2015新体操W杯ウズベキスタン大会レポート2

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現地5月23日、W杯ウズベキスタン・タシケント大会2日目は団体総合後半(フープ2&クラブ6)と個人総合後半(クラブ、リボン)が行われた。

<団体総合後半(フープ2&クラブ6)>
日本(フェアリージャパンPOLA)は試技順の最後に登場。昨日はDERでの投げのミスがあったが、今日は全体を通してクリアな演技であった。フープの足蹴りで若干前に流れたが、交換や連係での移動も少なく、踊っているという感じも見えた。17.250。フープ&クラブのみでは4位で、合計点は34.100。総合は昨日と変わらず、5位となった。

総合1位となったのはブルガリア。ほぼミスのないダイナミックな演技で17.750を出し、合計は34.850。前日の2位から巻き返しを図り、金メダルを獲得した。

総合2位はスペイン。ほぼミスのない、また緩急のある演技で17.600。合計34.500。

総合3位はイスラエル。リフトの際、1本のクラブが床上に置かれたままになるミスが出て17.000。合計34.450で、前日1位から順位を落とした。

総合4位はベラルーシ。昨日は6位と苦しいスタートであったが、今日は連係に少し乱れはあったものの大きなミスはなく17.450。合計34.250。

5位が日本で、総合6位はイタリア。昨日のリボン5ではキャッチの移動が多く、スペインと同点3位であったが、今日のフープ&クラブでもミスが目立った。最初の連係で大きく移動すると、交換と連係でも落下。16.450でフープ&クラブのみでは8位。リボンとの合計点が33.350。

総合7位はウズベキスタン。非常に難しい技をこなし、17.000。ウズベキスタンは試合が行われている会場を拠点に、学校、宿舎も併設された中で強化を行っているが、その成果が現れてきている。合計33.000

総合8位はスイス。スイスも次々と技を決め、16.500。合計31.800

総合9位は朝鮮民主主義人民共和国。雑伎団のように、足技をこなしたが、落下ミスなども出て14.550。合計28.050。

総合10位はマレーシア。13.850、合計25.850。

日本は明日の種目別決勝に、2種目とも出場する。
<個人総合後半(クラブ・リボン)>
日本選手の中で先に登場したのは河崎羽珠愛。昨日はボールで大きなミスが出て(14.900)出遅れたが、今日の2種目はほぼプログラム通りの演技をした。躊躇もなく、終始落ち着いていて、クラブは16.700、リボンでは自己最高の16.850を出し、総合は65.050で20位。河崎は国内の強化対象者でコントロールシリーズでの強化しか行っていないが、こうして17点に近づく点数を出せたことは大きな収穫であった。難度のフォームがもう少し良くなっていけば、点数もじりじりと上がっていくだろう。

早川さくらはリボンの種目から。足持ちのローテーションで終末に崩れたが、そのほかの難度や動きには少しずつ張りが出てきた。17.250。最後の種目クラブは、4種目を通して1番、体が引き上がっていた。初めてアチチュードローテーションで3回転が入り、音楽にも乗って、非常にすばらしいパフォーマンスをした。しかし、最後のDERで、若干コースがそれて落下。それを拾おうとして、またポロリと落とし、最後もクラブでダイレクトに押さえられず、ラストに来て悔しいミスが出た。16.550。合計は67.950で12位。

優勝したのはロシアのMamun。リボンの種目は、リボンの操作が不正確になる箇所があり、またパンシェのローテーションが決まらずに18.200。他の種目はすべて19点台に乗せたが、若干フォルムの緩さがあった。今回Kudryavtsevaは出場していないが、Kudryavtsevaと戦うには難度が流れぎみになってしまうところの改善が必要であろう。

2位には同じくロシアのSoldatovaが入った。全種目、大きなミスがなく、また多少投げが乱れたとしても、それに対応する瞬発力、調整力、執着心も持ち合わせている。

3位は、このところ表彰台が常連にもなってきた韓国のSon。前日のボールでは、DERの足キャッチでボールがこぼれるミスが出たが、他の種目は相変わらずプログラム通りの演技を行い、実施減点の少ない演技であった。

4位はイスラエルのFilanovsky。とても体の小さな選手であるが、練習から常にMAXで動く選手で、手を抜くことがない。それが実となり、17点台後半を並べることができるようになっている。

5位はベラルーシのHalkina。ボール以外は、難度の乱れなどがあった。

6位はイスラエルのRivkin。クラブ、リボンに大きなミスはなかったが、前日のフープはラストのDERで落下し、手具なしでラストポーズ。ボールでは転がしのあと落下、Mでも落下とミスが続いた。

7位は地元ウズベキスタンのNazarenkova。ロシアから国籍を移した選手であるが、ダイナミックな演技で会場を沸かせた。しかし、クラブでは足持ちのローテーションで、一本のクラブが落下。2本を連結した技でも、一本が外れてしまった。リボンでも出だしのMの投げで落下。それでもミスがなければ、17点台後半の点数が出る。

8位はブルガリアのVladinova。リボンでは落下ミスがあったが、リスキーな技を繰り広げた。

戦いは17点台後半となっている。早川が良い状態であれば、17点中盤に乗せられるようになってきてはいるが、問題はローテーションの回転数にあるだろう。しっかりとした体をつくり、いつでもローテーションの回転数が上げられるようになっていけば、17点後半の点数は得られる。日々の積み重ねに期待したい。

早川は、種目別決勝ではボールとリボンが9位で、リザーブ。惜しくもファイナル出場はならなかった。