第7回アジア新体操選手権大会レポート1

報告者:

6月10日、アジア選手権大会初日は、団体総合前半(リボン5)と、国別対抗前半2種目(フープ、ボール)が開催された。

日本からはフェアリージャパンPOLA・団体と早川さくら、皆川夏穂、河崎羽珠愛(クラブ、リボン)が出場。

​<団体総合前半・リボン5>
試技順1番は中国。全体的にクリアな演技で大きなミスもなかった。若干のキャッチ移動や、DERのあとにリボンが少し体にからまるなどの小さなミスがある程度であった。16.850

試技順2番は日本。前日のポディウムトレーニングではリボンの絡まりや結び目、落下など大きなミスがあり心配されたが、本番では持ち直し、中国と同様、大きなミスは回避した。ラストの4本投げがあまりうまく飛ばずに、全員が大きく移動。また、中盤でもリスクのある連係の際、移動があったのと、フェッテピボットの足の揺れなどもあり、16.850。中国と同点となった。

試技順3番はウズベキスタン。最近、伸びが見られるウズベキスタンであるが、連係の際の不正確なキャッチや交換での移動などがあり、16.500

試技順4番はカザフスタン。若いチームであり、フレッシュさがあふれていたが、連係で乱れ、交換で落下があり、​14.500

試技順5番は韓国。連係で落下。不正確なキャッチや交換の移動などもあり、14.100

初日の結果は、実施の点数が中国より日本の方がわずかに上だったため、タイブレークのルールにより
1位日本
2位中国
3位ウズベキスタン
4位カザフスタン
5位韓国

1位から3位は僅差のため、優勝争いはフープ&クラブの出来にかかってくるだろう。

<国別対抗前半・フープ、ボール>
日本勢で先に登場したのは皆川夏穂。W杯タシケント大会前に肩を痛め、大会を欠場。2週間ほど練習が思うようにできず、なんとか回復してきたところであるが、フープの種目ではMの背中での軸回しでポロリと落下。そこから持ち直したが、ラストのDERの投げの前にフープの回しが乱れ、DERをやらずに終えた。16.300
ボールは気持ちを切り替え、伸びやかでダイナミックかつ繊細な演技を繰り広げた。ジャンプの高さや伸びやかさは全選手中1番であり、なめらかな動きの表現もすばらしかった。しかし、ラストの非常に難しいDERのキャッチに失敗。場外までボールが転がり、手具なしでポーズをすることになった。15.350
皆川は非常に手具感覚が良い選手であり、作品の中身もロシア人に引けを取らないぐらい濃いものとなっている。どこまで攻めるか難しいところではあるが、予選では技を少し抜いてでも手堅く行く方が気持ちも乗ってくる。故障から復帰したばかりということを考えると、そのあたりも調整する必要があったかもしれない。

一方の早川は2種目とも落ち着いた試合運びをした。アチチュードやパンシェのローテーションがもう1回転ほしいところであるが、フープではバランスの難度で崩れそうになりながら持ち直す執着心も見せた。フープ17.350 ボール17.400

​アジアのレベルは非常に上がっており、各W杯シリーズでも韓国のSONは表彰台レベル、ウズベキスタンのNazarenkovaは​入賞レベル、その下に早川や皆川が位置している。今大会では出場している多くの国、選手にメダル獲得のチャンスがあるため、みな緊張感が漂う中での戦いである。

地元韓国のSONは、最初の種目ボールでは2回目のジャンプターンでリズムが乱れ、直後DERでの首キャッチで落下。ほかはなんとかまとめ、17.600。フープは大きなミスなく、ただ一人18点台に乗せた(18.100)

ウズベキスタンのNazarenkovaはボールの出だしでポロリと落下。17.500。フープは大きなミスはなく、17.900。SONの下にぴったりとつけている。

個人総合決勝は13日に行われるが、明日は国別対抗後半(クラブ、リボン)、あさっては種目別決勝があるため、4日間集中力、精神力、体力をキープしなければならない。そのあたりの強さというものを試される大会となる。

レポート 山﨑浩子

大会情報へ