第60回 全日本学生新体操選手権大会最終日レポート【男子】

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最終日の9月7日は、個人総合の上位選手8名による種目別と、徒手団体が行われた。
〔スティック〕
 出来田和哉(国士舘大)が前日までの勢いをそのままに、気迫のこもった渾身の演技を見せ1位。ダイナミックかつ巧みな手具操作、圧巻としか言いようがないその演技に大きな拍手がわき起こった。
〔リング〕
 花園大の木村 功が初日の成績を上回る高得点で1位になった。しっとりした伴奏音楽と末端まで神経の行き届いた繊細な表現に貫かれた演技が見事に調和して、終末動作まで隙のない美しさでも他の選手を圧倒。場内の空気も自分色に染め上げた。
〔ロープ〕
 個人総合で優勝した北村将嗣(花園大)が洗練された演技で9.600点をあげて優勝した。完成度の高い演技を見せた北村はまだ2年生。今後の成長がさらに楽しみなホープである。
〔クラブ〕
 奥 雄太(国士舘大)が最上級生の意地を見せた。「You Raise Me Up」に乗って、柔らかさはそのままに力強さを増したエモーショナルな演技で9.575点を出し、1位に。この曲を大切に演じてきたという彼の自負が伺える素晴らしい出来だった。
〔団体徒手〕
 豊富な練習量に裏打ちされた柔らかな動きにドラマチックな構成、畳み掛けるように息つく暇もない高難度のタンブリングの連発で場内の観客を唖然とさせた青森大が、全日本インカレ7連覇を達成。だが、今年は独走ではない。前日の予選では青森大がトップを守ったが、本日の決勝では国士舘大が実施で上回り、総合点は0.1点という僅差だった。新入生4人が入り、今年は何かが変わった!との評判も聞こえる今年の国士舘。伴奏曲の細かいリズムもよくとらえたブレのない徒手。高さのある独創的な組と、タンブリングにも“挑戦者”の攻める心意気が見て取れた。