第26回全日本ジュニア新体操選手権大会レポート(女子)

報告者:日本体操協会

第26回全日本ジュニア新体操選手権大会レポート

大会は平成20年10月17日(金)~19日(日)国立代々木第一体育館において開催されました。
北京オリンピックにおいて女子の個人競技は残念ながら出場できませんでしたが、次のロンドンオリンピックを目指す女子ジュニアたちの熱い戦いが行われました。
全国から各ブロック予選を突破してきた個人47名と団体19チームが参加しました。
第1日目は個人の前半ロープとフープの2種目が行われました。ロープの種目については角 果奈子選手(宝塚サニー新体操クラブ)が柔軟性を生かしたスピード感あふれる演技でトップに立ちました。
続いて成松 エリナ選手(町田 RG)が得意の手具操作を確実に見せて2位、深瀬 菜月選手(秋田新体操クラブ)が3位となりました。
フープの種目では佐々木 アヤ香選手(NPOぎふ新体操クラブ)がまだ幼い感じの細いプロポーションですが、優れた柔軟性を持ち確実な演技でトップとなり、次に柔軟性のある伸びやかな大きな演技で松原 梨恵選手(ALFA)が2位、三上 真穂選手(安達新体操クラブ)が優れた手具操作と確実な実施で3位となりました。
この時点では合計得点に大きな差が見られず誰が優勝するのか見えない状況にありました。
ジュニアは全体的にプロポーションが良くなり、美しい選手が増加してきたと思います。
柔軟性を伴うバックルピボット(足を頭の後方で持ち回転する)、パンシェバランス(脚を180度以上開脚したバランス)などができる柔軟性に優れた選手が多くなりました。
手具操作も徒手の運動に伴って動かそうとしていますがまだ確実ではありません。
大会2日目はボールとリボンの種目が行われました。リボンは手具操作が不確実でどの選手もミスが目立ちました。ボールで佐々木 アヤ香選手が最高得点の14点代をマーク、後半の種目でも確実な実施を見せた成松 エリナ選手と個人総合同点優勝となりました。
3位は佐藤 彩乃選手(土屋RGクラブ)という結果でした。今大会の個人総合12位までの選手(但し、2008年12月31日までに15歳以上になる者)には第61回全日本新体操選手権大会の出場資格が与えられます。
団体は全国から選ばれた精鋭19チームが白熱した演技を見せてくれました。手具はクラブ5で交換の受けのミスや、その他でも落下するミスが多く見られました。それぞれのチームに個性的な構成があるかと期待しましたが、あまり独創的な構成は見られなかったのが残念です。
柔軟性ばかりを強調し、空間の利用が少なく大きさに欠ける構成のチームもありました。傾向として難度の技術ばかりを追う構成になっているのではないかと思いました。
その中でも、独創的な動きや、団体の協調性が豊かな構成で、手具の多様性もみられた安達新体操クラブが優勝を獲得しました。
2位は難度の得点は高くなかったのですが確実な実施点で舞 エンジェルスR.G、3位はアンジュとなりました。今後は手具の熟練や、苦手なリボンを克服して、選手たちの優れた能力を益々向上させていけば、将来国際舞台で活躍できる選手たちが育つという強い可能性を感じました。