第46回世界体操競技選手権レポート・男子予選7班

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<第1ローテ>
アメリカ・つり輪
LEYVA:
BROOKS:後ろ回り中水平(かなり素早い捌き)、振り上がり上水平、振り上がり中水平、かかえ込みヤマワキ~屈身ヤマワキ~ホンマ脚前挙支持、伸腕屈身倒立、振り上げ倒立、ほん転、かかえ込み月面いひねり。
NADOUR:後ろ回り上水平~振り上がり上水平(足先下がる)、後ろ回り中水平、屈身ヤマワキ~振り上がり中水平~ナカヤマ、振り上がり開脚上水平、ほん転倒立(戻りかける)、かかえ込み月面ひねり(着地ほぼ止める)
WHITTENBURG:後ろ回り中水平~ナカヤマ~上水平、屈身ヤマワキ~振り上がり中水平~アザリアン、振り上がり上水平、ほん転倒立、車輪~伸身新月面(着地ほぼ止める)
WYNN:ピネダ~十字倒立、前振り上がり十字倒立、屈身ヤマワキ~振り上がり上水平、後ろ回り中水平~前振り上がり脚前挙~ナカヤマ、振り上がり中水平、振り上げ倒立~車輪~伸身月面(着地僅かに一歩)。非常に力強い演技で魅了。
アメリカはこの種目における強さを見せて、チーム得点は中国と僅差の2位。最高のスタートを切った。
オランダゆか
DEURLOO:後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り1回ひねり、後ろとびひねり屈身2回宙返り、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返りひねり、フェドルチェンコ、トーマス、後ろとびひねりかかえ込み2回宙返り。一人目から姿勢欠点の少ない演技。
RIJKEN:トーマス、前方宙返り2回ひねり~前方宙返り1回ひねり(着地姿勢が低く、大きく後ろへ歩く)、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り1回半ひねり、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返りひねり、十字倒立(静止時間短い)、シンピ倒立、後方宙返り3回ひねり。
WAMMES:前方宙返り1回ひねり~前方宙返り2回半ひねり、後ろとびひねり屈身2回宙返り、伸身トーマス、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り1回半ひねり、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返りひねり、後方宙返り3回ひねり(着地大きく一歩)。雄大な演技だが、着地の減点があった。
SCHMIDT:かかえ込みルドルフ、前方宙返り1回ひねり~前方宙返り2回半ひねり、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回半ひねり、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り2回ひねり、十字倒立、トーマス、後方宙返り3回ひねり。丁寧で良い演技。
van GELDER:キケン
ベスト4をそろえることができないスタート種目となった。
<第2ローテ>
アメリカ・跳馬
LEYVA:アカピアン。右に一歩弾む。
BROOKS:ローチェ。足割れあり。着地は前に一歩弾む。
ROUGGERI:1)ロンダード~後ろとびひねり前転とび前方2回ひねり。着地を見事に止める。2)シューフェルト。前に大きく一歩。雄大な演技。
NADDOUR:ルユーフー。着地低く膝がつくギリギリで前に大きく一歩動く。
WHITTENBURG:1)ドラグレスク。着地を開いて止めに来ていたが着地姿勢はやや低くなった。足割れもあり。2)リセガン。左に2歩動きラインオーバー。
アメリカの跳馬は価値点も高く、雄大な跳躍が多かったものの、NADDOURのミスもあり、得点を伸ばし切れなかった。
オランダあん馬
