2018アジア・アジアジュニア新体操選手権大会レポート3

報告者:新体操強化本部

アジア選手権3日目はジュニア・シニア個人総合と団体種目別決勝の1種目めが行われました。

<ジュニア個人総合>
国別対抗の成績上位16名(各国上位2名まで)が進出した個人総合で1番に登場した山田選手はフープの演技から。難度のはまりも良く、はつらつとノーミスで演技を終え13.60。前田選手はクラブからで、昨日の国別対抗でのミスをしっかり修正し着実に演技し、13.50。

山田選手の2種目めはボールで非常にのびやかに演技していましたが、演技後半の指回しから腰にはさむADで落下ミスが出て、ミスが響き12.15。前田選手のリボンはリボンのさばきも良く、途中リスクやADで危ない箇所もありましたが、全体的にはよくまとめて、12.40。

山田選手の3種目めはクラブで、昨日と同様に非常に良い演技でしたが、最後のリスクを真上に上げてしまい、回転を1回転にして落下を回避する処理をしました。後はさほど昨日と変わらない出来栄えだったにも関わらず、11.75。特にD得点は4.9と大きなミスがあったかのような得点となってしまいました。前田選手の3種目めはフープで、途中パンシェターンの開脚度が足りず、軸がぶれて危ない箇所がありましたが上手に肘側転につなげ、大きなミスなく終え13.45。

最終種目。山田選手はリボンでしたが、4種目めの疲れもあったのかリスクと投げから背ころがしにつなげるADで落下ミスが出てしまいました。得点は11.20。先ほどのクラブと落下ミスの出たリボンが同じ11点代となることに疑問が残る結果でした。前田選手の最終種目はボールで、足キャッチが手になってしまったり、リスクの回転不足などがありましたが、丁寧に演技して12.80。

結果総合では前田選手が52.15で第6位入賞、山田選手が48.70で第9位という結果となりました。上位のカザフスタンやウズベキスタン、そして今回上位に食い込んできた韓国は、たとえジュニアでも流れの中でたくさんのADを次々に行っており、そこから比べると日本選手はコマ数が少ないように見えました。ただその演技が本来の新体操の美しさを表現し、音楽と動きが一体となった感動を呼ぶ演技かというと疑問が残りますが、上位に上がっていくためには、もう少しADを取り入れていった方がよいと感じました。

<ジュニア団体種目別①ロープ>
今日はロープの演技が行われました。初日のミスを挽回したいところでしたが、最初のCCでロープが乱れ、処理しきれないまま投げてロープの片端が落ちるミスになり、その後も連携でロープの片端を離すミスが2箇所出てしまいました。ロープの端をキャッチすることにこだわって練習してきたことが見せられませんでした。得点は12.35で中国、カザフスタンに次いで第3位となり銅メダルを獲得しました。

<シニア団体種目別①フープ>
今日はフープの演技が行われました。5つのうち2つの交換で手以外のキャッチが出来ない選手がおり、D得点が加算されませんでしたが、ミスなくまとめ予選の得点を超える17.75という高得点をマークし、2つめの金メダルを獲得しました。

<シニア個人総合>
まず登場したのは古井選手で種目はフープから。最初のMGターンから起きる難度でくずれてしまいましたが、あとは国別対抗でのミスも修正し、いい滑り出しで得点は13.65。大岩選手はボールからで、側転から腰にはさむADで落下ミスが出てしまいましたが、初日のボールに比べると、落ち着いてのびやかに演技が出来ていて得点は15.00。

2種目めは古井選手は国別対抗で演技していないボールでしたが、古井選手らしいはじける演技を見せていました。しかし後半のADでキャッチしてから落下してしまうという惜しいミスが出て、12.80。続く大岩選手はクラブの演技。予選で回避したラストのADも見事に決めて、15.85という高得点をマークしました。

3種目めの古井選手のクラブはADをふんだんに取り入れ、スピード感もあり、決まれば高得点の出やすい種目でした。転がしのADでひやっとする場面もありましたが、しっかりまとめて14.90。大岩選手のリボンはピルエットの軸もよく、今日も会場を沸かせていましたが、途中結び目ができステップをしながらほどいたのでステップがノーカウント。ラストにもたつきもあり、12.65。

最終種目。古井選手はリボン。最後まで集中力を切らさずに、ミスの出やすいリボンをノーミスでまとめ、満面の笑顔で演技を終えました。得点は13.45。最後はフープを演技した大岩選手もエレガントに美しいノーミス演技でまとめて14.65。ピルエットの軸もよく、クリアーな演技をしたのでもっと出てもいいと思いましたが、D得点が伸びませんでした。

結果総合で大岩選手が58.15で第6位入賞、古井選手が54.80で第8位となりました。やはりジュニアと同じで、D得点を7点代から8点、9点に上げていくためには、もう少しADを取り入れていかないと戦えないと感じました。

最終日の明日は個人種目別決勝、団体種目別決勝②が行われます。


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