2016新体操W杯フィンランド国際レポート1

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現地2月26日、W杯エスポー大会(フィンランド)が開幕した。
団体の出場国は、ベラルーシが棄権して6カ国と少ないが、モスクワグランプリに続いてロシア、イスラエルが出場し、加えてウクライナ、スペインなど、ほぼ中堅、強豪国の戦いとなった。本日行われたのは団体総合前半種目(リボン)。
日本(フェアリージャパンPOLA)は、束ねたリボンをリボンで投げ返す3本投げで移動があったが、反応良くキャッチ。しかし、背面投げの交換で、リボンの裾を踏んでしまい、リボンが戻ってしまったためにキャッチできず落下。すぐに対処し、その後には響かなかったが、交換の落下ミスが出たために16.950。
初日の1位はロシア。交換で大きな移動があったり、ダンスステップコンビネーションではリボンに結び目ができたりした。また数本を投げるために振り回した際、リボンの裾が場外。全体的にはばらつきがあり、17.400。
2位はイスラエル。身体にリボンが触れたり、リボン同士のスレがあり、17.350。ロシアとはわずかに0.05の差である。
3位はスペイン。連係のキャッチで、リボンを吊り下げた形となり、動きが少々止まった。交換でも移動があったが、動きでうまくごまかした。17.300。スペインもロシアとの差はわずかに0.1。
4位が日本で、日本も上位陣とはさほどの差ではない。
5位がフィンランドで、6位にウクライナ。ウクライナは、何でもないところで選手が体勢を崩して手を床につき、交換前にもリボンがからみ、投げが遅れた。ダンスステップコンビネーション前にも落下があり、16.100と出遅れた。
日本出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
畠山愛理
横田葵子
熨斗谷さくら
<個人総合前半>
日本からは皆川夏穂と早川さくらが出場。しかも試技順が続く中での戦いとなった。
先に登場したのは早川。フープでは大きなミスなく演技し、17.500。順調な滑り出しを見せた。
ボールではアチチュードローテーションの終末が流れ、バックルのパンシェローテーションもいまひとつクリアではなかった。DERでも若干もたついたが17.550と17点台中盤をキープ。前半を終えて7位と、好位置にいる。
皆川のボールはすばらしい出来であった。DERの片手キャッチが少々危なかったが、ラストの、座、視野外、手以外のキャッチも決めた。時間が足りなくなり、最後のMはやらずに終えたが賢明な判断であったろう。17.700を出し、18点も近くに見えてきた。
しかしフープの種目では、腕の上での軸回しが少しうまく行かず、なんとなくリズムを崩したまま進んでいった。DERでもキャッチでもたつき、足持ちのローテーションも終末が流れた。どうにか我慢しつつ、終盤まで持たせたが、背面キャッチで落下。16.650で、前半は12位につけている。
前半1位は、モスクワグランプリを制したロシアのSoldatova。フープはジャンプでのフープの蹴りでわずかに落下。全体的に荒い印象で18.300。ボールは対照的に丁寧に演技して18.800と、この日の最高得点を出した。
前半2位はウクライナのRizatdinova。フープもボールもほぼミスのない演技で、相変わらずローテーションの軸の乗りも良く、ともに18.400。
3位は韓国のSon。同じくミスはなく、Rizatdinovaに0.05差でつけている。
4位はベラルーシのStaniouta。ボールでわずかな落下があり、全体的には、エネルギーはあるが少しこなしが荒い感じであった。
5位にイスラエルのRivkin、6位にロシアのDina。そして7位に早川で、そうそうたるメンバーの中、上位に食い込んできた。今日の演技は、エレメントとエレメントのつなぎに隙間があるように感じられたが、こうして大きなミスを回避し続けることで、得点アップが望めるだろう。
皆川もフープではミスが出てしまったが、ダイナミックさと繊細さを兼ね備えていて、ミスがないときには高得点がポンッと出やすくなっている。
ふたりとも、総合で8位入賞することも、夢ではなくなってきた。
最終日の種目別決勝には、早川がフープとボールの2種目に出場が決まり、皆川もボールに出場する。
ボールには早川と皆川が揃って出場することになり、日本選手の勢いを感じさせるものとなった。
明日は団体総合後半と個人総合後半が行われる。
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