第48回世界体操競技選手権大会・男子団体決勝レポート

報告者:日本体操協会 遠藤幸一/藤井俊明

第1ローテーション

■ゆか

LANKIN Dmitrii RUS
後方3回宙の着地は予選よりいいが、後方3回半ひねり~前方1回ひねりでラインオーバーあり、伸身前宙~前方1回半ひねりで着地が弾かれる。2カ所のミスで13.933

XIAO Ruoteng CHN
3本目の後方伸身2回宙で着地が大きく一歩動き、前方2回半ひねりでまさかのしりもち。着地が安定せずまさかの大過失。12.666

NAGORNYY Nikita RUS
最初の後方3回宙は勢い余ってラインオーバーしたが、その後の前方2回ひねり~前方かかえ込み2回宙、そして、最後の後方3回ひねりと着地を止めた。14.600

LIN Chaopan CHN
かかえ込みルドルフで左にかなりのずれて、後ろに両足で一歩動いた際にラインオーバー。最後の後方3回ひねりも着地姿勢がかなり低くなったが着地は止めた。他の実施は丁寧に捌いてまずまずであった。13.966

DALALOYAN Artur RUS
最初の前方1回ひねり~前方2回半ひねりは着地をぴたりと止めたものの、かかえ込みルドルフで後ろに2歩動き、最後の後方3回ひねりは前に大きく一歩動いた。ここまでゆかは何かしらのミスが出ている。14.666

DENG Shudi CHN
前方屈身2回宙、前方2回ひねりは大きく前に一歩動いてしまったが、前方2回半ひねり~前方1回半ひねりは着地を止めた。最後の後方3回ひねりも僅かに動いた程度。ようやくまともに通した演技を見た印象。14.166

ロシア 43.199
中国 40.798

■あん馬

内村、非常に集中した顔つき、逆交差倒立、Eフロップ、Dコンバイン、トンフェイ、ロス、ウゴニアン、マジャール、シバド、転向倒立3部分移動下り!ゆかでミスを出すロシア、中国をしり目に素晴らしい最初の演技!

MOLDAUER、セアひねり、シュピンデル、開脚旋回横移動~前移動~後ろ移動、Dフロップ、Dコンバイン少しバランス崩す、転向倒立3部分移動下り、演技まとめる。

萱、交差倒立(ビシッと決める)、伏臥、Eフロップ、Dコンバイン、ウゴニアン、ロス、トンフェイ、マジャール、シバド、転向倒立3部分移動下り!ガッツポーズ!

YODER、セアひねり、メリ、逆メリ、Eフロップ、Eコンバインバランス崩しかける、ロス、シュピンデル、前移動、シバド、転向倒立3部分移動下り予選の失敗を払拭。

谷川航、アップで交差倒立で前に1歩手を動かしてハラハラしたが、2度の交差倒立を危なげなくさばく、Eフロップ、Dコンバイン少し乱れ、ロス、ポメル旋回、前移動少し乱れあり、シバド、Bシュテクリ、転向倒立3部分移動1回ひねり下り!

MIKULAK、ミクラック、ブスナリで落下! やり直しブスナリ、シュピンデル、トンフェイ、ロシアン1080、前移動、シバド、転向倒立3部分移動1回ひねり下り、予選でパーフェクトな演技を見せたが決勝で落下し、アメリカ最高のスタートを切れず。

日本41.733
アメリカ40.632

第2ローテーション

■あん馬

SUN Wei CHN
Dコンバインの後、ウゴーニャンに行く寸前のところで落下。中国はゆかに続いてトップバッターで大過失を出してしまった。13.066
NAGORNYY Nikita RUS
逆交差倒立で角度が不足、メリーゴーランド以降はうまく回したが、ウゴーニャンでバランスを崩して大きく足が乱れた。それ以外はまずまず。13.133

ZOU Jingyuan CHN
マジャールシュピンデル、フェドルチェンコの流れは非常にスピーディーであり、素晴らしい実施であった。Dコンバインで少し後ろにバランスを崩した。最後はAシュテ倒立3/3移動下り。14.666

KUKSENKOV Nikolai RUS
ブスナリまでの流れはよかったが、その後トンフェイから少しバランスを崩し、マジャール~シバドはかなり苦しい状態、最後はAシュテ倒立までは上げたがひねりができずにそのまま着地。13.266

XIAO Ruoteng CHN
マジャールシュピンデル、トンフェイときれいな実施を見せ、交差倒立も二つうまく上げた。Dコンバインで僅かに膝が緩んだように見えたが、その後は素晴らしい実施でまとめた。14.166

