第45回世界体操競技選手権現地レポート 女子予選第10班

報告者:

■イギリス
 ゆか。WHELAN、月面着地で左にとぶ、後方かかえ込み2回宙の着地で数歩上がりライン減点。後方屈身2回宙着地少し低くなる。SIMM、後方伸身2回宙後ろにとぶ、月面右足大きく下げライン減点、後方2回宙の着地を止めきれず。JUPP、月面、後方かかえ込み2回宙、後方屈身2回宙それぞれ着地まとめる。HARROLD、後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙左足1歩わずかに前に、前宙2回ひねり前にとぶ、後方風1回半ひねり~前宙1回ひねり、後方2回宙着地1歩。FRAGAPANE、雄大な伸身月面、後方伸身2回宙、後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙少し着地が低くなる、後方屈身2回宙右足後ろ1歩。14.400。イギリス最初の種目でいい出だし。
 跳馬。WHELAN、ユルチェンコ1回ひねり、大きく後ろにとぶ。SIMM、ユルチェンコ2回ひねり、後ろに大きくとぶ。HARROLD、ユルチェンコ2回ひねり、右後ろに1歩動き、ライン減点。FRAGAPANE、ユルチェンコ2回ひねり着地まとめる、2本目後ろとびひねり前転とび前宙ひねり(つき手が遅れ屈身姿勢になるのが早い)着地動く。JUPP、ユルチェンコ1回ひねり着地後ろにとぶ。ゆかに続き、得点を稼ぐ。
 段違い平行棒。FRAGAPANE、フットひねり~屈身イエガー、フット1回ひねり~パク、後方伸身2回宙着地まとめる。演技全体で脚割れの局面あり。SIMM、フット閉脚トカチェフで両足をバーにぶつけるが握り手を離さず落下せず。JUPP、マロニー、イエガーで落下。HARROLD、マロニー~パク1回ひねり、マロニーひねり~下移動、イエガー、前方かかえ込み2回宙返り着地止める。DOWNIE、シュタルダーシャポシニコワ、リチナなど手放し技を繰り返し、月面の着地を止める。段違い平行棒現時点で6位となる15.166を獲得してチームで重なったミスを挽回する。
 平均台。WHELAN、落下せずに演技を通す。JUPP、後転とび~後方かかえ込み宙で落下、側宙でバランスを崩し腕を数回回して修正。HARROLD、危なげない動きで最後、後方かかえ込み2回宙の着地左足1歩で抑える。FRAGAPANE、閉脚後転とび~後方閉脚伸身宙で落下、開脚前宙、羊とび、後方宙1回ひねり、側宙、後転とび連続~後方屈身2回宙着地少しとぶ。DOWNIE、前宙少しバランスを崩す、側宙1/4ひねり~スワン、Y字ターン、1回ターン~開脚前宙~ジャンプ、後方屈身2回宙着地低く前に大きくとぶ。
 イギリスはチームとしてミスも出たが、それをカバーするいい演技がトップ選手に出て224.596を獲得し、現時点で4位。
■ルーマニア
 ルーマニアは跳馬からのスタート。5番目に予定していたTUDORACHEは演技をせず。最初の3人がユルチェンコとび2回ひねりで、IORDACHEがきれいな実施で15.133をマーク。STANILA、OCOLISANもそれぞれ14.833、14.800とした。ZARZUはポディウム練習では2回ひねりを跳んでいたがなかなか決まらず、本番ではユルチェンコ1回ひねりにしてきた。
  段違い平行棒は長年苦手としている種目であるが、今回もそれを露呈する形となり、一人目のSTANILAこそ大きなミスなく演技を終えたが、2人目のOCOLISANはイエーガーで2度落下。その後も手放し技がなく特別要求も取れずに10点台の得点。IORDACHEまでもフットトカチェフの後のパク宙返りで高く上がり過ぎて落下。IORDACHEはまだDスコアが高い分13点台をキープ。そしてTUDORACHEはミスこそなかったが、ギンガーの懸垂時にかなり足先が乱れてしまい、最後も屈身ダブル。そして、5人目の演技者となるはずのZARZUは演技をせず、ルーマニアは2種目連続で4人で演技を回した。
 このままでは団体決勝ラインにも大きく影響するところであり、得意の平均台で巻き返しを図りたいところであったが、一人目のSTANILAが後転とび~後方かかえ込み宙返り1回ひねりで落下。後転とび~後方かかえ込み宙返り1回ひねりは成功したものの、ジョンソンで落下。次のIORDACHEはかなりプレッシャーのかかる状況となったが、後転とび~後方かかえ込み宙返りひねりを決めた後、伸身宙返り1回ひねりをやるところは今日は後方伸身宙に変更してきた。最後のロンダード~後転とび~後方3回ひねりを成功させ、15.066。何とかエースの役目を果たした。しかし4人目のOCOLISANは後転とび~後方屈身宙で落下。最後の後方屈身2回宙でも前に大きく一歩(片手を着いた可能性あり)。最後のTUDORACHEは更に厳しい状況の中の演技となったが、交差とび~かかえ込み側宙、側宙1/4ひねり~後転とびを落ち着いて決め、その後体操系のところで数か所ふらつきがあったが、最後の後方2回ひねりをきれいに決めた。これでチーム得点を何とか55点台にして、最後のゆかに望みを残した。
 ゆかではSTANILAは後方3回ひねり、後方2回半ひねり~前方1回ひねり、後方かかえ込み2回宙を決めて13.600。MUTEANUはかかえ込み月面でラインオーバーしたものの、後方3回ひねり、後方かかえ込み2回宙、そして後方屈身2回宙を決めて、体操系でも交差とび1回ひねりと交差輪とび半ひねりを入れてきたが13.533に留まった。そしてIORDACHEはかかえ込み新月面、かかえ込み月面と連続して着地を止めて、その他もジャンプ系でD難度を複数取り、4回ターンでかかとが着いた以外は素晴らしい出来栄えの演技で会場も大いに盛り上がった。得点は14.933。OCOLISANは後方3回ひねり、後方2回半ひねり~かかえ込み前宙、後方かかえ込み2回宙、後方屈身2回宙を落ち着いて決めて13.800。4人ノーミスで来ていたが、最後のZARZUは2本目の後方3回ひねりで勢い余って尻もちを着いてしまう。このミスでルーマニアのゆかの得点は思ったように伸びないことになった。
 最終的にルーマニアは219.161という得点で日本を上回れず7位となった。
■その他
 ベネズエラLOPEZ AROCHA、段違い平行棒、閉脚トカチェフ~パクを決めるも、マロニー~ほん転ひねりでバランスを崩す。トカチェフ~ギンガー決める。大逆手から前方かかえ込み2回宙は着地ほぼまとめる。平均台、後転とび連続~閉脚伸身宙で落下。タイム減点あり。ゆか、テンポ~後方宙3回ひねり、ターンを丁寧に、後方宙2回半ひねり~伸身前宙で右後ろに右手をつくミス、後方屈身2回宙着地動く。最後の跳馬でようやくユルチェンコ2回ひねり着地後ろにとぶが演技をまとめる。
 この時点でオランダが9位となり、予選敗退が決定した。決勝ラインはドイツの216.969。