第31回オリンピック競技大会・男子団体決勝

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第1ローテーション(日本:あん馬)
中国はゆか、LINがトーマス転でラインオーバーありで14.833。DENGは前方1回半ひねりで手を着き、かかえ込み新月面も低い着地になるなど、実施がかなり不安定で13.833。ZHANGは伸肘倒立でやや戻りかけたがうまく調整。最後の後方3回ひねりは着地を止めた。チーム得点43.799
ロシアはあん馬、STRETOVICH、KUKSENKOV、BELYAVSKIYはノーミスで演技終了。KUKSENKOVは、BELYAVSKIYは15.500と高得点をマークし、チーム得点45.299
アメリカはゆか、NADDOURが最後のタンブリングでミス、MIKULAKは2回ラインオーバー。DALTONはタマヨなど予選と同様にいい演技を行った。チーム得点43.757
内村 ブラジル選手の演技開始よりもかなり先に演技を開始し、まだ声援が起こる前に演技を行った。逆交差倒立でやや不足気味であったが全体的に丁寧な捌きで15.100。
山室 マジャール移動で手が滑ったような感じで落下。それ以外はしっかりと通し切った。13.900
加藤 マジャールシュピンデル、シュピンデル横移動など、バランスを崩しかけた印象もあったが何とか過失を出さず耐え切った。14.933
日本のチーム得点は43.933。山室の落下を最小限に留めた得点。
第2ローテーション(日本:つり輪)
田中 ホンマ脚上挙は僅かに落ちてしまったがその他の捌きは予選よりもよかった。14.933
内村 中水平の捌きはいつも以上にしっかりとアピールしていた印象。振動倒立系の収めもよなった。14.800
山室 振り上がり上水平は予選よりも足先が下がってしまい、後ろ回り中水平、ホンマ中水平もいつもよりも低い位置となってしまった。14.866
チーム得点44.599
アメリカはあん馬、LEYVAは終末技でひねりが行えず14.333。MIKULAKはノーミス14.733。NADDOURは終末技でシュテクリA倒立のところでバランスを崩すミス。14.633。チーム得点43.699
中国はあん馬。YOUは逆交差倒立で前に2歩移動して完全に馬端に出たが落下せずにそのままポメルに戻した。14.400。DENGはやや堅かったが目立ったミスはなく演技終了。14.958。LINはウゴーニャンで足が割れ、正交差倒立もやや体が反ったが最後までまとめた。14.900。チーム得点45.432。
ロシアはつり輪。NAGORNYYは終末技の前の倒立で肘が緩む。14.866。ABLIAZINは着地を完璧に止める演技。15.700。KUKSENKOVは中水平で体が反る実施で14.866。チーム得点44.258。
第2ローテーション後順位
1位 ロシア
2位 ドイツ
3位 イギリス
4位 ブラジル
5位 日本
6位 中国
7位 アメリカ
8位 ウクライナ(SEMIANKIV演技せず)
第3ローテーション(日本:跳馬)
ロシアは跳馬。NAGORNYYはドラグレスクで後ろに僅かに両足で一歩。BELYAVSKIYはルユーフーで後ろに一歩。15.033。ABLIAZINはリセガンでほぼ着地を止める。15.600。チーム得点46.033。
中国はつり輪。LIUは一か所倒立で肘が緩んだ印象だが伸身新月面で着地を止めて15.833。DENGは振り上がり中水平、振り上がり倒立ではまり切らなかったが伸身新月面の着地を止めて14.600。YOUはリニンで肩の位置がいつもより高く、最後の伸身新月面は前に大きく動きマットからも出る。14.800。チーム得点45.233
アメリカはつり輪。BROOKSは14.666、DALTONは着地を止めて14.833。NADDOURはホンマ中水平で足先が下がってしまった。ほん転倒立もバランスを崩しかける。伸身月面は僅かに動いたのみ。14.966。チーム得点44.465
加藤 ロペス。後ろに一歩だが、高さは予選よりもかなりよかった。15.000
内村 リシャオペン。後ろに両足一歩。余裕のある実施。15.566
白井 シライ/キムヒフンの着地を見事に止めた。15.633
チーム得点46.199(ロシアよりも上回る!)
