第49回世界体操レポート(女子ポディウム)

報告者:遠藤幸一

東京2020への熱い思いの伝わってくるポディウム練習

 9月30日,10月1日と女子のポディウム練習が行われた。団体出場する24か国が各班に,ある程度均等に分かれているため,そのチームを中心に観戦することができている。そのためか東京オリンピックに出場する団体出場9枠をかける思い,そして金メダルへの強い思いをいつも以上に感じている。以下,日本のポディウム練習の状況を簡単にレポート。

ポディウム練習後の寺本選手のコメントでは緊張したとの話もあったが,チームとして非常にまとまりある印象を受けるできだった。

ゆかでは梶田がまずまずの演技で畠田にバトンを渡し,寺本へとつなげた。松村は途中,後方宙1回半ひねり~前宙で1回のひねりをひねり切れず半ひねりになったが,大過失なく乗り切った。公開合宿前日に足首を痛めた杉原はタンブリングを除いた通しを行ったが,動きに違和感はなく,順調に回復していることがうかがえた。

跳馬は,畠田が安定したユルチェンコ1回半ひねりをまとめると,寺本もチュソビチナを,松村はユルチェンコ1回半ひねりにして着地をまとめ,梶がユルチェンコ1回ひねりをまとめた。杉原もこれまで練習では控えていたユルチェンコとびを行った。

段違い平行棒は,杉原がアップからしっかりと技の確認をつなげて行い,練習してきたことをアピール。そのまま最初の演技者として演技を成功させた。梶田は後半のシュタルダー後に一旦演技をやめて降りたが,寺本,畠田の両選手がいい演技を見せた。梶田はその後,再度通しを行い,成功させた。

平均台でも畠田が大きなミスなく通し,寺本,梶田と続いた。杉原は開脚前宙~ジャンプのところでバランスを崩したが,落下はせずに通し切った。

以上,世界2位の村上茉愛選手の離脱やけがなど不安要素を持っていた日本女子チームだが,調子はようやく上に向いた。さらなる選手たちの頑張りを引き出すためには後押しが必要。緊迫した戦いでも彼女たちがしっかり力を出し切れるよう,ぜひ,温かい応援をお願いします。


1種目目のゆか練習中