ZONDERLAND:両把手支持でセアー倒立から両足旋回、フクガ、ワンポメル旋回、Dコンバイン、2/3後ろ移動、前移動、シバド移動、Aシュテ倒立3部分移動1回ひねり下り。足のばらつきがあったが、落下せず演技を終える。
RIJKEN:バックセアー倒立、ワンポメル旋回、馬背旋回、1/2後ろ移動、1080°下向き転向、マジャール移動、シバド移動、Aシュテ倒立3部分移動下り。足のばらつきが目立つ。
DEURLOO:バックセアー倒立、馬背1080°下向き転向、2/3後ろ移動、トンフェイ、1080°下向き転向、ウゴニアン、マジャール移動、シバド移動、Aシュテ倒立3部分移動下り。リズムの良い演技。
SCHMIDT:リーニン、逆リアー倒立3部分移動1回ひねり開脚支持、2/3前移動、ウゴニアン、マジャール移動、シバド移動、Aシュテ倒立3部分移動下り。途中でつまるも、立て
ゆかに続き、この種目も4人のみ演技する戦略をとる。大過失なく、ベスト4をそろえる。現時点で14位。
<第3ローテ>
アメリカ・平行棒
RUGGERI:単棒逆上がり倒立、ピーターズ、ドミトリエンコ、ディアミドフ、ツイスト、ホンマ、屈身前宙腕支持、ピーターズ(やや回転不足気味)、後方屈身2回宙(後ろ一歩)。全体的に若干の姿勢欠点が見られた。
WINN:逆上がり倒立、棒下ひねり、タナカ、ドミトリエンコ、ヒーリー、ベーレ、車輪、モイ、ツイスト、後方屈身2回宙(着地ほぼ止める)
BROOKS:ホンマ(支持できず)、シャルロ(静止短い)、棒下ひねり~棒下、車輪ディアミドフ、車輪、車輪ライヘルト、屈身前宙腕支持、ティッペルト(乗りかける)、前方かかえ込み2回宙(尻もち)。最初でリズムを崩してしまったが、棒下系の捌きはかなりよかった。
WHITTENBURG:ホンマ、棒下ひねり(一歩動く)、シャルロ(バランスをかなり崩すが耐えた)、棒下、ドミトリエンコ、モイ、屈身前宙腕支持、ハラダ、車輪ライヘルト、前方かかえ込み2回宙ひねり。
LEYVA:逆上がり倒立、テンハイビン、シャルロ(静止短い)、棒下1回ひねり、車輪ディアミドフひねり、車輪ディアミドフ、車輪、ハラダ、ツイスト、前方かかえ込み2回宙(ほぼ着地止める)。
ミスが二人に出てしまったものの、何とか高得点を維持して、このローテを終えた順位としては全体の2位。
オランダつり輪
SCHMIDT:振り上がり上水平、ホンマ十字懸垂、振り上がり開脚上水平、ヤマワキ、屈身ヤマワキ、振り上がり開脚前挙、シンピ倒立、後方車輪倒立、前方車輪倒立、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。着地わずかに一歩。
RIJKEN:振り上がり開脚上水平、ヤマワキ、屈身ヤマワキ、振り上がり脚前挙、シンピ倒立、後方車輪倒立、前方車輪倒立、前方車輪、前方屈身2回宙返り下り。着地で跳ねる。
WAMMES:け上がり十字懸垂、振り上がり開脚上水平、ほん転倒立、伸身グチョギー、ヤマワキ、屈身ヤマワキ、ホンマ、十字懸垂、振り上がり倒立、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。
DEURLOO:け上がり、中水平、振り上がり上水平、ほん転倒立、屈身ヤマワキ、振り上がり倒立、ヤマワキ、振り上がり開脚上水平、シンピ倒立、後方車輪、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。実施減点の少ない印象。
van GELDER:後転上水平、振り上がり中水平、引き上げ十字倒立、ヤマワキ、屈身ヤマワキ、振り上がり上水平、後転中水平、ナカヤマ、振り上がり倒立、後方車輪、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り(腰曲がりがあり、着地一歩)。姿勢欠点の少ない、非常に力強い演技。
この種目でさらに得点を重ね、後半種目へ。
<第4ローテ>
アメリカ・鉄棒
WYNN:ヤマワキ、アドラーひねり、ホップターン、アドラー1回ひねり、ホップターンから直接ツォウリミン、ツォウリミン、伸身月面(体を完全に開いた余裕のある着地)
