2015新体操W杯ロシア大会レポート1

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現地8月21日、W杯カザン大会初日は、団体総合前半(リボン5)と個人総合前半(フープ、ボール)が行われた。

〈団体総合前半(リボン5)〉
団体はソフィア大会と同じく、多数の強豪国、中堅国が参加。参加国数18カ国であるが、アジア選手権では日本の上をいった中国も参加し、世界選手権前のシミュレーションとしては絶好の機会となった。

日本(フェアリージャパンPOLA)は試技順4番で登場。このところ良い練習ができているせいか、移動も少なくクリアな演技であった。最後の4本投げが、リボンが一箇所に集まり、移動と身体の接触があったのはおしかったが、だいぶ仕上がってきているように思う。17.250

前半1位はロシア。移動はあるが、動きでうまくごまかし、大きなミスはなかった。18.300

2位イスラエル。移動もなく、ほぼミスのない演技。ブルガリアやベラルーシをわずかに上回った。17.600

3位ブルガリア。投げの乱れはあったが、一歩の移動でおさめた。17.550

4位ベラルーシ。転回パンシェで一人の選手のキープがまったくなかった。ラストの連係でも移動があり、17.500

5位タイで日本とスペイン。交換での移動、フェッテピボットのバラつきなどがあり、17.250

7位イタリア。交換での移動。キャッチで乱れ、続くDERでは、投げられない選手が出るなどのミスがあり、16.700

8位中国。投げ技はほとんど移動がなかったが、16.500

そのあとにドイツ16.150、ギリシャとウズベキスタンが15.550で続いている。ドイツ、ギリシャ、ウズベキスタンは落下や移動など大きなミスがあった。またアゼルバイジャンも落下や連係ミスで14.600と大きく出遅れている。

日本と4位のベラルーシとの差は0.25以前よりずっと強豪国との差が縮まってきたように思う。クリアに美しくやっていくことで、この差をますます縮めていきたいところである。

〈個人総合前半(フープ、ボール)〉
カザン大会は皆川夏穂と早川さくらの二人が出場。そろってAグループでの登場となった。

まず皆川が登場。フープでは出だしに若干のもたつきがあった。後半の足持ちのローテーションでは軸が乱れたが、よく踏ん張り、17.150
ボールでは後半両手キャッチが多くなったが、この種目も踏ん張りを見せ、17.150
ブダペスト大会に比べると動きも良く、落ち着いているように思う。皆川は現在12位につけている。

一方の早川は、ボールの出だしのMをミス。ラストのDERもキャッチできずに手具なしで終了。大きなミスとなった。15.500
フープでも、DERでフープのコースが変わったにもかかわらず、通常の向きで転回に入ってしまい、落下。16.700
二種目とも同じようなミスで、不本意な出来となってしまった。
もっと上に行きたいという欲と身体のバランス等、少しピースがはまっていない感があるので、その点を改善すれば問題はないだろう。
一足飛びには上には行けない。団体も個人もいまやれることを精一杯やり続ける。それこそが上達の近道である。早川は、このミスが世界選手権でなくて良かったと考え、試合に向けてどうアプローチをしていくかを自分で作っていってほしい。

明日は団体、個人の後半戦が行われる。

レポート 山﨑浩子