ロンドン五輪レポート2ポディウム女子

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 現地7月26日、女子ポディウムトレーニングが終了。アメリカの跳馬はユルチェンコ2回半ひねり(アマナール)を実施できる選手が4名で、他国を寄せつけない強さを見せた。2回半ひねりのDスコアが6.5。2回ひねりが5.8であることを考えると、単純に一人0.7の差となるため、大きなアドバンテージとなる。中国は全員2回ひねり、ロシアは2名がアマナールに挑戦していたが、一人は一度も立てなかった。ただ、平均台とゆかにおいて小さなミスが目立っており、つけいるとすれば、その2種目の大過失になってくるであろう。
 ロシアはKOMOVA VictoriaとMUSTAFINA Aliyaの2枚看板に多少のミスがでており、準備は万全でない状況。新鋭のGRISHINA AnastasiaとPASEKAMariaがどこまで貢献できるかがチーム優勝のカギを握っている。
 中国はYAO Jinnanが技をほぼ抜いた調整練習に終始し、DENG Linlinは腰にサポーターを巻きながらの演技と、全体的に雰囲気が重い。HE Kexinの段違い平行棒も最初の通しにおいてイエガー連続で落下するなど、精彩を欠いていた。
 ルーマニアゆかはPONOR Catalinaが補助付きだが伸身月面に挑む等、積極性のある取り組み。跳馬はIZBASA Sandra Ralucaがロンダート後ろとびひねり前転とび前方伸身宙返り1回半ひねりに挑戦。段違い平行棒、平均台も大きなミスがなかった。
 その他、オーストラリアはMITCHELL Laurenの調子が良くない様子。カナダはパワフルな演技で難度を上げてきた。イギリスはTWEDDLE Elizabethがチームをけん引しているが、他の選手のミスも目立った。イタリア、フランスともにコマ不足は否めない。
 日本は段違い平行棒からのスタート。大きなミスなく5選手がポイントを押さえた練習。平均台では全員が最初に着地の確認。着地ミス、落下が1回ずつ出たがすべて確認できていた。ゆかでは鶴見が続けて大過失を出して演技を中断して心配させたが大事には至らず最後に再び演技を実施した。跳馬では寺本がユルチェンコ2回ひねりを成功させた。練習を終えた選手たちの顔に大きな不安はなく、ウォームアップ会場と競技会場(ポディウム)での感触の違いを確認できたことで、それぞれが本番に向けて多くの収穫を得た様子だった。