新体操WCCグルジュナポカ大会2023レポート

報告者:新体操強化本部長 村田由香里

2023年7月14日〜16日、ルーマニアのクルジュナポカにて、WCCクルジュナポカ大会が開催された。個人54名、団体16ヶ国、計33ヶ国が参加、日本からは、個人 山田愛乃選手、喜田未来乃選手、団体はフェアリージャパンPOLA代表チームが出場した。

◆個人総合(7月14・15日)
【山田愛乃】種目は演技順
・ボール
出だしのDAにて落下、その後は大きなミスをすることなくまとめられた。しかし、スタートの曲の遅れを取り戻せず、曲と手具、体との一体感を感じられない演技となった。

・フープ
大きく乱れることなく、プログラム通りに演技を実施することが出来た。
後半、体力、筋力不足によりスピードが失速する印象を受ける。今後点数を上げていくためにも、技や身体難度、表現全てにおいて、終盤に向け力強さを増していけるかどうかが重要である。

・リボン
スタートからリボンのかきが緩く、スケールのコンバインでのDA中に絡まり、1つめのステップも切れる形となった。その後は、動きの硬さも抜け彼女の持ち味である大きさもあった。
今後、より細かい部分にこだわり練習を積む必要があることを痛感した演技であった。

・クラブ
全体的に落ち着きが見られ、最後までエネルギーも感じられた。しかし、DAにおいては落下を防ぐために慎重に行なったことで、回転不足などの不正確な実施が目立ち、Dスコアを伸ばすことが出来なかった。次戦に向け、落下の有無だけではなく、DB.DAともに評価してもらえる形を目指し、こだわりを持って練習に取り組む必要がある。

ボール  27.400 (D13.50 A 7.30 E6.00)
フープ  29.250 (D13.90 A7.65  E7.70)
リボン  25.550 (D11.30 A 7.20 E7.05)
クラブ  27.500 (D12.60 A 7.65 E7.30)
総合 26位

【喜田未来乃】種目は演技順
・ボール
今大会は全体的にボールでミスをする選手が多い印象を受けたが、喜田選手は1種目目から堂々と落ち着いた演技を披露することが出来た。今季、DBの実施が甘いことが課題であったが、選択する難度を見直したこともあり、少しずつレベルアップしていることが感じられる演技であった。

・フープ
彼女の持ち味である大きさを生かし、一つずつ丁寧に、明確に実施することが出来た。
R受けなどにおいて、若干流れが止まる箇所が見られるため、曲を生かした伸びやかで力強い動きを消すことなく、表現の一部として実施出来るようになればA.Eともに評価を上げられるであろう。

・リボン
演技全体を通し、目立ったミスや危ない場面はなくまとめることが出来た。
しかし、後半はリボンの先が常に体の近くにあり、手具さばきの緩さ、DBの実施度の甘さが目立ち最後の盛り上がりに欠ける印象となった。

・クラブ
中盤Rにてキャッチしたものの、次のDAの準備にて流れが悪く落下する形となった。
全大会よりも、動きの力強さや迫力は磨かれているように思えたが、DBにおいては足の振り上げのスピードが遅く、全体的にバランス難度、ジャンプの形が不明確に見えた。

ボール  30.650 (D15.20 A 7.80 E7.65)
フープ  30.600 (D15.00 A7.850 E7.75)
リボン  27.300 (D12.20 A 7.70 E7.40)
クラブ  26.100 (D12.10 A 7.40 E6.65 Ded-0.05)
総合 22位

◆個人種目別決勝 7月16日
喜田未来乃
・ボール
ラストRにて投げがやや短くなり回転数を減らし対処、曲に間に合わせるためDA転がしを省き演技をまとめた。DB.DAともに精度をあげなければいけない課題はあるものの、試合をこなす中で評価を上げられている手応えは感じる。
ここ数週間、股関節の痛みが増したことにより、思うような練習ができず、その詰めの甘さがDBの精度や演技の繋がり(熟練度)に影響が出る形となった。今大会で得られた課題を確実にクリアし、次の大会に臨めるようにしたい。

◆団体総合 7月14日・15日
・フープ
今大会の直前で怪我によるメンバー変更があり、調整に苦しむ結果となった。ミスや対応に追われ、終始バタついた印象となり、日本として見せたい形で踊りきることができなかった。しかし、いかなる時でも、誰の場所でもレベルが落ちることなく、試合に出場できるよう準備しておかなければいけないのが団体である。今後更に精度を上げるためにも、ミスのない演技はもちろんのこと、協調性を重視し、一糸乱れぬ演技ができるよう精進したい。

・ボール2リボン3
交換でのミスが相次ぎ、作品全体の流れが見えないまま演技を終える形となった。
どのチームを見ても、試合において練習通りに実施すると言うことはかなり難しいのが現実である。磨いてきた技術を見せ切るために、今一度練習のこだわる部分を明確にし、基礎の徹底、合わせの徹底、なんなく対応出来る技術の徹底を行い、次戦に臨みたいと思う。

フープ  24.400 (D13.70 A6.30 E4.70 Ded-0.3)
ボール2リボン3  25.300 (D13.20 A6.70 E5.70 Ded-0.3)
団体総合 14位
出場選手:鈴木歩佳、稲木李菜子、中村知花、西本愛実、田口久乃

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