2017アジア新体操選手権レポート3

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【新体操第9回アジア選手権・第15回アジアジュニア選手権大会3日目】シニア大会情報・結果へ ジュニア大会情報・結果へ
6月26日、新体操第9回アジア選手権・第15回アジアジュニア選手権(カザフスタン/アスタナ)3日目は、アジアジュニア団体種目別決勝ロープ、ジュニア個人総合決勝、アジア選手権団体種目別決勝フープ、シニア個人総合決勝が行われた。
《アジアジュニア団体種目別決勝ロープ》
試技順1番は中国。
ロープの不正確なキャッチは多いが、大きなミスは回避した。
ロープには珍しくエレガントな曲を使用しているが、長身で美しい選手が揃っているチームなので、個性に合っている。D7.300 E7.400 14.700
試技順2番は韓国。
韓国も落下ミスなし。大きく移動しながらも執着心をもってキャッチした。
D6.100 E6.550 12.650
試技順3番はウズベキスタン。
多少荒さはあるがエネルギッシュな演技を見せた。
D7.600 E7.250 14.850
高得点をたたき出した。
試技順4番はカザフスタン。
キャッチに移動はあるもののカザフスタンも落下ミスなし。
ここまで全チームが落下ミスなしで演技している。
D7.100 E7.300 14.400
そして最後は日本(選抜チーム)。
ミスなくやらなければ優勝はない状況であったが、日本もキャッチの移動はあったが落下ミスなく演技した。
D7.100 E7.800 14.900
思いのほかD得点が低かったが、他の国よりロープのたるみが少なくEに助けられて僅差で金メダル(2個目)を手にした。
出場選手:
小西野乃花
中村胡桃
稲木李菜子
今岡里奈
末永柚月
1位日本
2位ウズベキスタン
3位中国
4位カザフスタン
5位韓国
《ジュニア個人総合決勝》
日本からは山田愛乃選手と小池夏鈴選手が決勝に駒を進めた。
小池はフープの種目は大きなミスなく演技したものの、ボール、クラブ、リボンと落下があり、尻すぼみに出来が悪くなっていった。9位
山田はフープ、ボールと落ち着いて演技したが、やはり後半種目のクラブ、リボンでミスが出た。5位入賞を果たしたが、4種目をまとめるということができなかった。
優勝したカザフスタンのTLEKENOVAや2位のウズベキスタンIKROMOVAともに落下ミスなく4種目をまとめており、こういった強さが日本選手には必要であろう。
《シニア団体種目別決勝フープ》
日本(フェアリージャパンPOLA)は、投げが強すぎで危ない箇所はあったが、持ち前のカバー力でこなし、落下ミスなく力強く演技した。身体難度が若干甘くなる箇所もあったので、その点は修正したい。
D9.900 E8.450 18.350で今大会2個目の金メダル獲得。
出場選手:
杉本早裕吏
松原梨恵
国井麻緒
竹中七海
鈴木歩佳
2位はウズベキスタン。
身体難度に荒さがあるが大きなミスはなかった。
D9.400 E7.350 16.750
3位は中国。交換のキャッチで、投げが悪かったのかころぶようにしてキャッチするというミスが出た。
D9.100 E7.400 16.500
総合で2位に食い込んだ朝鮮民主主義人民共和国はいくつか落下ミスなどが出て6位だった。
1位日本
2位ウズベキスタン
3位中国
4位韓国
5位カザフスタン
6位朝鮮民主主義人民共和国
7位チャイニーズタイペイ
8位マレーシア
《シニア個人総合決勝》
決勝に進んだのは皆川夏穂選手と喜田純鈴選手。
喜田のフープは非常に伸びやかで、ローテーションの軸の乗りも良かった。
BD(身体難度)、AD(加点の可能性のある手具操作)、R(リスク=手具を投げ上げ、2回転以上の回転を行う)、すべてクリアであった。
D9.100 E7.950 17.050
Dを9点台に乗せ、合計点でも自身初の17点台に乗せた。
ボールは成功率の低い技をやらずに演技した。難度点は低くなるが、個人総合を戦う上では正しい判断であったろう。
D7.900 E8.000 15.900
クラブは出だしのADで昨日と同じミス。クラブの速い回転スピードに目が追いついていない様子である。その後はあきらめずに踏ん張り、D9.000 E7.750 16.750
リボンはRのキャッチの際にリボンを踏んでしまうミスがあったが、昨日落下した箇所は修正してきた。D8.200 E7.500 15.700 総合点は65.400。
E実施点は技術的なミスと、芸術的なミスとにわかれるが、つなぎの悪さなどは芸術的ミスとして減点される。喜田はまだまだたどたどしさがあったり、動きと動きのつなぎが悪かったりして、芸術的減点がある。
その点を改善していけば、安定して17点台を確保していけるであろう。
皆川は、フープの軸回しのADで落下。D8.400 E8.000 16.400
ボールはころがしのコースがずれたためADをひとつ抜いたが、そのほかは非常に攻めた演技であり、クリアであった。D9.500 E8.400 17.900
クラブとリボンはどちらもがまんの演技。RやADの投げが乱れているが、こらえてキャッチしていた。こういったがまん強さが定着していけば、もっと戦いやすくなるであろう。
クラブD8.500 E8.050 16.550
リボンD8.500 E8.100 16.600
総合点67.450
皆川は銀メダルに輝いた。
1位はウズベキスタンのSERDYUKOVA。
回転力を武器にグルグル回り、4種目を通して落下ミスなし。最後までエネルギーを失うことがなかった。
総合点71.650
2位が皆川で3位はウズベキスタンのTASHKENBAEVA。65.600
喜田はTASHKENBAEVAに0.2及ばず4位であったが大健闘である。
優勝候補筆頭、地元カザフスタンのASHIRBAYEVAは、安定感が武器であるはずなのに、出だしの種目フープで3度の落下ミス。13.600で苦しいスタートとなった。後半種目は17点台に乗せてきたが追いつけずに5位。
地元で金メダルをという欲がそうさせたのかはわからないが、勝利の難しさを感じさせられた。
明日の大会最終日はジュニア団体種目別決勝クラブ、ジュニア個人種目別決勝、シニア団体種目別決勝ボール&リボン、シニア個人種目別決勝が行われる。