RUGGERI:ツォウリミン、カッシーナ(落下)、アドラーひねり~伸身トカチェフ~モズニック、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、ホップターン(回りきらず腕と膝を曲げる)、シュタルダー、伸身新月面(右に大きく一歩)
WHITTENBURG:カッシーナ、ホップターン、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、ヤマワキひねり、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、エンドー1回ひねり片大逆手、アドラーひねり(かなり低い)、シュタルダー、伸身新月面(後ろに一歩)
BROOKS:ツォウリミン~ヤマワキひねり、アドラー1回ひねり~ヤマワキ~モズニック、あどらーひねり(低い)~伸身モズニック、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、シュタルダー、伸身新月面(着地止める)
LEYVA:アドラー1回ひねり~ヤマワキ、伸身コールマン、コールマン、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、アドラーひねり~伸身トカチェフ~リバルコ、エンドー1回ひねり大逆手、伸身新月面(ほぼ止める)。雄大性では1、2位を争う演技。得点も内村を抜いて種目別予選トップに。
後半の二人で取り返したものの、三人の点数がかなり低く、チーム得点は落とした。
オランダ跳馬
DEURLOO:ドリッグス、着地で前に小さく一歩。
RIJKEN:アカピアン、空中で膝が曲がる。
WAMMES:ユルチェンコ2回半ひねり、着地で小さく動く。雄大な実施。
SCHMIDT:ドリッグス、着地で大きく前へ2歩動く。
ゆか、あん馬に続き4人で演技を終える。4種目目を終え、11位。
<第5ローテ>
アメリカ・ゆか
NADDOUR:前方2回半ひねり、前方2回ひねり~前方1回半ひねり、後方2回半ひねり~前方1回ひねり(ラインオーバー)、フェドルチェンコ~シュピンデル~エア、十字倒立、トーマス転、かかえ込み月面。
BROOKS:前方屈身2回宙、後方2回半ひねり~前宙ひねり、フェドルチェンコ、十字倒立、トーマス転、後方1回半~前方1回ひねり、前方2回ひねり。
RUGGERI:タマヨ(着地止める)、屈身アラビアン2回宙、伸身トーマス転、十字倒立、倒立回転から脚前挙経過後の伸肘倒立、後方2回半ひねり~前方1回ひねり、後方1回半ひねり~前方2回ひねり、かかえ込み月面(後ろに一歩)
LEYVA:伸身新月面、前方1回ひねり~前方3回ひねり(ラインオーバー)、かかえ込み2回宙、マンナ~伸肘倒立、トーマス転、テンポ~後方2回半ひねり~前宙ひねり、かかえ込み新月面(後ろ一歩)。非常に姿勢の美しい演技だがラインオーバーが痛かった。
WHITTENBURG:後方1回半~前方かかえ込み2回宙、伸身新月面(後ろ一歩)、伸身前宙~かかえ込み屈身前方2回宙、十字倒立、後方2回半ひねり~前方1回ひねり(後ろに手を着く)、伸身トーマス転、屈身アラビアン2回宙ひねり。いい演技だっただけに途中で手を着いたのが悔やまれる。
アメリカはこれでイギリスとの3位争いで0.475差に詰められてしまった。最終演技のあん馬で何とか乗り切りたい。
オランダ平行棒
WAMMES:棒下宙返り倒立、ツイスト、ピータース、単棒横向き開脚前挙経過倒立、ケンモツ、モイ、シンピ、チッペルト、後方屈身2回宙返り下り。
DEURLOO:け上がりカット、棒下宙返り倒立、ディアミドフ3/4+1/4、ドミトリエンコ、支持カット、ディアミドフ、ピータース、後方屈身2回宙返り下り。姿勢減点の少ない演技。
SCHMIDT:腕支持カット、棒下宙返り倒立(一歩前へ手を動かす)、ケンモツ、モイ、チッペルト、ディアミドフ、ツイスト、前方かかえ込み2回宙返りひねり下り。途中ミスがあったが、最後は着地を決める。
RIJKEN:棒下宙返りひねり倒立、シャルロ、棒下宙返り倒立、車輪ディアミドフ、ケンモツ、ディアミドフで落下、モイ、チッペルト、後方屈身2回宙返り下り。
