第12回全日本ユースチャンピオンシップ他レポート2

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6月1日(日)
【第12回全日本新体操ユースチャンピオンシップ大会3日目 決勝】
 
 ユースチャンピオンシップ大会最終日は個人総合決勝が行われた。予選種目ボール・クラブの2種目合計上位33名によりユースチャンピオンの座をかけて選手達の熱い戦いが繰り広げられた。
 予選トップ通過は昨年の覇者河崎選手、連覇をかけて決勝進出となった。予選上位3名の河崎選手、古井選手、桑村選手は代表選考会にも参加しておりユースチャンピオンシップ決勝終了後直ちに代表決定競技会にも出場する。
 第12回ユースチャンピオンシップを制したのは、昨年の覇者河崎羽珠愛選手であった。
1種目リボンではエシャッペで落下というミスがあったが、全体を通して伸びやかな演技を披露。1つ1つの難度要素を丁寧にこなしミスを忘れさせる演技であった。得点15.050
2種目目フープの演技では表現力豊かな演技を披露。動きに柔らかさと伸びやかさがが増し更に難度の正確性が際立って見えた。圧巻の演技で得点15.250、総合得点も唯一60点台にのせた。
 2位につけたのは桑村美里選手。1種目目のリボンでは演技冒頭のマステリーを成功させたが、フェッテバランスでリボンが体に接触、ラストのDERもミス。得点13.750とミスが響き伸びなかった。フープではリボンのミスを巻き返すかのように力強くメリハリのある演技で躍動的に演じた。ラストは取り損ねたかのように見えたが大きな減点には繋がらなかった。得点14.550
 
 続いて3位に入賞したのは古井選手。リボンの演技では冒頭のマステリーを取り損ねたが、次々と続く難度要素を丁寧にこなす。ラストのリボンの投げも若干上に上がったが即座に対応し見事キャッチ。得点14.650
最終種目のフープでは好調に次々と難度要素を正確にこなしていた。非常に伸びやかで古井選手の長所が活かされたプログラムである。しかし、演技後半のDERでフープが大場外となり予備手具を使用。非常に残念であった。得点13.150
 今大会で上位入賞した3名の選手はいずれも3月からコントロールシリーズに参戦している選手達である。早い時期から試合を経験して積み重ねた努力が結果に繋がったのだと確信する。
上位15名の選手が全日本選手権の出場権を獲得した。全日本選手権大会では更にステップアップした演技を期待したい。
【第33回世界新体操選手権大会・第17回アジア競技大会日本代表選考】
 2014年3月から3回のコントロールシリーズを経て、日本代表の1枠が今日決定する。
昨日の6名の選手の演技からは代表の座を勝ち取る意気込みが感じられた。
 誰が代表に選ばれても納得できる選手達の成長ぶりである。3回のコントロールを経てその都度審判からのフィードバックを受け、難度要素の精度が格段に上がっているのであろう。ダンスステップコンビネーションのダイナミックな動きやスピーディーな移動、バランス・ローテーション難度終末動作に無駄がなく動きの繋ぎがスムースになったように思う。
 
 代表の座を誰が勝ち取るか最後まで分からない試合展開となった。
 世界選手権代表の座を獲得したのは三上真穂選手であった。ボールの演技では手具を遠くで丁寧に扱い、ローテーション難度を見事に決める。後半のマステリーが成功しなかったが大きなミスには繋がらなかった。得点15.300
クラブの演技は会心の出来であった。特にローテーション難度ではびくともしない強さを見せた。得点15.700
三上選手の試技順は1番であった為三上選手演技終了後では試合の行方は全く分からなかった。
 
 河崎選手1種目目はボール。リズミカルな音楽にのせてミスのない演技で得点15.750
2種目目クラブの演技では演技中盤にクラブが手から離れてしまった。魔が差したようなミスであった。その後のパンシェターンでバランスを崩し終末が乱れた。得点15.200
 
 6名の選手が全ての試技を終え、非常に僅差であったが世界選手権代表の座は三上選手が獲得した。
そしてアジア競技会の代表は三上選手と選考会議で河崎選手に決定した。
既に代表が決定している特別強化選手の2名はロシアを拠点に1月からヨーロッパ各地で開催されている試合を転戦している。世界選手権、アジア競技会に向けて確実に鍛えられている。今後世界を舞台にする三上選手、河崎選手の今後の更なる成長に期待したい。
 最後に、ユースチャンピオンシップにも出場した河崎選手、桑村選手、古井選手は非常にタフな試合運びであったが、3選手ともに素晴らしい演技を披露した。コントロールシリーズを経て強化された成果であろう。様々な経験を力に変えて若手選手達が成長していく姿に今後も期待したい。
三上真穂選手
河崎羽珠愛選手