2016新体操モスクワ・グランプリレポート3

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大会情報・結果
現地2月21日、モスクワグランプリ最終日は種目別決勝が行われた。
<団体種目別決勝 リボン>
1位はロシア。前半、リボンが身体にからみついたり、キャッチの移動などはあったが、団体総合の時と比較すると落ち着いていて、大きなミスは回避。18.050で、総合では獲れなかった金メダルを手にした。
2位はブルガリア。ブルガリアもミスなく、ダイナミックに演技して17.500
3位はイスラエル。キャッチの移動はあったが、相変わらず安定感のある演技で17.400。
4位に日本(フェアリージャパンPOLA)。キャッチの移動も少なく、全体的には総合時より良い出来だった。しかし終盤の、リボンでリボンを渡す連係(3本投げの箇所ではない)で乱れが生じて落下。惜しいミスが出て17.000。落下があっても17.000に乗せられており、確実に日本のランクが上がっている印象である。
<団体種目別決勝 フープ&クラブ>
1位はロシア。リボンと同様、総合時より落ち着いていて、難しい連係をシステマチックに進められている感じであった。不正確な体勢でのキャッチは多いが、18.300
2位はブルガリア。この種目もミスなく演技。ブルガリアは4演技をミスなく行い、シーズン始めから飛ばしている印象である。
3位にイスラエルと日本が入った。日本はパンシェでのぐらつきがあったが、他には危なっかしい箇所も少なく、2本投げの交換も、多少の乱れをカバーした。イスラエルと同点で17.400
日本は高いチーム力を武器に、難度の精度を上げていくことと、ボリュームのある動き方をしていくことで、より得点をアップさせることができると思われる。
<個人種目別決勝>
皆川夏穂はフープとリボンに出場。MamunやSoldatova、Staniouta、Sonなどそうそうたるメンバーが出場する中でも、少しもひけをとらない演技を見せた。
フープでは、そりジャンプターンの連続で、2回目の重心軸の移動が悪く、2回目が崩れた。それ以外は、手具操作には安定感があり、17.583で5位。中盤の点を取ることは堅いものとなってきた。
リボンは出だしのDERでキャッチしたときにリボンが絡み、少々もたついた。バランスもしっくりとはいかず、17.250で6位。
皆川は2種目を変更しているが、手具操作はより巧みに、ダイナミックにかつ繊細になっている。動きの深さ、空き手の使い方なども美しくなっており、今後がますます楽しみである。
フープの1位はSoldatova。アチチュードローテーションがぐらつき、難度がひとつ抜けたが、勢いのある演技で18.500。
ボールの1位もSoldatova。18.883の高得点を出し、Mamunらとすっかり肩を並べた感がある。
クラブの1位はMamun。総合ではうっかりしたミスがあったが、種目別ではきっちりと決め、やっと金メダルを手にした。
リボンはArina Averina。
韓国のSonは、フープで銀メダル、ボールとリボンで銅メダルと、表彰台をがっちりつかんでいる。
Stanioutaはさほどミスがあるわけではないが、銅メダル獲得はクラブのみであった。
ジョージアのSalomeはフープで銅メダル。どの種目も、彼女の世界が存分に表現されていて、その動きっぷりは、命をも削って演技しているような、すさまじさすら感じる。それゆえに観客を引きこむ力があり、観るものを魅了する。右足を痛めているのか、演技を終えると足を引きずっていたが、演技中はそんなことは微塵も感じなせない演技であった。オリンピックでも注目すべき選手である。
<インターナショナルトーナメント・ジュニア>
喜田純鈴はクラブ以外の3種目に出場。どの種目も、総合時よりずっとクリアで、美しかった。
ボールのラストのMでボールが遠くに飛んだが、足がするっと伸びてキャッチ。会場がどよめいた。
ロープは15.700で4位。
フープは15.733で5位。
ボールは16.133で、0.033足りずに惜しくも4位。
喜田は、次にペサロの大会に出場予定である。
団体と皆川、早川さくらは続くW杯エスポー大会(フィンランド)に出場する。