ロンドン五輪レポート17種目別①

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 現地8月5日、種目別決勝1日目(男子ゆか、あん馬、女子跳馬)。日本からの決勝進出者はゆかの内村航平。
■男子ゆか
1番目 内村航平(JPN)
 後方宙3回半ひねり~前宙ひねり、後方宙1回半ひねり~前宙2回半ひねり着地少し動く、前宙1回ひねり~前宙2回ひねり着地少し動く、後方宙2回半ひねり~前宙1回半ひねり着地少し動く、フェドルチェンコ、後方宙3回ひねり着地止める。
2番目 ZOU Kai (CHN)
 伸身新月面着地ほぼ止める、後方宙1回半ひねり~バンローン、前宙2回ひねり~前宙1回ひねり着地止める、後方宙2回半ひねり~前宙1回半ひねり着地止める、フェドルチェンコ、テンポ~伸身トーマス転、新月面着地1歩動く。
3番目 ABLYAZIN (RUS)
 テンポ~伸身トーマス転少し前転で弾む、伸身新月面着地動く、前方宙2回ひねり~前方2回宙独創的な組合せ成功、バンローン前転弾む、十字倒立、後ろとびひねり前方屈身2回宙、後方宙2回半ひねり~前宙1回ひねり、後方宙3回ひねり
4番目 KOCZI (ROU)
 前宙1回ひねり~前宙2回半ひねり大きく着地乱す、後方宙2回半ひねり~前宙2回半ひねり着地大きく動く、トーマス転、マンナ倒立、後方宙3回半ひねり~前宙ひねり、十字倒立、後方宙3回ひねり着地1歩。
5番目 SHATILOV (ISR)
 コリバノフ着地弾む、後方宙1回半ひねり~バンローン、前宙2回ひねり~前宙1回半ひねりけりがうまくいかず高さがなくなったが修正、フェドルチェンコ、後方宙2回半ひねり~前宙1回ひねり、テンポ~トーマス転、月面着地1歩。
6番目 DALTON (USA)
 タマヨ着地1歩、伸身トーマス転、後方宙1回半ひねり~前宙1回半ひねりになり着地弾む、十字倒立、テンポ~トーマス転、後方宙2回半ひねり~前宙1回ひねり、後方宙3回ひねり着地動く
7番目 NGUYEN (GER)
伸身新月面着地で前にのめり数歩動く、前宙2回ひねり~前宙1回ひねり着地動く、伸身トーマス転、十字倒立、テンポ~後ろとびひねり前方伸身宙返り転、新月面(予選時よりひねりを1回増やしてくる)着地大きく動く。
8番目 GONZALEZ (CHI)
 伸身新月面着地少し弾む、前宙2回ひねり~前宙ひねりけりが抜けて1回ひねりできず着地で弾む、後方宙2回半ひねり~前宙1回半ひねり、十字倒立、テンポ~トーマス転、伸身トーマス転、後方宙3回ひねり着地弾む、ひねり不足。
 Dスコアの高い上位選手の着地の争いだった。多くの着地機会のあるゆかは、それぞれでどれだけ着地を止めてアピールするかにかかっている。それを制したZOU Kaiが金メダル。そしてDスコアを7.1まであげてきたが着地を止め切れなかったABLYAZINが内村と同点ながらEスコアの比較により銅メダル、内村が銀メダル獲得となった。
■女子跳馬
1番目 ROGERS (CAN)
 ①ユルチェンコ2回ひねり、着地後ろにとぶ。②伸身ポドコパエワ空中で早い時期に腰が曲がる、足開きの姿勢欠点あり、着地わずかにとぶ。
2番目 BERGER (GER)
 ①前転とび前方伸身宙1回半ひねり、素晴らしい突き上げで高さを表現、着地はまとめきれず。②伸身ツカハラとび2回ひねり、着地で大きく右足を後ろに1歩、足乱れも少ない。
3番目 BLACK (CAN)
 ①前転とび前方伸身宙1回半ひねり、しっかりしたけり上げができず失速して着地を乱し手足が同時につく胴体着地で0点。②助走を途中で中断し、足を引きずりながら降壇で0点。
4番目 PENA (DOM)
 1本目助走を始めるが途中で一度中断して引き返す。①ローチェで尻もち。着地をしっかり立つまでの技術的な完成をみていない。②ユルチェンコ2回ひねり、着地で大きく後ろに1歩。
5番目 CHUSOVITINA (GER)
 ①前転とび前方伸身宙1回半ひねり、空中での足割れ、着地体勢で衝撃をうまく緩衝できなかったがまとめる。②伸身ツカハラとび1回半ひねり、着地で前にはずむ。
6番目 PASEKA (RUS)
 ①アマナール、着地で左に体勢を傾け、左に大きくマットを踏みこすほど動く。女子は着地した瞬間でライン減点を判定するため、この場合減点なし。②伸身ポドコパエワ、若干足開きあり、腰を少し曲げる、着地はまとめる。
7番目 MARONEY (USA)
 ①アマナール、素晴らしいつき手で高い空中姿勢を表現、着地点がずれライン減点-0.3。②伸身ポドコパエワひねり、まさかの尻もち!
