第6回アジア新体操選手権レポート3

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現地6月7日、アジア選手権3日目は個人総合決勝と団体種目別決勝クラブ10が行われた。
個人総合決勝は個人国別対抗戦の結果から15人が出場し(各国最大2名)、日本からは早川さくらと皆川夏穂の2名が出場権を得た。前日までの得点は持ち越さず、フープ、ボール、クラブ、リボンの4種目の総合点で競われる。
皆川のフープは、最初の投げが真上に上がり、手以外のキャッチをやめて、手でキャッチして事なきを得た。しかし次は投げが遠くに行ってしまい、ジャンプでのキャッチをやめた。MGキックの際も、フープがぽとりと落ちてしまったが、大きな落下ミスを防いで、我慢した。15.700
早川のフープは最初の足投げでのDER(以前のリスク=投げを伴う回転技)が投げすぎてしまい、回転を1回にしてキャッチ。あとは落ち着きを取り戻して難度を決めていったが、ラストの左手での投げがぶれてしまい、足でのキャッチが届かずに、手具なしでポーズ。タイムも1’31でペナルティが0.05。15.183で、皆川も早川も苦しいスタートとなった。
しかし2種目目のボールでは、皆川はよく踏ん張り、難度をやりきろうとする姿勢が良く見えた。D8.300 E8.500 計16.800で、昨日の早川に続き、皆川も16点台後半に乗せてきた。
そして早川のボールも、とても素晴らしい出来だった。ローテーションや各難度の粘りがよく、非常に丁寧に演技した。動きの質もとても良く、D8.800 E8.700 計17.500で、一気に17点台中盤までのぼった。
3種目目はクラブ。
皆川は昨日もミスをした出だしのDERでやはりミス。その後は気持ちを切り替えて落ち着いた演技を見せていたが、ジャンプ中にももでクラブを突いて投げながらもう1本も同時に投げるという難しい技で、2本のクラブが大きく分かれてしまい、両方とも落下してしまう。それでもクラブを拾ったあとのピボットはしっかりと決め、昨日ミスをした箇所もきちんと決めた。最後まで諦めずにがんばったが、中盤の派手なミスが響き、14.300。
早川は最初の足での持ち替えで小さく落下(落下したかどうかわからないぐらいの)。途中のDERの投げも乱れたが、よく見て対処していた。D8.250 E8.667 計16.917で、少しのミスであれば16点後半がするりと出るようになった。
最終種目はリボン。
皆川はリボンの描きが弱く、身体にふれる部分やローテーションの終末で崩れる場面があったが、どうにかしのいでD8.150 E8.400 計16.550。皆川も16点台中盤から後半に乗せられる力がある。
早川はスティックの背中ころがしのあと、リボンが身体にふれたのと、ローテーションが回転不足になったが、丁寧に丁寧に演技し、D7.950 E8.767 計16.717。
2人とも5月中旬のミンスク大会まで15点台後半がやっとであったが、このアジア選手権で一気に16点台後半までもってきた。特に早川は17.500まで得点を伸ばしたが、正直これほどの評価を受けるとは、予想を上回るものであった。
皆川の作品は、難易度が高くて本人がまだ消化し切れていない部分があるが、きっちりとミスなくやれるようになれば、早川と同じような評価も得るだろうし、2人がすばらしい評価をもらったということで、日本新体操界に大きな光が見えたと思われる。
今年、16点台後半をコンスタントに出せるようになれば、いずれ韓国のSONのような存在になれるであろうし、一流選手の仲間入りをすることができるであろう。ロシア留学を始めてからちょうど3ヶ月。今後も波はあるだろうが、戦うためのスタート台には確実に乗れたという印象であった。
個人総合決勝を制したのは韓国のSON。
1種目目のフープではジャンプのキャッチで落下。しかし慌てずに演技し、18.033。ボールは少々操作ミスがあったが18.267。クラブは頭の上にクラブを乗せてステップを踏むところで、うまくクラブが乗らず、すぐに手に移して落下を回避。18.133。リボンは最初の足での投げをミス。ここでも慌てずにすぐに対処した。ほかにもDERでのキャッチが幾度か不正確になって17.633であったが、3種目を18点台に乗せて、貫禄の優勝。
2位には地元ウズベキスタンのRAKHMATOVAが入った。4種目を通じて大きなミスがなく、安定した美しい演技を見せた。
3位は中国のDENG。SONとの一騎打ちになると思われていたが、フープではローテーションの連続でかかとが早くつき、17.733。ボールは最初のM(一般的でない手具操作の組み合わせ=職人技)のころがしのあと、ボールを落下。17.283。クラブではローテーションの軸の乗りはすばらしいものがあったが、投げの連続で1本を落下。17.767。リボンでも早い段階でリボンに結び目ができ、17.467。4種目ともに大小のミスが出て、SONの独走を許してしまった。伸びやかな動きやダイナミックなジャンプ、巧みな手具操作、しっかりとした軸の乗りなど、とてもすばらしい選手なので、今後もSONらとしのぎを削っていくことだろう。
4位がカザフスタンのGORBUNOVA。なめらから動きで、難度のこなしもよく、4種目を16点後半に乗せた。
5位がウズベキスタンのDAVIDOVA。若手の選手で、少々雑なところはあるが、ハツラツとした演技で、手具操作によどみがない。
早川は6位に入り、ボールの種目ではDENGを抜いて3位に位置した。
皆川も予選からランクアップして7位。2人とも大健闘といっていいだろう。2人の名前は確実に売れ、注目度もアップしたことで、今後も着実に力をつけてくれるに違いない。
団体種目別決勝クラブ10では日本(フェアリージャパンPOLA)が、総合優勝した中国を0.05抑えて優勝した。最初の交換が少し大きくなったために続く足投げの距離が出てしまったが、落ち着いてキャッチし、その他の箇所も総合の時より安定し、同時性も出てきた。D8.550 E8.600 計17.150で、今季初の17点台。作品の中身は決して難易度の高いものではないが、きっちりと演技をやりきり、高い点数を得たことで、今後の励みになるであろう。
出場者:
畠山愛理
サイード横田仁奈
加畑碧
杉本早裕吏
熨斗谷さくら
2位は中国。
後半の足投げ交換でキャッチミスをしたが全体的には安定した演技でD8.500 E8.600 計17.100。
3位がウズベキスタン
4位韓国
5位カザフスタン
という結果であった。
明日は最終日。
個人種目別決勝と団体種目別決勝ボール3&リボン2が行われる。
フープ出場者:皆川夏穂、山口留奈
ボール出場者:なし
クラブ出場者:早川さくら
リボン出場者:早川さくら
団体出場者:
畠山愛理
サイード横田仁奈
加畑碧
杉本早裕吏
松原梨恵