ロンドン五輪レポート14女子個人決勝

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 現地8月2日、女子個人総合決勝スタート。決勝進出は日本の寺本明日香、田中理恵を含む24名。
■第1ローテ
寺本段違い3番目、シュタルダー1回ひねりなど倒立から外れる少し慌ただしい演技だったが、大過失なくまとめる。
田中ゆか5番目、最初の前宙2回ひねり~前宙ひねりでライン減点、後方宙1回半ひねり~前宙1回ひねりの予定が半ひねりに、着地を全体的に止め切れず。
<第1グループ(跳馬)>
DOUGLAS(USA)、アマナール着地うまくまとめる。
RAISMAN(USA)、アマナール着地大きく前に弾む。
KOMOVA(RUS)、アマナール着手でひじが曲がり十分なつき手が入らず、着地動く、ライン減点もあり。
FERRARI(ITA)、ユルチェンコ2回ひねり空中でひざが曲がり着地後ろに数歩動く。
DENG Linlin(CHN)、ユルチェンコ2回ひねり着地少し動く。
MUSTAFINA(RUS)、ユルチェンコ2回ひねり着地ほぼ止める。
<その他>
HUANG Qiushuang(CHN)段違い、屈身イエガー、伸身2回宙の着地をまとめいいスタート。
IORDACHE(ROU)段違い、演技全体的に足割れが目立つが大過失なく月面の着地を止める。
SEITZ(GER)段違い、マロニー、ヒリスタキエバ(足割れ)、シュタルダー1回ひねり~フットトカチェフ、フット1回ひねり~月面着地まとめ高得点。
IZBASA(ROU)段違い、予選で落下したギンガー、イエガーを決めるが、前方2回宙着地大きく前に1歩。
■第2ローテ
寺本平均台2番目、大きなミスなく、最後後方宙3回ひねり下りひねり不足で少し着地動く。
田中跳馬4番目、ユルチェンコ1回半ひねり、左に大きく動き、左足がマット外に出かける。
<第1グループ(段違い平行棒)>
RAISMAN(USA)、フット1回ひねりで倒立ぶれ、直接マロニーに行けず、シュタルダー1回ひねりでリズムが崩れ、前方2回宙の着地で動く。14.333。このミスが順位に響くか?
KOMOVA(RUS)閉脚シュタルダー系を組合せ、伸身イエガー、屈身トカチェフ、新月面着地動くが雄大な演技。15.966。
FERRARI(ITA)、全体的に足割れなどの姿勢欠点目立つ実施、月面着地とぶ。
DENG Linlin(CHN)、前方車輪1回ひねり大逆手で少し流れるが修正してイエガーを成功、伸身月面着地1歩。14.266。
MUSTAFINA(RUS)、シュタルダー1回ひねり~マロニーひねり、屈身イエガーなどまとめ、雄大なスイングで最後月面ひねり着地を止める。16.100。
DOUGLAS(USA)、雄大な屈身トカチェフ、トカチェフを決め、最後伸身2回宙着地1歩。15.733.
<その他>
IORDACHE(ROU)平均台、後転とび~後方宙1回ひねりで大きくふらつく、後方宙3回ひねり着地動く
IZBASA(ROU)平均台、リズムのよい演技、体操系で少し安定性を欠く、最後後方伸身宙2回半ひねりの着地左足大きく前に1歩。
HUANG Qiushuang(CHN)平均台、ひとつひとつの技の決めをはっきりと表現、交差輪とびで小さなふらつき、後方屈身2回宙の着地をほぼ止める。
LOPEZ(VEN)落下。
■第3ローテ
寺本ゆか1番目、全体的に体の反応が遅いようだが大きなミスなく演技をまとめる。
田中段違い3番目、シャポシニコワ~パク~シュタルダー~マロニーの連続を落ち着いて決め、イエガーも正確に、最後、後方伸身2回宙の着地わずかに弾む。、
<第1グループ(平均台)>
KOMOVA(RUS)、集中した顔つき、後ろとびひねり前宙と前宙で少しふらつく、後転とび連続~パターソン着地後ろに動く
FERRARI(ITA)、後転とびスワンで大きくふらつく、羊とびでゆがむ、落下なく演技を終えるが不安定さが目立つ。
