第68回全日本新体操選手権大会レポート(11月7日)女子

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大会2日目は個人総合後半2種目(クラブ・リボン)、団体総合(フープ&クラブ)の競技が行われた。
●個人競技
個人総合を制したのは河崎羽珠愛選手、2連覇である。4種目全て16点台を獲得し安定した演技で圧巻であった。
河崎選手はリボンからのスタート。独創的な音楽にのせてダンスステップコンビネーションから演技が始まる。無駄なステップがなく動きの流れの中で技が展開してく。ローテーション難度、バランス難度も軸が取れていて明確に実施されていた。足投げのDERも躊躇なく成功し、リボンが遠くで扱われていた。演技終盤のDERの前に持ち損ねて少しもたつくがすぐに立て直し見事にDERも成功させた。D8.250 E8.500 得点16.750
クラブでは軽快なリズムに乗って非常に伸びやかに演技した。中盤のマステリーで少し移動があったがミスは繋がらなかった。DERの受けのタイミングもコントロールされていて予定されているプログラムが正確に行われている印象を受けた。両種目とも河崎選手の持ち味が十分にいかされた出来栄えであった。D8.400 E8.450 得点16.850
2位に輝いたのは全日本ジュニア選手権覇者、喜田純鈴選手である。
クラブの演技では演技序盤、スピード感のあるパンシェローテーション難度を正確に行い次のアチチュードターンも美しく回りきる。非常にいい動きをしていたが、DERの背面受けでクラブを落下してしまった。しかし、ミスは1つにとどめ最後まで予定されたプログラムを踊りきった。失敗を引きずらずに最後まで演技を纏める強さが身についたのが頼もしく思えた。スローテンポの音楽で長い手足を生かした伸びやかな演技であった。D7.600 E8.050 得点15.650
リボンはジュニア種目ではないにも関わらず会心の出来であった。パンシェのローテーション難度は完璧に4回転を回り、そのほかのローテーション難度も目を見張る速さで回転し会場が沸いた。動きに張りとしなやかさが備わり1つ1つの動きに説得力がある。DERも全て成功させ、シニア顔負けの表現力で観客を魅了した。D7.950 E8.400 得点16.350
3位の座は猪又涼子選手が獲得した。4種目を通して安定した演技をみせ、着実に得点を重ねた。リボンではスピード感ある演技の中にマステリーを取り入れ、ダイナミックなDERを成功させる。リボンも非常によく動いていた。手具操作が巧みでクラブの演技でも随所にマステリーが見受けられた。テンポの速いリズムの中で次々と技をこなしていく。非常に勢いを感じる演技でDERも全て見事に成功させた。演技終了後の笑顔からも力を出し切った姿がすがすがしく見えた。クラブの実施は8点台に乗った。リボン15.500、クラブ15.950
●団体競技 
団体総合優勝に輝いたのは東京女子体育大学、4連覇を達成した。
団体総合は昨日のリボン5と本日行われたフープ&クラブの合計得点で順位が決定する。
昨日に引き続き、気迫を感じる演技であった。会場が静まり返る中演技冒頭のコラボレーションリスクを成功させ勢いに乗る。昨日に引き続きダイナミックで力強い演技で予定されているプログラムを次々と成功させる。終盤のコラボレーションリスクをぴたりと決めて大きなミスなく演技が終了。DスコアEスコアともに8点台に乗せ、いい出来栄えであった。得点16.450
2位は最終演技チームであった国士舘大学。交換、コラボレーションリスクに移動がなく、予定されているプログラムを正確に実施した。次々と展開される連係を流れの中で行い、同時性も優れていた。DスコアEスコアともに8点台をマーク。得点16.050
3位には日本女子体育大学が入賞した。非常に躍動感のある演技で、工夫された連係を流れの中で行っていたのが印象的である。DERの受けが少し乱れる場面もあったが大きなミスには繋がらなかった。演技終盤のコラボレーションリスクを見事成功させ演技を終える。得点15.750 
明日は個人競技・団体競技共に各種目上位8名・8チームによる種目別決勝が行われる。各種目により上位者と上位チームが異なるので、どのような戦いが繰り広げられるのか楽しみである。