ロンドン五輪レポート18種目別②

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 現地8月6日、種目別決勝2日目(つり輪、男子跳馬、段違い平行棒)。日本からの決勝進出者は段違い平行棒の鶴見虹子。
■つり輪
1番目 CHEN Yibing (CHN)
 アザリアン脚前挙十字~中水平~十字倒立、屈身ヤマワキ~後ろ振り上がり上水平、ホンマ十字~十字倒立、後ろ振り上がり中水平、後ろ振り上がり倒立、後方車輪、伸身月面大きなミスなく着地を止める。
2番目 MOLINARI Federico (ARG)
 後転上水平、後転中水平、後ろ振り上がり十字倒立、屈身ヤマワキ~後ろ振り上がり中水平、ナカヤマ十字、アザリアン十字、後ろ振り上がり倒立ひじゆるみ、月面ひねり着地で前に崩れ手をつく大過失。
3番目 BALANDIN Aleksandr (RUS)
 後転中水平、懸垂から伸腕で引き上げて十字倒立独特の表現で会場を沸かせる、屈身ヤマワキ~ヤマワキ~ホンマ十字、後ろ振り上がり中水平、ナカヤマ十字、後ろ振り上がり上水平、ほん転倒立少しゆがむ、前方車輪、前方屈身2回宙着地止める。
4番目 MORANDI Matteo (ITA)
 後転上水平、後転中水平、後ろ振り上がり十字倒立、後ろ振り上がり上水平、屈身ヤマワキ~後ろ振り上がり中水平、ナカヤマ十字、アザリアン十字、後ろ振り上がり倒立、伸身月面着地動く。数か所静止の表現ができず。
5番目 IOVTCHEV Iordan (BUL)
 アザリアン脚前挙十字~十字倒立、後ろ振り上がり中水平、ほん転十字倒立、屈身ヤマワキ~ヤマワキ~ホンマ脚前挙十字~中水平、ほん転倒立、伸身月面着地で両膝をつく。静止時間全体に短い。ただ39歳としての演技としては素晴らしい。
6番目 RAMOS Tommy (PUR)
 後転中水平、後ろ振り上がり上水平、アザリアン脚前挙十字~十字倒立、屈身ヤマワキ~後ろ振り上がり中水平、後ろ振り上がり中水平、ナカヤマ十字、後ろ振り上がり十字倒立、後ろ振り上がり倒立ひじゆるみ、伸身月面着地少し動く、腰曲がり。
7番目 ABLYAZIN Denis (RUS)
 後転中水平~背面水平静止なく少し勢いで行うさばき~中水平、ナカヤマ十字、ヤマワキ~屈身ヤマワキ、後ろ振り上がり開脚上水平、アザリアン十字、後ろ振り上がり倒立、後方車輪、伸身新月面着地1歩。倒立姿勢や十字で美しさを表現。
8番目 NABARRETE ZANETTI Arthur (BRA)
 後転上水平~背面水平じっくりみせてから引き上げ~中水平、後ろ振り上がり上水平、屈身ヤマワキ~後ろ振り上がり開脚上水平、後転中水平、ナカヤマ十字、ホンマ十字、後ろ振り上がり倒立、伸身月面着地1歩うごく。
 つり輪はDスコアにおいて大きな差がつかず、できばえの勝負になった。その中で、ロシアの2選手のさばきは、倒立でケーブルに触れることなく美しさを求める基本姿勢が見られた。難度を追い求め、手首を巻き込むことが平然と行われて美しさを逸してしまっている状況においてメダル獲得に至らなかったが、ロシア選手の姿勢を評価したい。優勝したZANETTIは、最初の背面水平からの表現に習熟度をアピール。できばえの勝負の中で、こうした習熟度における個性の表現が結果に結びついた好例といえる。
■段違い平行棒
1番目 HE Kexin (CHN)
 前方車輪1回ひねり大逆手~大逆手1回ひねり~イエガーひねり~イエガー少し小さくなる、大逆手1回ひねり~伸身イエガー~パク、月面着地右足1歩前。
2番目 KOMOVA Victoria (RUS)
 閉脚シュタルダーシャポ~パク、閉脚シュタルダーシャポひねり、閉脚シュタルダーひねり~伸身イエガー、閉脚シュタルダー1回ひねり少し倒立から外れる~屈身トカチェフ、新月面着地左足1歩後ろに。
