【大会レポート】第69回全日本新体操選手権大会

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第69回全日本新体操選手権大会は11月25日(金)~27日の3日間、国立代々木競技場第一体育館にて行い、男子個人36名、団体15チームで日本一を競った。
【個人総合】
男子個人総合では、臼井優華選手(中京大学/大垣共立銀行OKB体操クラブ)が全種目を18点中盤以上獲得し全4種目トップで、2位に2.575差の大差での優勝であった。臼井選手は、2014年度・2015年度を準優勝と最終種目であったクラブでのミスで優勝を逃しており、本年度の全日本優勝への思いは大きかったものと思料できる。臼井選手の強みでもあるタンブリングでの手具操作の工夫などもしっかりと決めることができたと共に、滞空時間も長く高く実施されたことと、演技面の使用の多様性など構成面、実施面とも高評価された。演技終盤でのシリーズ系のタンブリングの精度も高く体力面での評価もあった。
中京大学現役選手の個人総合初優勝となった。
前年度チャンピオンの小川晃平選手(花園大学)が、ロープの演技中のアクシデントでケガがあり、総合争いから離脱となり、準優勝争いが熾烈となった。準優勝の永井直也選手(青森大学)も持ち前であるリズミカルで独創的な選曲、構成で観客を魅了し、スティック・クラブでは18点代をマークしたが、リング・ロープでの投げ受けでのミスが出て、臼井選手との点差が開くことになった。
3位には、川東拓斗選手(国士館大学)が初メダル。粗削りであるが非常にダイナミックな演技を4種目で実施した。今後、楽しみな選手である。
4位には、本年度インターハイチャンピオンの高校生である安藤梨友選手(大垣共立銀行OKB体操クラブ/済美高校)が入った。
今後、同難度であっても、手具の多様性など身体運動、タンブリングとともに調和され工夫した構成や実施力が必要となっていくので、新しい技の開拓に頑張ってもらいたい。
【個人種目別】
個人種目別決勝も、臼井選手が4種目ノーミスを実施し、すべて18点中盤以上を獲得。個人総合を含めて、完全優勝となった。総合ではミスがでていた永井選手も持ち前となっている独創的な演技を披露。観客から大きな拍手をもらっていた。
 高校生の安藤選手がスティック、クラブの2種目で銅メダルを獲得するなど活躍した。
【団体選手権】
 団体決勝を制したのは、全日本学生チャンピオンチームの青森大学。全日本はこれで三連覇の達成となった。
 新ルールとなり、実施の採点が厳しくなったことから、今大会の上位チームは非常に実施力が上がっていた。
 高難度のタンブリング系でのミスによるものはあったが、細かい合わせや動きの処理などでの小さな減点箇所はしっかりと改善されていきていると感じた。準優勝した花園大学は予選決勝とも実施を抑えていたと感じ、全体の仕上がりも良かった。3位だった国士館大学は、決勝では要所をしっかりとこなし、見せたいと思っていたことを表現できていたのではと思う。予選でのミスが悔やまれる。高校生は世代交代もあり練習不足によるミスもみうけられたが、どのチームも個性がでていて、今年度末の高校選抜や来年の高校生大会が楽しみである。
【最後に】
 新ルール2年目で、本年度最後で最高である本大会での採点や結果を受けて、ルールの見直し等があろうかと思うが、日本独自の競技である男子新体操をより明確によりグローバルにしていくためには、今後更なる改正の検討が行わると思料する。全国の男子新体操の関係者みんなのご協力そしてご理解がなければ、社会的評価を受けられないので、「社会的価値をあげる」ことに重きを置かないといけないと考える。
男子新体操委員会
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