8番目 IZBASA (ROU)
 ①伸身ポドコパエワひねり、着地をほぼまとめる。②ユルチェンコ2回ひねり、着地で大きく後ろにとぶ。
 素晴らしい完成度のMARONEY(USA)が2本目の跳躍で尻もちという大過失を出し、最後の演技者IZBASAが2本の跳躍をまとめて逆転優勝。ルーマニアに今大会うれしい初の金メダルをもたらした。2位はMARONEY、3位はPASEKA(RUS)。BERGER(GER)はわずか0.034の僅差でメダルに届かず。
■あん馬
1番目 TOMMASONE (FRA)
 交差倒立、逆交差倒立、Dコンバイン、Eフロップ、ウゴニアン、下向き1080度、マジャール、シバド、転向倒立3部分移動下り、途中でバランスを崩し倒立から体がはずれ、片ひじをまげてそのまま下りる。
2番目 BUSNARI (ITA)
 交差倒立ひねり移動、Eフロップ、Dコンバイン少し足割れ、転向倒立1回ひねり3部分移動下ろして旋回、倒立1回ひねり3部分移動下ろして旋回、開脚旋回馬端から馬端へ1回で横向き移動、マジャール、シバド、転向倒立1回ひねり3部分移動下り、落ち着いた演技の印象。
3番目 HIDVEGI (HUN)
 交差倒立、シュピンデル、ウゴニアン後に落下、Eフロップ、Dコンバイン、マジャール、シバド、転向倒立1回ひねり3部分移動下り。落下が後続の選手にどう影響するか。
4番目 WHITLOCK (GBR)
 交差ひねり移動、Eコンバイン、Eフロップ、1/2後ろ移動、シュピンデル、マジャール、シバド、ウゴニアン、下向き1080度、転向倒立1回ひねり3部分移動下り。素晴らしい実施!イギリスあん馬強さをアピール。
5番目 BERKI (HUN)
 開脚旋回シュピンデルで大きさ表現を表現し観衆を魅了、交差倒立、Eフロップ、Eコンバイン、下向き1080度、シュピンデル、マジャール、シバド、ウゴニアンわずかにバランスを崩しかけるが修正、転向倒立1回ひねり3部分移動下り。
6番目 NAKONECHNYI (UKR)
 交差ひねり、Eコンバイン少しバランスを崩しかける、Eフロップ少しミス、シュピンデル少しミス、ウゴニアン、下向き1080度、マジャール、シバド、転向倒立3部分移動下りで倒立でバランスを崩しかけるが乗り越える。
7番目 BELYAVSKIY (RUS)
 逆交差倒立、メリーゴーランド、シュピンデル、Eコンバインで大きく足を割り膝を曲げて修正し落下は免れる、Eフロップ、マジャール、シバド、転向倒立3部分移動下り。
8番目 SMITH (GBR)
 逆交差倒立、正交差倒立、Eフロップ、Fコンバイン(2フロップから一把手上下向き720度転向)素晴らしい!、シュピンデル、ウゴニアン、下向き1080度、マジャール、シバド、転向倒立1回ひねり3部分移動下り、若干止まりかけるが丁寧に手をついて移動下り。
 落下した選手は1名だけという、この規則による最後の世界大会の決勝は、非常に見ごたえのある戦いだった。得点は同点だったが、EスコアのよかったBERKIが金メダル、SMITHが銀。地元の大声援の中、高いレベルでの戦いに心が震えた。