3番目 SEITZ Elisabeth (GER)
 マロニー~シュタルダーひねり、ヒリスタキエバ足割れ、イエガー、シュタルダー1回ひねり~フットトカチェフ、前振りひねり下移動倒立~シート上移動、フット1回ひねり~月面着地少し弾む。姿勢欠点もあるが迫力ある演技。
4番目 YAO Jinnan (CHN)
 シュタルダーシャポ~パク足割れ、シュタルダー~シュタルダーシャポひねり、前方車輪1回ひねり大逆手~大逆手1回ひねり~大逆手1回半ひねり~トカチェフ大きさ表現できず、後方伸身2回宙着地止める。
5番目 TWEDDLE Elizabeth (GBR)
 片手軸1回ひねり~ホルキナ~ギンガー、フットトカチェフひねり~エジョワ~マロニーひねり素晴らしい完成度であり独創的な組合せ、新月面着地2歩後ろに動く。
6番目 MUSTAFINA Aliya (RUS)
 シュタルダー1回ひねり~マロニーひねり、閉脚シュタルダーひねり~屈身イエガー足開き、閉脚シュタルダー1回ひねり~パク~シュタルダーシャポひねり個性的で無駄のない組合せ、フット1回ひねり~月面ひねり着地止める。
7番目 鶴見虹子 (JPN)
 フット、前方車輪1回ひねり大逆手~片手軸1回半ひねり~トカチェフ、片手軸1回ひねり~イエガー、前振りひねり下移動倒立少し傾く~シート上移動、後方伸身2回宙着地止める。Dスコア6.4、Eスコア8.566で
8番目 DOUGLAS Gabrielle (USA)
 前方車輪1回ひねり大逆手~大逆手車輪~大逆手エンドーひねり~屈身トカチェフ、閉脚シュタルダー1回ひねりで倒立を外し前に倒れながら続ける、トカチェフ~パク、閉脚シュタルダー、後方伸身2回宙着地1歩動く。
 優勝争いはDスコアの接近するなか、結果的に着地のできばえにより評価が分かれた。段違い平行棒はシャポシニコワやマロニーといった下バーから上バーに移動する技にひねりを加える技が次々に発表され、その習熟度も上がってきている。この種目のトップの演技は新たな局面を迎えていく様相だ。鶴見は決勝に残ったが、倒立部分の外れによりDスコアを落とし、メダル獲得はならなかった。
■男子跳馬
1番目 KOCZI Flavius (ROU)
 ①ロペス左足1歩左へ、ひねり不足、ライン減点あり。 ②ローウンになる着地1歩大きく下がり、ライン減点。得点はDスコア7点に…。途中で得点修正が入る。
2番目 THOMAS Kristian (GBR)
 ①屈身メリサニディス着地ほぼまとめる。大歓声。 ②ローチェ後ろに両手をつくミス。
3番目 BOTELLA PEREZ Isaac (ESP)
 ①ドリッグス着地前に右足1歩前。 ②前転とび前方伸身宙2回ひねり着地前に1歩。 
4番目 RADIVILOV Igor (UKR)
 ①ドラグレスク着地を止める。 ②屈身ツカハラ宙返り着地大きく後ろに1歩でまとめる。
5番目 ABLYAZIN Denis (RUS)
 ①屈身ツカハラ宙返り着地ほぼまとめる。 ②リシャオペン着地少しひねりが不足し大きく左足1歩後ろに。
6番目 MIKULAK Samuel (USA)
 ①ロペス着手時に少し足開き、着地左足1歩後ろに。 ②ローチェ着地止める。着地姿勢は低く、マットにお尻がつきそうに。
7番目 GONZALEZ SEPULVEDA Enrique Tomas (CHI)
 ①屈身ツカハラ宙返り着地を止める。 ②シューフェルト着地で前に大きくとぶ。
8番目 YANG Hak Seon (KOR)
 ①ヤンハクソン前に大きく数歩動く。 ②ロペス着地を止める! 優勝!韓国旗をとりにポディウムの外に一瞬出る一幕も。
 ポディウムでのアップができない中、高い完成度と集中力が必要。その中にあって、非常にスピードある助走で、素晴らしい跳躍を見せたYANGが文句なしの優勝。