2019新体操アジア選手権報告3

報告者:山﨑浩子

アジア選手権、アジアジュニア選手権3日目は各種目別決勝前半が行われた。

第11回アジア新体操選手権大会
——–第11回アジア選手権種目別決勝———-
<団体種目別決勝ボール5>

試技順1番はカザフスタン。
連係で落下があり、
D難度点14.800 E実施点6.100 計20.900

試技順2番は中国。
団体総合の時より勢いもあり、連係も成立させていたが、交換で落下。
D 15.100 E 7.350

試技順3番はウズベキスタン
交換や連係での移動キャッチがあり、ばらつきや四肢の汚さもあるが、落下ミスはなし。
そして出た点数に場内がどよめいた。
D1(BD身体難度、ED交換、Sステップ)5.60
D3(連係、Rリスク=手具を投げ上げ、2回転以上の転回を行う)13.20
D(難度点)18.800 E(実施点)7.300 計26.100

日本はまだ一度も25点台にさえ乗せていない。
特にD3の13点台は強豪国とも戦える数字であり、日本がミスなくやっても現時点では追いつけない数字であった。

試技順のラストに日本(フェアリージャパンンPOLA)が登場。
全体としては団体総合の時より動きも良く、移動キャッチなどのミスもほぼない状態。
ボールの片手受けも美しく正確であり、非常に良いパフォーマンスであった。
しかしパンシェバランス前の連係のキャッチ(脚の間をボールを通してからの背面キャッチ)でミス。
ワンバウンドですぐに対応したが、惜しいミスが出た。
D1 6.20
D3 11.50
D 17.700 E 7.650 計25.350
Dの17.700も、合計得点の25.350もチームベストスコアであるが、26点のウズベキスタンに追いつけなかった。
いやミスがなくても追いつけなかったであろう。実施では美しくてもそうでなくても、動きがそろっていてもそうでなくてもあまり差がつかないため、大会終了後はD3の見直しが必要である。

出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
熨斗谷さくら
鈴木歩佳
竹中七海

1位ウズベキスタン
2位日本
3位中国

<個人種目別決勝/フープ・ボール>

フープの種目には山田愛乃と猪又涼子が出場(各国最大2名)。
試技順1番は山田。
山田は前半の足投げが戻り、方向を変えてキャッチ。落ち着いて対処した。
全体的には小気味よい演技をしたが、MGキックの際の手具操作が不明確となり、ノーカウントとなったようである。
D 9.200 E 8.200 計17.200

試技順ラストの猪又も非常に落ち着いていた。
BD(身体難度)も正確に見せようという意思が見え、大きなミスなく演技を終えた。
D 9.800 E 8.150 計17.950

1位は中国のZHAO。
エネルギッシュにかつ正確なBDやAD(加点対象となる手具操作)を見せた。
D 11.500 E 8.100 計19.600

2位はカザフスタンのTLEKENOVA。この選手はミスをしない強さがある。
D 11.700 E 7.800 P0.05 計19.450

3位はウズベキスタンのFETISOVA。
D 9.700 E 8.300 計18.000

猪又は惜しくも4位。
山田が6位。

個人総合優勝者のウズベキスタンのTASHKENBAEVAは、フープを投げてジャンプターンでキャッチする際、踏み切りで足を滑らせ、転倒。
フープも落下してしまう。
その後は何事もなかったかのようにすべてのプログラムをやり切ったのは見事である。
D 10.500 E 6.850 計17.350

TASHKENBAEVAは5位。
その際に足を痛めたのか、ボールの種目は棄権した。

ボールは猪又のみ出場。
フェッテのローテーションの際、手具操作が危うかったが、なんとかこらえた。全体的には個人総合の時のほうが良かったが、点数はこちらのほうが高く、
D 10.700 E 8.250 計18.950

1位は中国のZHAO。
D 11.600 E 8.300 計19.900

2位はTASHKENBAEVAの代わりにリザーブから出場したカザフスタンのSHAKENOVA。
D 11.600 E 7.600 計19.200

3位はカザフスタンのTLEKENOVA。
D 11.600 E 7.500 計19.100

猪又はこの種目も惜しくも4位。

第17回アジアジュニア新体操選手権大会
———第17回アジアジュニア選手権——–
<団体種目別決勝フープ>
日本(選抜チーム)は試技順3番目に登場。
団体総合の時はその前日の大崩れから、よくここまでできたというほど良い演技であったが、今日も集中力があった。
交換での背面キャッチも決まり、終始落ち着いて演技していた。
D 11.000 E 6.700 計17.700

日本は団体総合の銅メダル獲得に続いて、種目別決勝フープでも銀メダルに輝いた。

1位はウズベキスタン。
D 13.400 E 6.900 計20.300

3位カザフスタン
D 11.600 E 5.750 計17.350

<個人種目別決勝/ロープ・ボール>
ロープには鈴木菜巴が出場。
出だしのADの投げが戻ってしまうと、リズムを崩したのか、続くADのキャッチで落下。
後半でもキャッチの際にロープの端が場外をしてしまい、最後までリズムがつかめなかった。
12.800

ボールには生野風花が出場。
生野は全体的にとても美しくかつ正確に演技した。立ち姿も堂々としており、委縮した感じを見せないのは評価できる。
D 8.900 E 7.800 計16.700
生野はこの種目で銅メダルを獲得した。

明日は種目別決勝後半が行われる。