2022新体操日本代表選考会レポート

報告者:広報委員会 藤野朱美

4月16日(土)~4月17日(日)の2日間に渡り高崎アリーナで開催された。

「FISU ワールドユニバーシティゲームズ(2021/成都)」 「ワールドゲームズ2022」 「アジア競技大会」 「第18回アジアジュニア新体操選手権大会」の4大会の代表決定と内定が決まった。

2022年採点規則改正後、日本国内初の公式大会となり、2年ぶりの有観客の大会であった。

2021年までのルールとの大きな変更点の1つは、審判団が2つのパネル(D/E)から、3つのパネル(D/A/E)になった事である。Dスコア(DB身体難度・DA手具難度)について、DAの実施可能個数が制限された。ジュニアは15個までで、シニアは20個までとなっている。また、Aスコアが独立したことにより、より芸術性が重んじられる採点規則となっている。Dスコアは加点法、Aスコア、Eスコアはそれぞれ10点から減点法である。

<シニア個人>
昨年度全日本インカレ覇者の松坂玲奈選手(東京女子体育大学/ヴェニエラRG)は4種目とも安定した、ダイナミックな演技で1位につけた。巧みで独創的な手具操作はジュニア時代から定評がある松坂選手。持ち前の巧みな種具操作に加え、表現力にも磨きをかけた演技で会場を沸かせた。

2位につけたのは柴山瑠莉子選手(日本女子体育大学)。
4種目それぞれのコンセプトを表現し、安定した演技を披露した。身体難度、手具難度の実施が明確で、四肢まで神経の行き届いた演技と、豊かな表現力で会場から大きな拍手が沸いた。

3位は鈴木菜巴選手(兵庫大附須磨ノ浦高/アリシエ兵庫)。
昨年度よりも演技に緩急、大きさを感じた。難易度の高い技にも躊躇せず果敢に挑戦する演技であった。今大会ではミスが生じてしまった事が惜しまれる。

4位につけたのは、ジュニア時代から活躍している田口久乃選手(安達新体操クラブ)。
表現力が豊かで、4種目それぞれの特徴を活かした演技構成であった。

松坂選手、柴山選手、鈴木選手がアジア競技大会に内定し、
松坂選手、柴山選手はワールドユニバーシティーゲームにも内定。
鈴木選手、田口選手がワールドゲームズ2022に代表決定。

<ジュニア個人>
1位は昨年の全日本ジュニア覇者の馬場せせら選手(イオン)。
基本に忠実で美しい演技が印象的。昨年10月に行われた北九州世界選手権で現役を引退した皆川夏穂コーチが指導している。

2位岡田華英選手(イオン)、3位丸山莉奈(イオン)、上位3名がアジアジュニア選手権代表に決定した。

団体競技も採点規則の変更により、演技構成がガラリと変わった。芸術性が重んじられている点は個人競技と同様であり、交換とコラボレーションリスクには、より大きさと高さが求められるようになり、演技にダイナミックさを感じた。
その他、団体特有の5人が協力して行う演技がより取り入れられる採点規則となっている。
団体競技シニアでは、日本女子体育大学が1位につけ、ワールドユニバーシティーゲームに内定した。初日に行われたフープ5の演技では、29.600をマークし会場が沸いた。
団体競技ジュニアでは、CAC RGが見事アジアジュニア選手権代表を獲得した。

パリオリンピックに向けてスタートした新ルール。それぞれの選手、チームが更にレベルアップした演技で各大会に臨み、チームジャパンの活躍を期待したい。

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