日韓合宿(韓国)レポート:新体操②

日韓合宿(韓国)レポート:新体操
11月の日本合宿に引き続き、12月3日(火)~12月8日(日)韓国ソウル泰陵選手村にて韓国合宿が行われた。
本合宿では、全て韓国側のコーチによってセッティングされた講習内容が実施された。

◯内容報告
・ダンス①クイック、チャチャチャ
隊列で様々なバリエーションのステップを行った。足の動きから始まり、次に上半身の動き、手の動き、方向転換、と少しずつ動きを足していくように進められた。早いテンポの曲に合わせて次々に様々な種類のステップを行った。上体の動きが平面的な選手がほとんどで、立体的な動きが出ず、様々な動き方の体験・ダンスや踊ることの経験の少なさを感じた。参加選手の中にはこういったダンス指導者によるレッスンの経験が全く無い選手もおり、苦戦しながらも積極的に挑戦する姿勢は見られた。
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・ダンス②ジャズ【写真】
身体を部分的に動かす準備運動から始まり、身体全身を動かす動作、床上で行う筋力トレーニング(腹筋、側筋、背筋、など)から立位で足の振り上げ動作も含み、曲を使いながらリズム良くアップテンポで行われた。ピボット、ステップなどを加えながら動きのバリエーションを数種類、短いもので行った。通常、自分自身で行っているプレパレーション(ピボットの準備動作)と違うために単純なピボットでも回ることが難しく感じているようだった。動きのつなぎ部分が問われるルールでもあるため、このような動きのバリエーションからの難度練習にも重要性が感じられた。講師の模範を見ながら2分弱のダンスを覚え、繰り返し行った後、少人数グループで発表が行われた。選手同士お互いによく観察し合い、数を重ねるごとに上達が見られた。日韓写真2_ページ_2
・ダンス③クイック発展
一日目に行ったクイックを発展した内容で行われた。一度習ったステップをもとに、さらに上体の動きや方向転換を追加したもので進められた。当初に比べ、選手達は細かい足の動きを伴ったステップにも慣れ、変化する動きにも対応して実施出来るようになった。

・身体基礎の練習(バランス、ジャンプ)
歩行しながら前後・側方への支持バランスなどのバランス動作の基本や、開脚ジャンプなどの基本的なジャンプから、バックルでの反りジャンプターンまで様々な形のジャンプ難度の練習が行われた。フロアマットを一周しながらの連続のジャンプターンでは、まだ単発でのジャンプ自体習得されていない選手もいて、苦戦する姿が見られた。それぞれに課題を見つけられた内容だった。

・手具の練習(レクリエーション要素を含む4手具の練習)
手具の基本的操作及びマステリーやDERの内容を含めて、フープ・ボール・クラブ・ロープを用いて、日韓混合チームでリレー形式の競争が行われた。お互いに声を掛け合って、応援し合い、楽しく、盛り上がりをみせた。

◯まとめ
今回の合宿内容は、ダンスの講習が大きい割合を占めたのだが、選手達は「表現すること」という点で多くのことを感じ取ったと思う。選手はダンス講師から、顔の表情がない・もっと自信を持つように、と声をかけられることも多くあった。また、どの選手にもこの短い期間中でもステップの巧みさ、動き方に向上が見られたことから、様々なダンス要素を経験することで選手達の更なる表現の幅の拡大の可能性も感じられた。現行のルールでもダンスステップコンビネーション(8秒)があり、今回講習を受けた様々な種類のダンスステップを発展させ、手具を用いて実施できるようになるところが最終目標とも思われる。
交流の面では日韓の選手同士が日本合宿よりも増してコミュニケーションをしっかりと取り、交流を行うことが出来ていた。同年代の選手を知ることで、今後のモチベーションの一つとなってほしいと思う。また、今回が初めての海外渡航となった選手も多く、様々な経験が出来ていたと思う。日本合宿から今回の韓国合宿を通して見つけられた課題は、それぞれの所属に持ち帰り、克服し、今後の糧となることを期待する。
最後に、日本・韓国の体操協会をはじめ、すべての関係者の方々に深く感謝を申し上げ報告とさせていただきます。

*参加選手
小池夏鈴、山田愛乃、大岩千未来、飯田由香、
島田悠里、小池萌々華、海野晴子、池上優菜(全8名)
*スタッフ
小竹英雄(団長)、臼井千奈美(コーチ)、高橋麻理子(コーチ)
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