第31回オリンピック競技大会・女子団体予選第2班

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第1ローテーション
ロシアは平均台からスタート。MELNIKOVAは途中でバランスを崩して台を手で支えてしまうミス。TUTKHALIANは交差とびでバランスを崩してしまったが、ロンダード~後方伸身1回ひねりをしっかりと決めた。その後のMUSTAFINAは交差とび半ひねり~オノディと珍しい組み合わせを見せたものの、前方開脚伸身宙の後、台に手を着いてそのまま落下。SPIRDONOVAはコチェトコワでバランスを崩したほか、交差輪とびも反りの不足があった印象。
イタリアはFERRARI、RIZZELLI、FERLITOがユルチェンコ2回ひねりを見せたが、実施膝の曲がりや足の開き安どの実施減点が目立った。
個人枠とあったルーマニアのPONORは得意のゆかからスタート。後方伸身2回宙から始まり、アクロバット系の着地はかなり安定していた。スイスのSTEINGRUBERは同じくゆかでかかえ込み新月面、伸身月面といった高難度のアクロバット系も見事に決めた。
このローテーションで、ロシアは平均台で41.998に留まり、イタリアが43.366でロシアを上回った。
第2ローテーション
ロシアはゆか。TUTKHALIANは後方伸身2回宙、テンポ連続から後方屈身2回宙も決めてまずまずの演技。MELNIKOVAはカリンカの曲で観客を盛り上げたが、最後の屈身ダブルで痛恨の手つきをしてしまった。MUSTAFINAは浮足保持3回ターンを決め、さらにメメル+2回ターン、そして4回ターンまで見事に決めた。SPIRDONOVAは最初の後方2回半ひねり~かかえ込み前宙でしりもちしてラインオーバーもあった。ロシアはこれで大過失を2つ出してしまった形となった。
イタリアはRIZZELLIは屈身フットトカチェフを決め、FERRARIは大逆手車輪1回ひねり~屈身イエーガーの連続をきれいに決めた。FERLITOはチャウ~振りだし1/2ひねり低棒倒立~シュタルダー1回ひねりを決めて、FASANAもノーミスの演技でまとめてきた。
STEINGRUBERは跳馬でチュソビチナを見事に決めて、着地も僅かな動きに留めた。2本目もユルチェンコ2かひねりとして、かなりきれいにまとめた。
イタリアはFARRARI以外の3名が14点台として得点をまとめてきたが、ロシアは14点台が一つだけとなり、得点を落とした。イタリアは合計85.632として第2ローテーション終了時点でトップに、一方、ロシアは83.139で4位となった。
第3ローテーション
ロシアは跳馬に入り、ユルチェンコ2回ひねりを3人が実施、そして、MELNIKOVA、MUSTAFINAが着地を止めた。TUTKHALANは2本目に伸身ホルキナを決めた。最後のSPIRDONOVAはチェンフェイに挑み、着地で右に大きく動いてラインも超えたが何とか立った。2本目はアマナールを決めて、種目別予選でも上位につける可能性大。ロシアは跳馬でようやく息を吹き返した。
イタリアは平均台で最初のFASANAが後方開脚伸身宙で落下。FERRARIも後転とび連続~後方かかえ込み1回ひねりで落下。交差とび半ひねりでも実施が不十分であった。この後、採点にかなり時間がかかり、その後のFERLITOは後転とび連続~後方屈身宙のところで落下。それでも13点台をキープ。MENEGHINIはロンダード~後方伸身宙もしっかりと決めて、ほかの要素でも多少のふらつきがあったものの、最後の後方屈身2回宙の着地までまとめた。イタリアは3名落下があったが、何とか13点平均は保った。
STEINGRUBERは段違い平行棒でマロニー半ひねりや前方かかえ込み2回宙下りなどをしっかりと決めて個人総合得点もトップに立った。ゆかの演技の途中でコロンビアのESCOBARが後方伸身2回宙の着地の後、足を痛めて演技を中断。抱えられてポディウムを降りた。観客が「コロンビア、コロンビア!」という大歓声で選手を励ましていたのが印象的であった。
最終ローテーションを残し、ロシアが127.971、イタリアが125.964となり、ロシアが逆転。イタリアはベルギーとの差が0.159となった。
第4ローテーション
ロシアは段違い平行棒。MELNIKOVAがシャポシュニコワ~パク宙~マロニーひねりと決め、SPIRDONOVAはマロニー~パク~マロニー半ひねりと綺麗に決めた。MUSTAFINAは屈身イエーガーがややタイミングがずれたものの、最後のフット1回ひねり~かかえ込み後方2回宙1回半ひねりの着地を見事に決め15.833をマーク。最後のTUTKHALIANはバハドワージュでやや詰まってしまったが、手放し技の多い構成でいい演技を見せた。これでロシアは全員が15点台として一気に中国に迫る得点とした。
イタリアはゆか。MENEGHINIは高さのあるタンブリングを続け、後方伸身2回宙、後方屈身2回宙の着地を止めた。音楽も軽快なリズムで観客が大いに盛り上がった。二人目のFERRARIはトゥーランドットの荘厳な音楽の中で新月面(シリバス)、伸身ダブルなど次々と着地を止めて素晴らしい実施を見せ14.866の高得点をマーク。FASANAはシリバス、後方伸身2回宙と決め、最後のFERLITOはタンブリングの難度こそ劣るものの、浮き足保持3回ターン、カデット1回ひねりといった高難度のダンス系の技も決めた。
平均台のPONORはオノディ~前方開脚伸身宙~後転とび~テンポ宙までのシリーズをしっかりと決めて14.900の高得点をマーク。種目別決勝進出に望みを繋いだ。STEINGRUBERは交差とび半ひねりで落下。最後の最後で大過失を出してしまった。
この結果、ロシアが174.620、イタリアが169.396とし、団体順位はそれぞれ2位、3位となった。イタリアは平均台の得点が伸びなかったものの平均得点が14.100を超え、この得点を上回るには得意種目でしっかりと稼ぐほか、その他の種目でも安定した演技が求められることになった。
個人総合予選ではTUTKHALIANが最後に逆転でトップに立ち、2位には同じくロシアのMUSTAFINAが続いている。
~団体予選途中経過~
1位 中国
2位 ロシア
3位 イタリア
4位 ベルギー