BELYAVSKIY David RUS
メリーゴーランド、Eコンバイン、ウゴーニャンと高難度の技を前半にしっかりと決めて波に乗った。その後はマジャール、シバドの後にAシュテ倒立3/3移動下りをスムーズに決めた。14.066

ロシア 40.465
中国 41.898

■つり輪

MODI、け上がり中水平、ヤマワキ連続、ホンマ十字、け上がり脚前挙、伸身ホンマ振り上げ倒立、ほん転倒立、新月面着地動く。

萱、逆上がり中水平上体が少し高い、振り上がり中水平、アザリアン、ヤマワキ連続、ホンマ十字、振り上がり開脚上水平、ほん転倒立、振り上がり倒立少し決めきれず、伸身新月面着地ほぼ止める。

MOLDAUER、け上がり中水平、振り上がり中水平、アザリアン、懸垂して右手の輪の握りを握りなおす、ヤマワキ連続、ホンマ十字少し肩の高さが低くなる、振り上がり開脚上水平、ほん転倒立、新月面着地止める。

谷川航、逆上がり中水平、振り上がり中水平、アザリアン、振り上がり倒立、ヤマワキ連続、ホンマ十字、振り上がり開脚上水平少しゆがむ、ほん転倒立、新月面着地止める。

MIKULAK、振り上がり中水平、ナカヤマ、振り上がり上水平、振り上がり十字、屈身ヤマワキ、振り上がり倒立、ほん転倒立、新月面着地止める!あん馬のミスを挽回

内村、振り上がり中水平、け上がり中水平、アザリアン、振り上がり倒立ピタリ、ヤマワキ連続、ホンマ十字、ほん転倒立、新月面着地止める!

日本42.549
アメリカ41.465

第3ローテーション

■つり輪

LANKIN Dmitrii RUS
後転中水平、後方け上がり中水平、屈身ヤマワキ~かかえ込みヤマワキ~ホンマなど、しっかりと決めて、最後はかかえ込みルドルフで前にわずかに一歩。14.600

DENG Shudi CHN
振り上がり上水平で足の位置が下がりかけ、屈身ヤマワキ~かかえ込みヤマワキの後の振り上がり倒立でも少し肘が緩んだ。オニール~リニンは今大会でもなかなかない構成。最後は伸身2回宙ルドルフの着地を止めた。14.466

NAGORNYY Nikita RUS
後転中水平、後方け上がり中水平~ナカヤマとしっかりと見せたが、振り上がり開脚上水平で少し足先が落ちかけるのを耐える。最後はかかえ込みルドルフの着地をしっかりと止めた。14.558

SUN Wei CHN
屈身ヤマワキ~ホンマ十字は少し肩の位置が高いか。脚前挙からの伸肘倒立も少し肘が緩みかけに見えた。他は振り上がり上水平~中水平といったところもしっかりと決めた。14.341

DALALOYAN Artur RUS
振り上がり開脚上水平で足先が一度落ちてしまった。また、ほん転倒立でも少しバランスを崩しかけた。最初の後転中水平、後方け上がり中水平~ナカヤマの実施はよかった。最後は伸身月面の着地を止めた。14.533

XIAO Ruoteng CHN
振り上がり上水平、中水平ときれいに決めたが、屈身ヤマワキ~振り上がり十字懸垂で肩の位置がかなり高かった。ほん転倒立もしっかりとはまらず。最後はかかえ込みルドルフで後ろに一歩。14.066