DENG Linlin(CHN)、後転とび連続~後方伸身閉脚宙、その他、しっかり技の決めを出す、羊とびで少しバランスを崩す、最後着地1歩
MUSTAFINA(RUS)、後ろとびひねり前宙で落下、その後、その影響からかふらつく部分多し、最後後方かかえ込み2回宙着地1歩。
DOUGLAS(USA)、後方宙1回ひねりを決める、後方宙で少しふらつくが修正、最後後方屈身2回宙着地後ろにとぶ。
RAISMAN(USA)、屈身前宙でバランスを崩し手で台を支える、その後、技でふらつくシーンが多く、パターソン着地前に1歩。
<その他>
IZBASA(ROU)ゆか、屈身月面、後方宙1回半ひねり~ロンダート~後転とび~後方宙3回ひねり~鹿とび、月面着地止める、後方宙2回半ひねり~前方宙1回ひねり着地をまとめる。
IORDACHE(ROU)ゆか、最初の屈身月面で数歩下がりライン減点。
■第4ローテ
田中平均台2番目、ところどころでバランスを崩しそうになるがすべてすぐに修正し、素晴らしい締めくくりの演技。
寺本跳馬6番目、ユルチェンコ2回ひねり着地をまとめ、笑顔で演技を終える。
<第1グループ(ゆか)>
FERRARI(ITA)、新月面、月面~後方宙、団体決勝で尻もちをついたところを成功、少しバランスを崩すところがあるがまとめる。
DENG Linlin(CHN)、全体的にタンブリングをまとめきれずジャンプも小さく。
MUSTAFINA(RUS)、正確で丁寧な演技、タンブリング技の着地を止め切れず。
DOUGLAS(USA)、後方宙1回半ひねり~ロンダート~後転とび~後方宙3回ひねりで着地とぶ、予選でミスした後ろとびひねり前方2回宙で今日もライン減点しそうになるがこらえる、月面着地1歩、後方2回宙~開脚ジャンプを決めて大歓声。
RAISMAN(USA)、後方宙1回半ひねり~ロンダート~後転とび~後ろとびひねり前方2回宙、後ろとびひねり前方屈身2回宙~ジャンプ、豪快なタンブリングを決める、最後後方屈身2回宙~の開脚ジャンプでうまくけり上げられず小さくまとまる。
KOMOVA(RUS)、後方宙1回半ひねり~ロンダート~後転とび~後ろとびひねり前方2回宙~鹿とび、後方かかえ込み2回宙~ジャンプ、Y字2回ターン、後方宙3回ひねりひねり少し不足、最後の後方屈身2回宙の着地を決める。
<その他>
SEITZ(GER)跳馬、ユルチェンコ2回ひねり着地まとめる。
IZBASA(ROU)跳馬、ロンダート後ろとびひねり前転とび前方伸身宙2回ひねり着地まとめる。
IORDACHE(ROU)跳馬、ユルチェンコ2回ひねり着地後ろにとぶ。
HUANG Qiushuang(CHN)、ユルチェンコ2回ひねり着地ほぼ止める。
1位 DOUGLAS 62.232
2位 KOMOVA 61.973
3位 MUSTAFINA 59.566
4位 RAISMAN 59.566
 1位と2位は同点だが、オリンピックはタイブレイク規則が順位にも適用され、4種目中もっとも低かった得点を除いた3種目合計でMUSTAFINAが上位になり、銅メダルを獲得し、RAISMANはメダル獲得とならなかった。
 日本は寺本が11位、田中が16位と健闘し、オリンピックの演技を終えた。
 ロシア勢2選手とアメリカ勢2選手による見ごたえのあるメダル争いとなったが、男子以上に小さなミスも順位を変えてしまうほど混戦だった。大きなミスを出さなかったDOUGLAS、それに対して跳馬の着地でライン減点を出し、平均台でもDOUGLASよりふらつきが僅かに多かったKOMOVAが2位となった。MUSTAFINAとRAISMANについては、全種目において本来のキレを出せず、平均台で手をつく大きなミスとそれ以上に目立った小さなミスの繰り返しが最終的に落下したMUSTAFINAを決定的に上回ることができなかったことになる。
 女子個人総合が終わり、トランポリン男女の競技を挟み、残すところ種目別決勝。種目別1日目ゆか内村、2日目段違い平行棒鶴見、3日目平行棒田中兄弟が出場する。引き続き応援よろしくお願いします。