第73回全日本体操種目別選手権大会女子予選前半

報告者:日本体操協会 広報委員会 明名亜希子

跳馬

山田千遥

①ユルチェンコ2回ひねり
春先からの連戦の中で一番良い出来。伸身姿勢も美しく、高さも十分。着地の直前だけほんの少し腰が折れ、後ろへホップ。②ロンダート~1/2ひねり前方転回~1/2ひねり後方宙返り
Dスコア4.6とそんなに高くない技だが、質良くこなし、着地をまとめる。

岡村真
①伸身ツカハラ1回半ひねり
果敢に挑戦してきたが、高さ、距離が足りず深いしゃがみ立ちで2歩後ろへ。
②ユルチェンコ伸身1回ひねり
着地をまとめるがほんの少し腰折れが目立つ実施。

村上茉愛
①ユルチェンコ2回ひねり
本来のキレには少し及ばないものの、力強く、丁寧に着地までこなす。Eスコア9.166はさすがの実施。
②伸身ツカハラ1回ひねり
高さも距離もしっかりとある、良い実施。腰の影響か、着地で少し腰を引いてしまうが、前日のインタビューで本人も言っていた通り、腰の怪我が回復してきている姿をアピール。

故障はありながらも貫録の実施で村上選手、トップ通過。

川端凛
①ユルチェンコ2回ひねり
テーブルから突き上がってから少し間のあるひねりのかけ方。空中での脚のゆるみが少しきになるが、着地前へ1歩でまとめる。
②伸身ツカハラ1回ひねり
腰折れが目立つ実施だが、着地までしっかりまとめる。

松村朱里
①ユルチェンコ2回ひねり
高さも伸身姿勢も良く、高い着地での実施。
②伸身ツカハラ1回ひねり
後半腰が折れ、少し低い着地に。ラインオーバー。

 

段違い平行棒

梶田凪
伸身のフットトカチェフはキャッチしたが、おそらく伸身姿勢とみなされずE難度での承認。マロニーハーフ、屈身イエガー等を成功させるが、シュタルダー系の倒立姿勢が甘めに入る。なんとか最後まで通すが、少し疲れが目立ち、ムーンサルトの着地は頭が下がり低い着地に。

河崎真理菜
ジュニア時代からこの種目のファイナル常連。マロニー~パク、マロニーハーフ、屈身イエガーの後の振り上げ倒立移向で少し流れるが繋げる。屈身ダブルは頭の下がる着地に。

杉原愛子
Dスコアを上げての挑戦であったが、マロニーで落下。やり直してマロニー~ギンガーの連続技を成功させる。屈身イエガー、フット倒立1回ひねりからの低棒移動も成功させ、リズムを取り戻したかと思ったが、ムーンサルト下りで前へお手付き。

深沢こころ
長身を活かした大きなスイングとキレのある捌きで見ごたえのある演技であったが序盤のマロニーからのパクで膝をマットについてしまうミス。その他マロニーハーフ、屈身イエガー等は素晴らしい捌き。

中村有美香
非常に高さのあるギンガーで会場をうならせると、イエガー、屈身のイエガーを思わず「うまいっ!」と言ってしまうような捌きでこなす。屈身ダブルの着地をしっかりとまとめて熟練性をアピール。

内山由綺
リオ五輪代表のこの種目のスペシャリスト。日本では内山選手にしかできない、閉脚シュタルダー倒立1回ひねり~チャウ~パク~チャウ1/2ひねり(E+D+D+E)という非常に難しい4つの技の組み合わせを成功させる。屈身イエガーも決め、ムーンサルトの着地もまとめる。

寺本明日香
屈身イエガー、シュタルダー倒立1回ひねりがほんの少し流れるが、非常に高さのあるギンガーを見せる。イエガーで少し遠くで持った印象だったが、流れを崩すことなくムーンサルトの着地を小さくホップでまとめる。

畠田瞳
閉脚シュタルダー1回ひねり~マロニーハーフ、閉脚シュタルダー1/2ひねり~屈身イエガーを決めて波に乗り、高さのあるシュタルダートカチェフはキャッチしたがほんの少し肘が曲がるのが気になるところ。フット倒立1回ひねり~ムーンサルトもなんとか着地までもってくる。審判に挨拶をした後、「危なかった~!」というような表情を浮かべる。

松村朱里
世界選手権代表争いがかかっている松村選手。得意のこの種目でアピールしておきたいところ。イエガー、シュタルダートカチェフ等大技を決めるが、最後の振り上げ倒立が上がりきらず大きな減点。シュタルダー倒立1回ひねり~ムーンサルトの連続を決めて着地をまとめる。

長島琴菜
マロニー~パク、マロニーハーフ、屈身イエガーと一つ一つ力強くしっかりとこなし、終末技伸身ダブルの着地をまとめる。

山田千遥
世界選手権代表争いにはこの種目の点数を少しでも稼ぎたい山田選手だが、序盤のマロニーでまさかの落下。やり直して最後まで通しきる。