終了時点順位
1位 ロシア
2位 日本
3位 イギリス
4位 ブラジル
5位 ドイツ
6位 中国
7位 アメリカ
8位 ウクライナ
第4ローテーション(日本:平行棒)
田中 ヤマムロも成功し、マクーツも慎重に行って、最後の屈身2回宙も着地まで止めた。15.900
加藤 非常に丁寧に各要素を捌き、最後の屈身2回宙も着地を見事に止めた。いい流れを作っている!15.500
内村 棒下ひねりで倒立位から外れてしまったが、慌てずその後はしっかり立て直した。最後は屈身2回宙で着地が前に両足で一歩。15.366
チーム得点46.766
アメリカは跳馬。MIKULAKはロペスの着地を止める。DALTONもロペスもの着地を止める。NADDOURはルユーフーで着地が大きく前一歩。15.033。チーム得点45.865。
ロシアは平行棒。STRETOVICHは大きなミスなく、前方2回宙ひねりの着地もまずまず。15.100。KUKSENKOVはピーターズで左にバランスを崩しかけ、懸垂に繋げることができず。15.133。BELYAVSKIYは膝の緩みと、ツイスト倒立での僅かな足の割れが気になった。前方かかえ込み2回宙ひねりの着地は僅かに後ろに一歩。15.800
中国は跳馬。LINはロペスで前に大きく一歩。14.400。DENGはロペスで着地が低く、後ろに一歩。15.200。ZHANGはロペスで後ろ一歩。15.400。チーム得点45.000。
第4ローテーション終了時点順位
1位 RUS 182.797
2位 JPN 181.497
3位 GBR 179.03
4位 BRA 178.562
5位 CHN 178.29
6位 USA 177.786
位 GER 177.195
8位 UKR 129.147
第5ローテーション(日本:鉄棒)
ロシアは鉄棒。STRETOVICHはコールマンもしっかりと決め、最後の伸身月面も着地を止めた。14.766。KUKSENKOVもコールマン、トカチェフひねりと決め、同じく伸身月面も着地を止めた。BELYAVSKIYは伸身トカチェフ、ロシア車輪と決めて14.958。チーム得点43.890。
中国は平行棒。YOUがタナカの後の捌きで詰まった印象。棒下もややはまり切らず。前方かかえ込み2回宙ひねりの着地は低くなったが何とか耐えた。16.166。LINは終始美しい捌きで減点を見せない演技。最後の屈身2回宙で着地は後ろに僅かに一歩。15.900。DENGはタナカの後の倒立で力で上げてしまったが、その他は流れよく決めた屈身2回宙で着地後ろ一歩。15.800。チーム得点は47.866と驚異の高得点となった。ロシアとの差を一気に縮めた。
アメリカは平行棒。MIKULAKは着地まで止める演技。15.700。BROOKSも前方かかえ込み2回宙で前に僅かに一歩動く。15.100。LEYVAもノーミスの演技。15.533
加藤 カッシーナ、コバチと決めて、さらにアドラー1回ひねりも予選のミスを克服。伸身新月面も着地を止めた。15.066。
内村 屈身コバチは予選と違って完全な位置で持てたが、アドラー1回ひねりで戻ってしまった。しかし目立った減点の印象はない。15.166
田中 カッシーナ、そしてアドラー系、大逆手系とうまくさばいて最後の伸身新月面も前に両足一歩に留めた。非常にいい演技を見せた!15.166
チーム得点 45.398
この得点でロシアを逆転!!
第5ローテーション終了時点
1位 日本 226.895
2位 ロシア 226.687
3位 中国 226.156
4位 イギリス 224.129
5位 アメリカ 224.119
6位 ブラジル 220.295
7位 ドイツ 218.143
8位 ウクライナ 172.779
第6ローテーション(ゆか)
白井 リジョンソンもしっかりと着地をまとめて、最後まで落ち着いた演技。シライ2で着地が後ろに動いた以外はこれまでのいい時の演技と変わらない印象。16.133
加藤 各着地で僅かに動く程度に留め、かなりいい演技を見せた。15.466
内村 テレビの影響で待たされたが、各タンブリングで集中してしっかりと合わせてきた。最後の後方3回ひねりは僅かに動いたが全体的にかなり安定した演技。15.600
チーム得点 47.199
アメリカは鉄棒。MIKULAKは15.000。BROOKSはトカチェフひねり、伸身トカチェフと決めて、15.108。LEYVAは伸身コバチは決めたが伸身トカチェフで落下。14.333。チーム得点44.441
中国は鉄棒。DENGはモズニクは決めたが、アドラー1回ひねりで倒立位から少しはずれる。最後の着地はほぼ止めた。14.400。LINはシュタルダー1回ひねり大逆手で倒立からかなり低くなていた。15.000。ZHANGは着地の一歩以外はカッシーナなどきれいに決めた。15.566
チーム得点44.966
ロシアはゆか。NAGORNYYは各着地をまとめて15.000。ABLIAZINは伸身新月面と屈身アラビアン2回宙でラインオーバー。BELYAVSKIYは屈身アラビアン2回宙でラインオーバー。
チーム得点44.766
最後に中国とロシアがミスで点数を伸ばせない中、日本は得意のゆかで高得点を連発。この結果日本はアテネ五輪以来となる12年ぶりの金メダルを獲得した。おめでとう、体操ニッポン!!
今日の試合では、第5ローテーションの段階で、アテネ五輪並みに上位3カ国で大混戦の様相を示していたが、最後に得意のゆかを残していた日本は有利な位置にいた。また、ローテーションの前半で演技をするということもあり、他国に大きなプレッシャーを与えることが出来るかどうかが鍵となったが、トップバッターの白井が16点台の圧倒的な得点でその役割を果たした後、続いて加藤が相変わらずの安定感で高得点を続け、最後には絶対の信頼感のある内村がやはり素晴らしい演技で締めくくってくれた。
今回、日本は予選の結果を受けて、選手の最高のパフォーマンスができるように綿密に作戦を練り、その結果、山室のあん馬の落下こそあったものの、各選手が最高の演技を見せてくれた。アテネ以降、狙っていてもなかなか取れなかった団体金メダル。グラスゴーで世界選手権での金メダルという目標が達成できた後、経験を積み重ねた選手、コーチたちの力の結集で今回の金メダル獲得となったと言えよう。素晴らしいチームワークを発揮してくれた日本チームに敬意を表して団体金メダルを祝したい。
最終順位
1位 JPN 274.094
2位 RUS 271.453
3位 CHN 271.122
4位 GBR 269.752
5位 USA 268.56
6位 BRA 263.728
7位 GER 261.275
8位 UKR 202.078