いた演技ができた。神本選手は、コールマンで近づきすぎて持った後の車輪での減点をかなり受けた。
結果
団体総合は、中国が261.00点で1位で大過失は全体で1つだけであった。日本は、2位で252.45点で大過失が全体で7つあり中国に8.55点の大差をつけられた。
個人総合も中国のLIAN.JIが87.00点で1位、CHAOPAN.LINが86.85点で2位、神本選手が85.35点で3位、堀野選手が82.65点で7位でありとても残念な結果となった。
【3月13日】種目別決勝・前半
14:00-15:00まで公式練習が行われ、60分空いて16:00から開始であったが時間を守られることはなく、試合が始まる前まで練習を行なっていた。
ゆか
神本選手が、6位通過で出場し終末技の3回ひねりも決める素晴らしい実施であったがDスコア5.1で低いため14.125点で5位に終わった。1位は同点で韓国の2人が入り、14.325点であった。台北の選手が4位であったが、3回ひねりやトーマスシュピンデルなどとても美しい実施であったのが印象的であった。
あん馬
佐藤選手が、8位通過で出場したが、演技前にかなり待たされたため、思うように演技が出来ずに落下12.825点で6位に終わった。1位は、中国のCHAOPAN.LINで14.425点で2位に大差をつけていた。
つり輪
神本選手が2位通過で出場し、内容もよく着地まできめる素晴らしい演技で14.650点で2位、佐藤選手は4位通過で出場し、いつも通りの演技で13.800点で3位に入った。1位はYANG.LIN16歳でとても力強い演技で以下のものであった。
後転十字~引き上げて十字倒立~振り上がり中水平~屈身ヤマワキ~ホンマ十字~引き上げて中水平~振り上がり倒立~伸身ムーンサルト、力技も正確で手首の巻き込みもない素晴らしい実施であった。
【3月14日】種目別決勝・後半
11:00-12:00まで公式練習が行われ、60分空いて13:00から開始であったが、2日目も時間を守られることはなく、試合が始まる前まで練習を行なっていた。
跳馬
日本からは、2本の跳躍を行った選手がいなかったため出場者なしで残念であり、今後の課題であると強く感じた。1位はCHAOPAN.LINでロペスが15.75点、前方1回半ひねり15.10点で15.425であった。韓国の選手が、シューヘルトを行い15.75点とカザフスタンの選手がローチェを行いしりもちを着いたが15.70点を出していたのが印象に残った演技であった。2人共2本目が価値が低かったため優勝には届かなかった。
平行棒
神本選手が1位で通過して出場した。落ち着いた演技を行い14.725点で貫禄をみせて優勝した。千葉選手も4位通過で出場し、他国の選手がミスをする中でいつも通りの演技を行い、14.375点で見事3位に入った。
鉄棒
堀野選手が、2位通過で出場し、1番手で演技したが伸身モズニクを入れる構成に変えて着地まで決める素晴らしい演技であったが14.05点と得点が伸びずに3位に終わった。佐藤選手が3位通過で出場し、落ち着いた演技で着地を決めて14.150点で2位に入った。1位は中国のCHAOPAN.LINがアドラーハーフ~伸身トカチェフ、エンド1回ひねり~伸身イエガーの2つの組み合わせを成功させ14.775点であった。
【所感】
 ジュニア大会ではありますがポディウムトレーニングから中国と日本に注目が集まる中で行われ、中国の動きがあまり良くないのに対し、日本は審判の先生にも協力していただき、とても良いポディウムトレーニング行えてアピールすることが出来た。
 団体戦では、日本は7回の大過失があり、結果2位に終わり、中国はあん馬の落下1回だけで日本に8.55点の大差をつけて優勝した。日本には、前半2種目にミスが出たため、勢いに乗れないまま2種目が終わり、3種目目のつり輪から本来の動きを取り戻したが、遅かった。
 個人戦でも中国選手が1・2位を独占する結果となった。神本選手が最終種目の鉄棒の前まではミスなく優勝争いをしていたが最終種目でミスを出して3位に終わった。
 種目別では、ゆかは韓国2選手が同点で1位となり脚力の強さをアピールし、あん馬・つり輪・跳馬・鉄棒の4種目は、中国選手が優勝し団体・個人を合わせて6個の金メダルを獲得し存在感を示した。平行棒は、神本選手が優勝して日本が唯一金メダルを獲得した。
 今大会の反省を正直に受けとめ、今後の試合と練習の中で生かしていきたいと思います。この貴重な経験が若いジュニアの選手に良い刺激を与えて、いずれシニアになった時には世界と戦える選手になってくれることだと思います。
 また、この様な機会を与えていただきました関係各位に感謝して報告とさせていただきます。