ZONDERLAND:棒下宙返り倒立、チッペルト、シャルロ、ディアミドフ3/4+1/4、マクーツ腕支持、ヒーリー、前方開脚5/4宙返り支持、シンピ倒立、後方屈身2回宙返り下り。予定していた演技はできなかったが、ミスなくリズムの良い演技を行う。
この種目もしっかりベスト4をそろえる。最終種目は鉄棒だ。
<第6ローテ>
アメリカ・あん馬
RUGGERI:交差ひねり、ロス(バランス崩して器具に乗る)、下向き転向1080度下り
BROOKS:Dコンバイン、トンフェイ、ロス、シバド、前移動3/3(落下)、シュテクリA倒立3/3移動下り
LEYVA:逆交差倒立、正交差倒立、Eコンバイン、ウゴーニャン、マジャール、シバド、トンフェイ、下向き転向720度、シュテクリA倒立3/3移動下り。さすがの演技を見せた。
WHITTENBURG:正交差倒立、逆交差倒立、Eフロップ、Dコンバイン、ウゴーニャン、マジャール~シバド、シュテクリA倒立下り(力で上げてかなり耐えたが移動はできず)
NADDOUR:正交差倒立、逆交差倒立、Eフロップ、Eコンバイン、マジャールシュピンデル、ウゴーニャン、モギルニ、マジャール、シバド、シュテクリA倒立3/3移動下り。かなりいい演技であった。
アメリカは最初にミスが出たほか、元々Dスコアも高くなく、得点が伸び悩み、最終的にこの班を終えて5位となった。全体的に見てもミスがかなり出てしまったのが大きい。決勝では得意種目においてはノーミスの演技をしないとメダル争いは厳しい。
オランダ鉄棒
SCHMIDT:コスミック、エンドー1回ひねり、1回ひねり大逆手、大逆手エンドー、エンドー、シュタルダー、後方伸身2回宙返り2回ひねり下りで前方へ転倒。
RIJKEN:エンドー1回ひねり大逆手、トカチェフ、開脚モズニク、エンドー、アドラー倒立、大逆手車輪、シュタルダー、とび1回ひねり、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。
WAMMES:コスミック、シュタルダー1回半ひねり、アドラー1回ひねり、とび1回半ひねり、エンドー1回ひねり大逆手、1回ひねり大逆手、大逆手車輪、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。
DEURLOO:エンドー、アドラーひねり、カッシーナ、コバチ、コールマン、アドラー1回ひねりで肘を曲げる、コスミック、シュタルダー、とび1回ひねり、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。途中で肘を曲げる減点が響く。
ZONDERLAND:エンドー1回ひねり大逆手、カッシーナ~コバチ、コールマン、シュタルダー1回半ひねり大逆手、アドラー1回ひねり、アドラーひねり、シュタルダー、とび1回ひねりで手を外す、後方伸身2回宙返り2回ひねり下りで膝を深く曲げる。
ロンドンオリンピック鉄棒金メダリストのZONDERLAND選手にミスが出たこともあり、鉄棒のチーム得点は思うように伸びない。最終種目が終わりオランダの順位は11位となる。この結果、最終班の結果を待たずにオリンピック最終予選の出場権獲得が決まる。
le Thnh(VIE)平行棒、ホンマ、ヒーリー、棒下ひねり、棒下、車輪デルチェフ?、ベーレ、バブザー、チッペルト、後方屈身2回宙着地とぶ。
PHAM(VIE)平行棒、棒下、シャルロ、タナカ?、棒下ひねり、チッペルト、バブザーバランス崩しかける、モイ、ヒーリー、後方屈身2回宙着地動く。
団体順位は、決勝進出ラインと、テストイベント進出ラインがし烈になってきた。最後のルーマニアとイタリアがどこに食い込んでくるかが楽しみである。
団体順位
1位 日本 358.884
2位 中国 357.027
3位 イギリス 354.417
4位 ロシア 352.692
5位 アメリカ 350.332
6位 スイス 350.127
7位 ブラジル 349.057
8位 韓国 346.166
9位 ドイツ 345.717
10位 フランス 344.859