第12回全日本新体操ユースチャンピオンシップ他レポート

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第12回全日本新体操ユースチャンピオンシップ 兼 第33回世界新体操選手権大会・第17回アジア競技大会日本代表選考
<平成26年5月30日(金)~6月1日(日) 於 東京体育館> 大会情報・結果へ
5月31日(土)
【第12回全日本新体操ユースチャンピオンシップ大会2日目】
大会2日目は、昨日に引き続き個人競技予選ボール・クラブの競技が行われた。
347名の選手がエントリーしている今大会は、ボール・クラブの演技が2日間にかけて行われ予選種目合計得点上位33名が明日の決勝に駒を進める。
予選トップ通過は昨年の覇者、河崎選手である。また、桑村選手、古井選手の上位3名は代表決定競技会にも出場する3名の選手であるコントロールシリーズでの経験が強さに繋がったと感じられる。難度要素の精度、表現力は群を抜いていた。
大きなミスが大減点に繋がる現行のルールでは上位入賞を果たすためにはミスは許されない。
ユースチャンピオンシップの栄冠を手にするのは誰なのか明日が楽しみである。
【第33回世界新体操選手権大会・第17回アジア競技大会日本代表選考】
 選考方法を大会要項より抜粋
〈世界選手権選考方法〉3名(内2名は特別強化選手)
 ①1名選考・・・日本代表決定競技会の3種目の合計により、上位1名を日本代表とする。
  フープ+ボール+(1種目)
 ②2位の者を国内補欠とする。
 
(アジア競技会選考方法)3名(内2名は特別強化選手)
①1名選考・・・日本代表決定競技会の3種目の合計により、上位1名を日本代表とする。
  フープ+ボール+(1種目)
コントロールシリーズトップ通過の山口留奈選手は左足靭帯損傷のため欠場となり、6名の選手での選考会となった。
(フープ)
試技順1番は三上選手。緊張した面持ちの中、秘めた強さを感じる。
冒頭のマステリーを成功させ、次々と難度要素をこなす。前回のコントロールシリーズより難度の精度は確実に上がっている。中盤のマステリーの連続、ラストのDERも成功させた。気持ちのいい演技であった。得点15.450
 続いて池ヶ谷選手。動きの伸びやかさには定評がある池ヶ谷選手の持ち味が活かされる選曲と演技構成である。演技序盤のローテーション難度は見事であった。ジャンプも伸びやかでダイナミックであった。中盤・後半とローテーション難度の終末が甘くなり、マステリーの実施ミスが目立った。落下はなかったが得点13.800
 次に古井選手の登場。個性豊かな表現力で観客を魅了した。マステリーから演技は始まり序盤のローテーション難度も軸がびくともしない見事な出来栄えであった。チャーミングで伸びやかかつ力強い演技であったが中盤から後半にかけての落下ミスが惜しまれる。得点13.250
 そして、成松選手。手具操作には定評がある成松選手流石の演技であった。次々と手具が体の一部のように操られる。マステリーでのミスが惜しまれるが、ラストのハラハラ、ドキドキさせるDERを見事に成功させた。成松選手の魅力を十分に活かした演技であった。得点14.400
 続いて河崎選手。演技冒頭のDERを成功させ河崎選手の世界観が伝わる演技が披露された。コントロールシリーズより確実に精度が上がった難度要素に加え、表現力に磨きがかかった。
実施得点では8.300をマーク。情感あふれる演技の中にも力強さを感じる演技に観客は魅了された。得点15.400
 フープ最後の演技者は桑村選手。力強くメリハリのある演技に難度要素の精度が更に上がり一つ一つが明確に説得力のある演技であった。演技序盤のローテーション難度は軸に乗りいつもに増して素晴らしい出来であった。ラストのDERを成功させ得点15.050
6名の選手の意気込みと勢いを感じるフープの演技であった。
(リボン)
リボンは風の影響であったのか、選手達は苦戦したようである。
6選手全員に言えることはリボンが体に接触、結び目が出来る、また落下ミスが目立った。いかなる状況でもミスは最小限に抑えなければならない。
 三上選手14,800、池ヶ谷選手14.100、古井選手14.150、成松選手14.750、河崎選手14.450、桑村選手14,150と15点台を超える選手がいなかった。
最終的にフープ+ボール+(1種目)の3種目合計で代表選手1名が選考される。
どの選手も3回のコントロールシリーズを経て演技力は格段に上がっている。選手達のここまでの努力に敬意を表したい。そして、全ての選手が明日最高の演技で戦い抜くことを願う。