2017新体操W杯ブルガリア大会レポート1

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【大会初日】
新体操W杯ソフィア大会は、5月5日に開幕した。
日本は、団体競技は不参加。個人競技には皆川夏穂と立澤孝菜が出場した。
《個人総合前半》
Bグループに登場した立澤は、ボールの演技から。バックルでのパンシェローテーションが終末に崩れ、支持あり後方ローテーションもかかとが早く床につくなどのBD(身体難度)ミスはあったが、全体的には伸びやかな演技であった。D7.100、E7.900 15.000
フープは、出だしのAD(加点の可能性のある手具操作)で落下。あとはどうにか踏ん張った。D7.100、E7.550 14.650。
皆川はCグループで登場。足首を痛めており、パンシェローテーションなど足首に負担がかかるBDを、バランスのBDに変更するなどして、試合に臨んだ。フープは、変更したBDのスケールはやや曖昧であったが、全体的にはBDもADもクリアであり、なんといっても、優雅さが他の選手にはないものである。
D8.7000 E8.550 17.250
ボールは出だしからプログラムどおりではない箇所がいくつかあったが、とにかく「がまんして粘った」という印象。大きなミスを回避したが、リズムが悪いときでも、こういった試合運びができるようになれば、安定した上位位置の確保ができるようになるだろう。D8.300、E8.550 16.850
立澤は現在23位(48人中)、皆川は5位。皆川はフープ、ボールとも種目別決勝に進出する。
2種目を終えてのトップは地元ブルガリアのVLADINOVA。2種目とも大きなミスはなく、ハイリスクの技を次々と決めた。フープは18.800、ボールは16.550と、ただひとり2種目とも18点台に乗せている。
2位はイスラエルのASHRAM。若干、技の羅列にも思えるが、フープでは18.350を出して、2位につけている。
3位はブルガリアのTASEVA。フープはR(リスク=手具を投げ、2回転以上の回転を行ってからキャッチ)の投げに乱れが出たが、ボールはほぼ完璧な演技で18.400。
同点3位でベラルーシのHARNASKO。ジュニアから上がってきた選手であるが、華やかであり、手具操作もクリア。
5位に皆川で、6位がロシアのSERGEEVA。来日したこともある選手であるが、ボールの出だしで落下があった。
リオオリンピックが終わって、まだこれといったスターが誕生していないが、そんな中、皆川の美しさは群を抜いている。
まだBDが曖昧になり、AD要素が少ないなど改善しなければならない点はあるが、ぜひその美しさには磨きをかけていってほしいものである。
団体総合前半はブルガリアが1位、ウクライナが2位、ロシアが3位。ベラルーシは幾度か落下ミスがあり4位に。
ロシアはナショナルチームではなく、優勝争いはブルガリアとウクライナに絞られた感がある。その差は0.1であり、でき次第ではウクライナの逆転勝利もあり得る、
6日は後半種目が行われる。
大会情報・結果