ロシア 43.691
中国 42.873

■跳馬

白井、シライ着地前に少しとぶ

MOLDAUER、ずいぶんと演技開始が待たされたが、ドリッグスの着地を止める

萱、ドリッグス着地数回小さくとぶ

van WICKLEN、ドラグレスク着地大きく1歩

谷川航、跳躍番号が変わらず演技開始が待たされたが、ブラニク着地大きく前にとぶ。

MIKULAK、ドリッグス着地1歩前

日本44.132 アメリカ43.732

第4ローテーション

■跳馬

LIN Chaopan CHN
ロペス。高さはあったが着地で前に一歩大きく出る。14.566

NAGORNYY Nikita RUS
ドラグレスク。足割れは大きいが着地は見事に止めた。15.033

SUN Wei CHN
ロペス。飛距離がかなり出て、後ろに一歩小さく動いた。14.900

DALALOYAN Artur RUS
シライ/キムヒフン。僅かにひねり不足気味だが着地は見事に止めた。15.066

XIAO Ruoteng CHN
ロペス。着地は僅かに前に動いたが、高さも姿勢もまずまず。14.966

LANKIN Dmitrii RUS
ドリッグス。前に一歩動く。高さ、距離共にまずまず。14.466

ロシア 44.565
中国 44.432

■平行棒

MODI、ホンマ、棒下、棒下ひねりで倒立を外し崩れる、車輪、バブザー、チッペルト、ヒーリー足割れ、ディアミドフ、ツイスト、カトウヒロユキ着地止める

田中、ホンマ腰曲がり、ヤマムロの途中の横向き倒立で前に倒れ、懸垂しようとしたが上がれず落下、再び挑戦し、ひねり支持で肘を大きく曲げて大きく崩れる、その後立て直し、マクーツ、ヒーリー、ツイスト、ディアミドフひねり横向き、中抜き上がり、ピータース、開脚横向き上がり、後方屈身2回宙着地1歩。ここで大過失。

MOLDAUER、開脚前宙、棒下、棒下ひねり、ディアミドフ、車輪1回ひねり手をずらす、車輪、車輪ライヘルト、ハラダ、前方かかえ込み2回宙ひねり着地止める

内村、マクーツ、ヒーリー、棒下ひねり倒立!、棒下、屈身ベーレ、ハラダ、モリスエ、車輪ライヘルト、開脚前宙、後方屈身2回宙まとめる。

MIKULAK、ホンマ、ヒーリー腕支持になる、棒下ひねり、棒下、車輪ライヘルト、開脚前宙懸垂、バブザー、チッペルト、ツイスト、前方かかえ込み2回宙ひねり着地止める

谷川航、ホンマ腰まがり、ヒーリー、棒下ひねり、棒下、モイ、バブザー、チッペルト、ツイスト、開脚前宙、前方かかえ込み2回宙ひねり着地止める

日本40.632
アメリカ41.699

第5ローテーション

■平行棒

NAGORNYY Nikita RUS
シャルロ~単棒ヒーリーは少し足が割れた。その後の流れはまずまず。ディアミドフ~ディアミドフひねりも決めたが、前方かかえ込み2回宙ひねりで着地が大きく前に一歩出た。14.766

DENG Shudi CHN
タナカはしっかりと決めたが、棒下宙ひねりは僅かに動いた。ティッペルトは低く足がバーに乗りかけた。最後の後方屈身2回宙は着地をほぼ止めた。14.800

BELYAVSKIY David RUS
アーム系の捌きは素晴らしく、バブザーは予選よりも出来が良かったものの、ツイスト倒立で角度が不足気味。しかし、最後の前方かかえ込み2回宙ひねりは着地を見事に止めた。14.700

LIN Chaopan CHN
ドミトリエンコを決めた後、棒下宙ひねりの捌きは素晴らしかった。開脚前宙腕支持、バブザーの捌きも流石であった。最後は後方屈身2回宙で着地を止めかけるが僅かに動く。15.133

DALALOYAN Artur RUS
横向き逆上がり倒立移行で落下。リチャード~アームツイストはしっかりと決めた。ティッペルト、バブザーも迫力十分の捌きだっただけに最初の落下が非常にもったいない演技。13.800

ZOU Jingyuan CHN
リチャードの捌き、更に棒下宙系の捌きは他を寄せ付けないものであり、開脚前宙懸垂、バブザーの迫力も文句なし。最後の前方かかえ込み2回宙ひねりで僅かに前にかかって後ろに一歩となったが16.200と脅威の得点をマーク。中国がこの得点でトップに立った。

ロシア 43.266
中国 46.133

■鉄棒

白井、ヤマワキ、エンドーひねり、屈身コバチ、アドラー、ポゴレロフ、コバチ、シュタルダー、ホップターン、アドラーひねり、伸身新月面着地1歩。

van WICKLEN、ヤマワキ、エンドーひねり、伸身トカチェフ、トカチェフ~リンチ、ツォリミン、アドラーひねり、シュタルダー、伸身月面着地止めるが手を回す

田中、カッシーナ少し近づく、コバチ、コールマン、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、アドラー1回ひねり両逆手、エンドー、アドラーひねり、シュタルダー、ホップターン、伸身月面ほぼ着地止める

MODI、1回ひねり大逆手、アドラーひねり、トカチェフ、伸身トカチェフ、モズニク、リンチ、アドラー、エンドー、エンドー1回ひねり片大逆手、伸身月面着地止める

内村、屈身コバチ、カッシーナ、コールマン、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、アドラー1回ひねり片逆手~ヤマワキ、アドラーひねり、伸身新月面着地数回後ろに小さくとぶ。

