広州アジア大会新体操1日目レポート

報告者:

 11月25日、アジア競技大会新体操競技第一日目、個人競技国別対抗が中国・広州で行われた。国別対抗は各国3~4名が出場し、1種目3演技ずつの計12演技中、ベストの10演技の合計で競われる。
 日本からはコントロールシリーズを勝ち抜いた大貫友梨亜、山口留奈、穴久保璃子、小西夏生の4名が出場し、大貫・山口が4種目、穴久保がフープを除いた3種目、小西がフープのみの出場という布陣で臨んだ。
 日本の1種目目はロープで、1番目の演技者は穴久保璃子(イオン)。パンシェピボットがあいまいになり、リスクの投げが若干乱れたが、ほかはうまくおさえ、1番目の重責を果たした。24.400
 2番目の山口留奈(イオン)は、もぐりキャッチが不正確になったが落ち着いて対処。ユニットピボットのかかとが早く着いたように見えたが、得点は25.450でまずまずの滑り出しとなった。
 3番目の大貫友梨亜(東京女子体育大学OG)は、リスクから座の回転しながらのキャッチで落下。しかしすばやい対処で、落下したかしないかわからない状況にもっていった。25.450
 2種目目のフープは、この種目のみの出場の小西夏生(イオン)が登場。初めての国際舞台であるが、緊張感はあったものの落ち着いた演技を見せた。24.750
 山口はキャッチが不正確な箇所があったが、難度の精度は良く25.450。
 大貫はドゥバンのフェッテピボットが足が下がり気味であったが、全体的には流れもあり25.900。
 前半を終えて、みな動きが多少固いものの、ミスを最小限で抑えて3位で折り返した。
トップはカザフスタン。
 ALYABYEVAがダイナミックな演技で、28点台というカナエバやコンダコバクラスの点をたたき出し、独走状態に入った。
2位はウズベキスタン。
 TROFIMOVAの難度の精度はあいかわらず良かったが、いくつかミスが出て、カザフスタンに水をあけられた。
3位の日本にせまっているのは韓国。
 1種目目のロープは得点の伸びが見られなかったが、2種目目のフープになると急に得点がアップ。世界選手権で活躍したSONは26.450の高得点を出した。
 中国はメダル獲得を狙っていたと思われるが、若干ミスが出て、思うような点数が得られなかった。
後半種目はボールとリボン。
 2位のウズベキスタンはボールではほぼミスのない演技であったが、リボンのTROFIMOVAは投げのタイミングが合わず投げられずに、からまってしまう。ラストも曲が合わなかったが底力があり26.550。
 ウズベキスタンと日本とは少々差があり、3位争いは日本、韓国、中国に絞られた。
 その中国は3選手ともリボンの演技でミスが出て、メダル争いから外れてしまう。
 日本は穴久保がジャンプでのつきでコントロールミス。落下したがすぐに取り戻し、その後はふんばった。25.250
 山口はほぼミスのない演技。難度も正確に決まり、25.800
 続く大貫も、多少ボールが近い箇所はあったが、全日本でミスのあったラストのリスクもしっかりと決めて、26,250。国際大会で自身初の26点台に乗せた。
 リボンの穴久保は落ち着いて演技。難度も丁寧に決めて25.200。
 山口は投げの乱れと不正確な受けがあったが、やはり落ち着いて対処。4種目を通じて落下ミスがなく安定した演技を見せた。25.400
 大貫のリボンは、非常に安定していた。難度もうまくはまり、ほぼミスのない演技。会場からも大きな拍手がわき、26.300の高得点。
 ベスト10で計算すると256.450の得点で演技を終えて、韓国の演技を待った。
韓国は、ボールではSONがミスなく演技し、26.350。
この時点で、日本に0.4差にせまった。
 しかし、リボン2番目のSOO JIが転回から投げの時にミス。投げがすぐに戻ってきてしまい、身体にリボンが当たるというミスとなり、24.950。
 SONがリボンも健闘し、26.500を出したが、結局SOO JIのミスが響き、4位。
 日本は、4選手とも大きなミスをすることなく持ち味を発揮し、総合力で銅メダルを獲得した。
主な国の成績は
1位カザフスタン
2位ウズベキスタン
3位日本
4位韓国
5位中国
であったが、アジアの力は急激に伸びている。特に韓国は、ロシアでの強化練習で、難度に伸びやかさがある。出場選手全体を見ても、股関節の柔軟性は必須で、ただ難度をやるだけでなく、バネやしなりのある難度の実施、ひっぱりのある難度のやり方が求められているように思う。
 今回は日本が逃げ切った形であるが、今後も韓国や中国、マレーシアやタイなどが怖い存在になってくるであろう。
 Dの評価は高くなっている日本は、これから芸術面、実施面の強化を行っていかなければならない。
 明日は個人総合決勝(各国2名)が行われ、日本からは大貫友梨亜、山口留奈が出場する。