MIKULAK、カッシーナ、コールマン、伸身トカチェフ、トカチェフ~リンチ、ツォリミン、アドラーひねり、ホップターン、シュタルダー、伸身新月面着地止める

日本42.599
アメリカ41.500

第6ローテーション

■鉄棒

SUN Wei CHN
伸身トカチェフ~モズニク、伸身モズニク、ヤマワキと非常に高さのある手放し技をきれいに決めた。伸身ルドルフの着地は後ろに一歩。14.200

BELYAVSKIY David RUS
アドラーひねり、アドラー1回ひねりと角度がいつもより甘く、順手背面から抜いて倒立に収めるところもやはり角度が不足。最後の伸身月面は僅かに後ろ一歩。13.700

LIN Chaopan CHN
カッシーナ、コールマンとしっかりと決めたが、伸身モズニクで懸垂後少しだけ乱れ、アドラー1回ひねりは前に戻ってしまった。最後は伸身ルドルフの着地を止めた。緊張感が隠せない演技だった。13.700

DALALOYAN Artur RUS
屈身コバチ、コバチ、伸身トカチェフ、伸身モズニクと高さのある実施。アドラーひねりで足が割れたのが気になるが、あとはしっかりとまとめ、伸身月面の着地もピタリと止めた。13.966

XIAO Ruoteng CHN
リューキンで落下!また、アドラー1回ひねりも前に戻りかけてしまうが何とか耐えてヤマワキに繋げた。最後は伸身ルドルフで後ろに一歩。優勝がかかっていた演技だけに非常に悔やまれる。12.600

NAGORNYY Nikita RUS
ヤマワキ、伸身トカチェフと決めた後、伸身モズニクの後の車輪で勢いが足らず肘を曲げてしまう。観客席からも悲鳴が聞こえるくらいであった。アドラー1回ひねり以降はしっかりと決めて、最後の伸身ルドルフの着地を止めた。金メダルに向けて非常に微妙な実施であったが、得点は13.733。0.049差で優勝ならず!中国優勝!

中国 40.500
ロシア 41.399

■ゆか

van WICKLEN、前方屈身2回宙ひねり着地動く、前宙2回ひねり~前宙1回ひねり、後方風2回半ひねり~前宙ひねり、後方宙2回ひねり、後方宙1回半ひねり~前宙1回ひねり、アラビア2回宙着地左に動く

萱、前方かかえ込み2回宙ひねり着地止める、前方屈身2回宙着地前にとぶ、前方宙2回ひねり~前宙1回ひねり、フェドルチェンコ、十字倒立、後方宙2回ひねり着地動く、後方宙2回半ひねり~前宙ひねり、後方宙3回ひねり着地動く

MOLDAUER、前宙2回半ひねり少し動く、アラビア2回宙ひねり着地止めるが足を開いている、前宙2回ひねり~前宙1回ひねり、シュピンデル倒立、ゴゴラーゼ、後方風2回半ひねり~前宙ひねり、後方宙2回ひねり、後方宙3回ひねり着地少しとぶ

谷川航、前宙2回ひねり~前宙ひねりライン減点、前方屈身2回宙ひねり、前方屈身2回宙着地が低くなり後ろに反り返り倒れこむ、マンナ、十字倒立、後方宙2回ひねり着地動く、後方宙2回半ひねり~前宙1回ひねり、後方宙3回ひねり着地動く

MIKULAK、後方宙2回半ひねり~前方かかえ込み2回宙わずかに着地動く、前宙2回ひねり~かかえ込み前宙1回ひねり、シュピンデル倒立、ゴゴラーゼ、後方宙1回半ひねり~前宙1回ひねり、後方宙2回ひねり、後方宙3回ひねり着地動く

白井、リジョンソン、かかえ込み前宙1回ひねり~シライ2、後方宙2回半ひねり~前宙2回半ひねり、シライグエン、前転して屈身回転倒立、後方宙3回半ひねり~前宙1回ひねり、後方宙3回ひねり着地動く。日本はこれで3位を死守し、地元東京五輪団体出場権を獲得した。

日本42.099
アメリカ42.966

~最終結果~
1位 中国 256.634
2位 ロシア 256.585
3位 日本 253.744
4位 アメリ 251.994
5位 イギリス 248.628
6位 スイス 244.294
7位 ブラジル 243.994
8位 オランダ 240.660